7.提言

 現在、建設省の公園設置基準では、街区公園どうしの誘致圏は重なってない。しかし、近隣公園や地区公園といった規模の大きな公園とは誘致圏が重なっている。これは近隣公園や地区公園が、街区公園の性質も含んだ、さらに容量の大きな公園として設置されているためである。その性格上、近隣公園や地区公園は、子供だけでなく成人から老年層まで幅の広い利用者を想定して作られているのだが、このような規模の大きな公園が子供の遊び場に適しているのかというと、そうとも言えない。遊具の設置が不十分であったり、グランドの利用に予約が必要であるなど、子供が主体的に遊ぶには開かれた環境とは言えない点が多くある。保護者からみても面積が広いため目が行き届きにくいといった問題や、地面がアスファルトなどで舗装されていて危険である、など不都合な点が多いことも事実である。例えば今回調査を行った二ノ宮地区についてみてみると、近隣公園である二の宮公園では、テニスコートを中心に公園の大部分が石畳で構成されている。 

 また、隣接している地区公園である洞峰公園では、園内の遊歩道がすべてアスファルトで舗装されていて、さらに両脇がうっそうとしている。このような点から見ても近隣公園や地区公園が保護者にとって安心して遊ばせておける環境とは言い難いものがある。またこれらの公園には遊具も整備されていない。以上のことから、子供の遊び場としての機能は主に街区公園が果たしているといえる。

 しかし現在の建設省の設置基準では街区公園の誘致圏は互いに重なりあっていない。つまり子供にとっては公園の利用に際して公園の選択権が無いのである。 
私たちは今回の研究で、公園にそれぞれ他にはない機能や特徴があれば、誘致圏が250mを超えることを立証した。これは機能や特徴のある公園は隣り合う街区公園と、誘致圏が重なり合うようになるということである。そこで、私たちは現行の画一的な街区公園の配置の在り方を見直し、各々の街区公園が異なった機能に特化することで、公園どうしの誘致圏が重なり合うような街区公園の設置のあり方を提言する。 その結果、利用者はその時々で自分のニーズにあった公園を使い分けることが可能になる。つまり、利用者の選択肢が広がるのである。 
また公園の選択において多様性を持たせることは、子供だけでなく大人を含めた一般の利用者のニーズにも応えることを可能にする。人々の生活パターンや価値観が多様化した現在、画一化された公園ではそれらのニーズに対応しきれない。憩い、レクリエーション、文化活動、交流といった様々な活動の担い手となる公園が必要となってきているのである。そういった様々な機能を一つの公園に持たせるのではなく、地区公園、近隣公園、そして異なった性格を持ついくつかの街区公園により担っていくことで、幅広い利用者のニーズに応えていけると考えられる。

 また、機能や特徴をもたせることで利用者の少ない公園の活性化も図れることが出来ると考えられる。日常的な利用者の少ない公園の改善策として、施設を付帯させることを挙げられる。周辺人口が少ないため利用者が少ない公園に関しては、イベントを開催することで遠くから人を呼べばよい。このようにして公園が活性化されれば、ごみの不法投棄、犯罪の防止にもつながり、地域住民の生活環境の改善も出来ると考えられる。