2-7 提言
これまでに述べたように、現時点でのAAP制度は街区公園の維持管理費用を削減するといった実利的効果をもたらしてない。市民が公園の美化活動を行ったとしても、業者による草木の剪定や清掃を減らすことはできていないのである。しかしつくば市は、今後AAP団体の活動が活発になってくれば、業者への委託度合いを減らしていく方針である。
よってAAP制度がより一層市民に広まり、その活動状況が業者による維持管理を一部担うようなものとなればよい。だが、AAP活動団体の意向調査から、現在の活動状況をさらに活発にしていきたいという意見はあまり聞かれなかった。これは否定すべきことではなく、市民参加の実状を示すものである。つまり、ボランティアである以上、活動内容や頻度にはそれなりの限界が存在するということである。
一方、周辺住民の意識調査からは、公園の美化活動をする制度があるのなら(現在は参加していないが)参加してみたいという意見があった。自分が公園を利用する・しないに関わらず、このようなボランティア活動を行いたいという人はいるようである。
したがって我々は、AAP活動団体の活動状況をより充実させるという考え方ではなく、AAP制度の認知度をさらに高め、活動団体を増やすことを提言する。この方向性はつくば市における市民参加の育成段階にも合致するものと考える。また、認知度を高めるということは、単に参加団体を増やす目的だけではなく、市民による公園美化活動が行われているということを示すものでもある。そのことにより、公園利用者のマナー向上に繋がることを期待する。
AAP制度を広めるための方法を以下のように考えた。
・アダプト・サインの設置
アダプト・サインとは、その公園の里親になっている団体の名称などを示す看板類のことである。これはもともとアダプト・プログラムの持つ特徴の一つであり、活動を促す誘因として位置付けられている。全国のプログラム(公園だけでなく道路などを対象にしたものもある)においては設置を行っているところも多い。しかしつくば市では現在アダプト・サインの設置を行っていない。この設置を行うには費用が必要であるが、先ほど述べたような効用を考えると、必要な投資であると考える。

・活動団体となりうる団体への呼びかけ
AAP活動団体の意向調査からわかった、団体の特徴を踏まえ、つくば市の中にあるそのような特徴を持つ他の種類の団体を挙げてみる。
まず一つは、地域に対して認知度を上げたい、地域貢献をしたい団体である。ヒアリングを行った福祉法人によると、周辺企業などに訪問する際、自分たちに対する認知度が高ければ、よりスムーズに仕事ができるであろうということであった。また、福祉施設という性格上、地域に対しての貢献を示すことが必要であるともわかった。この様に考えるのは福祉法人に限らない。つくば市にある多くの企業や研究所においても、そういった考えをもつ団体は多いと考える。
次に、公園と隣り合った施設を使用する団体が挙げられる。ヒアリングを行った企業では、隣接する公園を自らの敷地の手入れと同時に維持管理していた。つくば市では、公園と学校・企業・研究所などが隣り合う例が多数存在する。この中で小中学校の例を考えてみると、近年取り入れられている総合学習の一環として、自然に触れ合いながら公園美化というボランティア活動を行えると考える。
以上のような団体に対して、つくば市がAAP制度への参加を呼びかけていくことにより、制度が広がっていくと考えられる。