土浦市でのケーススタディー

5.つくば市・土浦市の「体験型科学学習」の現状把握


 「つくばちびっ子博士」をつくば市周辺市町村に拡大させていく上で、 周辺市町村の子供たちの意識調査や 市、学校が行なっている体験型学習の状況等の 調査が必要となる。 その調査を行なう中で、 全ての周辺市町村の調査を今回行なうことは難しいので、 土浦市を調査モデルとして選定し、 調査を行なった。 土浦市を選んだ理由として、 つくば市周辺市町村の中でもっとも小中学生人口が多く、 現在でもつくば市の次にちびっ子博士への参加者数が高いことから 潜在的需要が見込まれるという点があげられる。


1.土浦市の小中学生に対する意識調査

◎現状把握◎
 つくば市と土浦市の小中学生に対してちびっ子博士参加希望意志の比較に関するアンケートを実施した。

標本数 :つくば市103 うち有効回数103、土浦市81 うち有効回答数81
実施場所:つくば市、土浦市の児童館、学習塾

◎調査結果◎

図5-1:
つくば市と土浦市の小中学生に対してちびっ子博士参加希望意志の比較したところ、
土浦市の小中学生の参加意志がつくば市の小中学生の参加意志より1.9%高くなっている。
◎考察◎
つくば市と土浦市の小中学生に対するちびっ子博士への関心度に大きな差異はないと言える。

2.つくば市・土浦市の「体験型科学学習」の現状把握

◎調査目的◎

 ちびっ子博士の拡大可能性のある近隣市町村の一つである土浦市に関して、 「体験型科学学習」の実施状況を把握するため、 調査を行った。
 その際、つくば市と比較し、両市の体験型学習に 差があるのかどうかについて調査を行った。


◎調査方法◎

 両市の各小中学校HPの「年間行事」等を参照し、 総合学習時間・校外体験学習時間に 行なわれている学習内容を調査した。 その際、内容によって6種類に分類した。
 分類方法については、以下に例を示す。


◎調査結果◎

図5-2:つくば市・土浦市の小中学生対象の体験型科学学習の割合

 図5-2はつくば市(53校)と土浦市(15校)の小中学校を対象に 総合学習時間・校外体験学習時間に行なわれている学習内容を Web調査により分類した結果である。

 つくば市では合計223件あり、 そのうち50件の「体験型科学学習」が確認され、 その内容はJAXAなどの研究施設訪問が約30%を占める。
 土浦市においては合計63件あり、 その内容が「体験型科学学習」であるものは2件であった。 その2件とは、つくば市エキスポセンターの見学と 東京電力による出前レクチャーのみである。


◎土浦市教育委員会へのヒアリング◎

 さらに詳しく土浦市の体験型学習について調査するため、 土浦市教育委員会へのヒアリングを行った。

 土浦市では地域特性を生かした「歴史」の分野の体験型学習に力を入れており、 図5-2のように充実している。
 しかし、科学の分野の体験型学習については十分でないことが分かった。


考察

 「つくばちびっ子博士」は、延べ参加者数が毎年増加している傾向から 小中学生からの評価が高いことが見える。 また、観察・実験を体験できる内容が多い。 これに関して、土浦市ではつくば市と比べて 「体験型科学学習」が ほとんど実践されていない現状がある。 さらに土浦市の子供の需要と 研究所の需要があることを考えると、 夏休みのイベントである 「つくばちびっ子博士」の 対象地域を拡大する余地は 十分にあると考える。