2-1-2つくば市の公園の現状

筑波研究学園都市では、公園緑地が量と配置の両面において計画的に配置されてきた。洞峰公園や松見公園などの大規模公園は利用者が多く、魅力的な公園が多い。一方、街区公園などの小規模公園の中には、ゴミの散乱、草木の手入れ不足、落書き、施設の老朽化、利用者が少ないなどの問題を抱えているものが多数存在する。

これらの問題の多くは、公園の維持管理費と公園に対する市民の愛着の不足に由来する。しかし、維持管理費の不足は、行政だけで解決するには限界がある。また、市民の公園への愛着は公園にかかわることで生じると考えられるので、愛着の不足を解消するには、市民が公園緑地に積極的にかかわることが望まれる。よって、街区公園における問題解決の手段として、公園管理における市民参加が考えられる。

つくば市には2000年に、「アダプト・ア・パーク」制度(以降AAP制度)を導入し、公園管理における市民参加を制度化した。制度化することにより市民による維持管理の質の向上、利用者の増加、公園に対する市民の意識が高まるなどの効果が期待できるとされる。しかし、実際にそのような効果があるのかを検証した例は見られない。