今後の展望
  現時点では、大学内保育所が設立されても地域の人からの需要は少ないと推測し、今回は大学内保育所を設置する上での保育時間・駐車場・防犯についての提案をしてきた。

  しかし、つくば市の将来は人口が増加するとの予測がある(右図)。それに伴う保育需要の増加は無視できない。今回の調査で、筑波大学及び付属病院に働く人はつくば市内の保育所に預けている人が少なくないことが分かった。もし大学内保育所ができると、大学内に子供を受け入れた分だけつくば市の他の保育所に空きができ、待機児童が減る。これは、間接的につくば市の待機児童問題に貢献していると言えるが、直接的に貢献するものとして、地域開放する必要はないだろうか。

つくば市の人口予測
図7−1:平成12年国政調査に基づくつくば市の人口予測


  また、学内保育所が病院に近いという立地特性がある。病後児保育を実施でき得る環境にあるという貴重な立地特性を生かして、将来的には病後児保育を開始すべきなのではないか。さらに、今回の提案のような延長保育が実現すれば、この地域の夜間保育が充実する。

  しかしながら、設立の目的はあくまで学内関係者の保育需要に応えることにあるから、周辺地域に開放することで学内関係者の子供が入所できなくなる状況は避けなければならない。以上から、学内関係者優先という条件を維持しながらであれば、地域に開放する必要はある、といえる。

  施設部の方の話では地域開放も考慮して今後学内に2つ目の保育所を設置するという動きがある。先進事例として東京大学や宇都宮大学(設置予定)などでは周辺地域向けの保育所を学内に設置している。大学内に保育所をつくることのメリットとしては延長保育や、病院が近いことによる病後児保育など特別保育の実施が可能であることだと考える。背景でも述べたように、現在保育に対する需要は高まり、ライフスタイルや就業形態の変化に伴い多種・多様な保育サービスが求められてきている。よって、今後これらの多様な保育ニーズに応えるための保育施設のひとつの在り方として大学内保育所は大きな役割を果たすことができるのではないかと考える。