4.実態調査の実施・分析と既存調査の収集・分析
4-3既存調査の収集・分析@
次に、住民の緑地に対するニーズを満たす上で、現存する緑地を改善することで対応するのか、新たな緑地を受け皿として用意するのかを判断するために、計画段階において想定されたニーズを文献調査で把握する。文献調査の内容を以下に述べる。
『研究学園都市における緑化計画に関する調査研究(1971年)』(日本住宅公団研究学園都市開発局・茨城県南造園土木協同組合)によると研究学園都市における緑化計画の基本構想は以下の5点である。
・ 周辺の自然環境とマッチさせる
・ 視覚的・機能的に変化をつける
・ 連続性を持たせる
・ 有機的に統一あるパターン
・ 緑地施設の系統化
・ 緑地景観の保護・保全
この基本構想に基づき学園都市の緑化計画が進められた。では、計画段階ではどのような緑地に対するニーズがあることを想定して計画が作られたのかをさらに調査した。公園や緑道を設計する上で考えられていた住民のニーズとしては次のようなものがある。
@ 子供を遊ばせる
A スポーツを楽しむ
B 季節感を感じさせる
C 散策をする
D 休息をとる
公園には、いたるところに子供が遊ぶための遊具や休息の場がもうけられている。また、スポーツ公園にはテニスコートや野球場などが整備されている。公園の植栽についても季節感を感じられるような樹木の選択がされている。
このような住民のニーズが想定され、学園都市の緑化計画が決定された。
以上の文献調査により、現在の住民の緑に対するニーズの中で、計画段階で想定されていたニーズは「子供を遊ばせる」「散歩・森林浴」「花や紅葉」「スポーツができる」「サイクリングができる」「読書や休息」といったものであり、想定されていなかったニーズは「泥んこ遊びや木登りができる」「野菜など農作物を栽培する」「昆虫採集ができる」といったものであることが把握できた。前頁でも登場したグラフ1では、計画段階で想定されていなかったニーズの棒グラフを斜線で示している。
