超簡易水道



<経緯>

私達は、実習初期の段階(第1回サンプリング終了時辺り)である一つの提案を具体化させていた。その案を「水集配システム」と名付けた。

水集配システムとは新鮮な水が入った大きなボトル(約1ガロン)を配布し、その水を飲料水等、体に入る水として使用してもらうというシステムである。配布は2〜5家庭が集まる場所に注文された家庭分を置くというような型となっている。つまり、生協の「水」型である。これは、香港・マレーシア等で実際に行われているシステムである。しかし、現実的に考えると如何にして、天然水もしくは蒸留水を集めて配るか、その場合の巨大な設備、そして投資等、コスト的な事を考えると、この案は却下された。

第2回アンケート・サンプリング終了後、私達は水集配システムをヒントに超簡易水道を思い立った。もともと簡易水道はつくば市だけでも140もの組合が存在(つくば市環境課より)する。しかし、簡易水道は家庭ごとに配管するための初期投資が巨大であるがゆえ、コスト面を考えると非現実的であった。それならば配管をしないで、単純に住民の方々に水を取りに来てもらえば、という考えに至ったのだ。


<定義>

超簡易水道とは一つの集落において一つの深井戸を掘り、そこに各家庭が飲み水を取りに行くという提案である。

まず、ここで述べておかなければならない事は、簡易水道についてである。簡易水道とは深井戸を集落に一つ掘削し、集落全体の各家庭へ配水管を敷設し、水道につなぐというものである。各家庭への配水管の敷設には1m10万円程度という莫大な投資が必要となる。

一方、配水管を除いた場合初期投資は掘削代とポンプ代のみの100万円程度に抑える事が可能となる。そこで、私たちは、深井戸を掘り各家庭で深井戸から直接水を持ち運ぶシステムを構築した方がよいという結論に達し、簡易水道ではなく超簡易水道を提案する事とした。

この提案のコストだが、初期投資100万円を井戸水利用世帯数で割った費用と井戸水まで水を取りに行くコストを各家庭で負担する、ということとする。


<長所>
・浅井戸よりも水質の変動が少ないため安定した水質の飲料水を供給することができる。
・各家庭の負担が簡易水道より、大幅な低コストで実現可能。
・集落内の移動より、それほどの労力を必要としないことから、小さい子供から高齢者、さらには障害者にとって運搬が可能。

<短所>
・現在使っている井戸水に問題がない人は費用を出し渋ることが予想される。
・利用者の数により、初期投資に対する負担額が変動してしまう。


<考察>

多数の利用者がいれば、少ない負担額で深井戸からの安全な飲み水を得る事ができる、現実的な案である。しかし、中には飲み水対策をほどこしている家庭がいるので、規模が部落全体に及ぶこの案に対して、いかにして受け入れてもらえるか、が普及させる重点となる。