結論と今後の展望

5.結論

先に述べたシステム導入による効果より、システム導入は成功であるといえる。その一方で、今回の調査により学内バスのサービスに対する不満項目も明らかとなったことから、これら改善する必要がある。

6.今後の展望

( i )不満項目
図 11より「土日の便数」「定時性」「夜の便数」「TXとの接続」「朝の便数」「運行時間」に対する不満が多かった。我々は不満が多かった項目を以下の 2つにまとめ、改善の方向性を模索する。

図11.不満項目の回答者数(乗り込み調査より)

 

1.バスの便数・運行時間(土日・朝夜の便数、運行時間)
休日の運行便数は平日の約 7割であるが、1便当り平均乗客数は平日・休日でほとんど差はない。ここで、休日の便数を増やすことは1便あたりの乗客数の減少を招く。さらに、バス1台を新たに導入することで約1700万円の追加費用が必要となる(人件費込み 2004年度交通班調査)。よって、土日・朝夜の増便、運行時間の拡大は関鉄のコスト面から見た場合、現実的ではない。

図12.1便あたりの平均乗客数

 

2.定時性
学内〜つくばセンター間では渋滞はほぼ見られず、定時性が損なわれる主な原因として「現金支払い者による両替」が挙げられる。大城、大蔵、中村 (1997)によると、非接触式カード支払いでの降車時間は現金支払いの場合の約半分に減少するとある。よって、筑波大学関係者に対するパスカードの更なる普及が定時性の改善につながると考えられる。

( ii )パスカードの普及によるさらなる効果
パスカード普及による効果には他にもパスの売上増加による 大学のコスト減少がある。また、図?よりパスカードが普及すると、交通手段のバス選択率が増加し、車からバスに交通手段がシフトすることで CO 2 の更なる削減も見込める。

図13.パスの有無での通学手段

 

1.パスカード普及現状
ではパスカード普及にはどのような対策が有効か。現在の新学内交通システムは関東鉄道の尽力により旧学内システム時と比べると大幅に改善された。しかし、我々は乗り込み調査を通してパスカード・学内バスサービスについて十分に理解している人は多くないことを実感した。例えば、図?をみると、大学関係者の中で利用頻度が高いにも関わらず、パスカードを購入していない人が少なくないことがわかる。

図14.大学関係者の高頻度パス所持者

 

2.パスカードの認知度向上による普及
こうした現状を踏まえ、我々交通班はパスカード・学内バスサービスの認知度向上がより一層パスカードの購入につながると考えた。では、その認知度を高めるにどのような対策が有効であろうか。

様々な調査を通じて、現在、パスカードについての名称が統一されていないことを知った。それは新学内交通システムに関わった関東鉄道、筑波大学の関係者間でさえ同様である。そこで、パスカードの名称を統一し、さらに利用者にとって親しみやすいものにするために愛称をつけることを提案する。

3.パスカードの 愛称 : HaruCa

愛称の由来

PR手法
現在、大学はパスカード及び学内バスサービスについて大学の WEBページ上や学内・バス停等でPRを行っているが、十分な成果を得られていない。それは、それに関心のある学内関係者しか大抵見ないからである。その点、トイレ中のホッとした一時は、くだらない落書きさえ見てしまう。誰もがそこに何かあると見てしまう一時である。そこで我々交通班が提案するのは、大学内すべての大便・小便用便器の前にポスターを設置することを提案したい。ポスターには学内バスサービス、パスカードの内容をわかりやすく記載する。

4.まとめ と 今後の課題

・今回の調査では TXの影響を考慮しなかったが、乗り込み調査を通して、TX開業のバスの利用状況に対する影響を無視できないことを実感した。今後の課題としては、学内バスと密接な関係にあるこのTXの影響を考慮した評価が求められる。

・我々は今回の調査においてパスカードの普及という提案を行ったが、現在の契約上パスカードは 6000枚以上販売できないことになっている。したがって、販売枚数が6000枚に達した場合の対処方法について議論の余地がある。

参考文献:

大城、大蔵、中村 (1997) 「運賃収受方法がバス乗車特性に与える影響」土木学会第 52 回年次学術講演会

計良聡範 (2005) 「筑波大学における新たな学内バス導入のための交通行動把握と需要予測」筑波大学第三学群社会工学類卒業論文

都市計画実習交通班 (2004) 「学内バス廃止に伴う代替案の検討」