3.事前調査

3−1.事前調査の内容

 事前調査としては、大きくわけて2つの調査を行った。まず最初に、つくば市全域における街区公園の状況を把握するために、50ほどの街区公園をメンバーで分担して、表1に示すようなことを調べた。なお、この事前調査を事前調査1とする。

      表1.事前調査1の調査内容

・利用者数

・利用形態(利用者が何をしているか)

・周辺土地利用および隣接施設

・遊具

・ベンチの数、状態、配置

・街頭の数および配置

 この事前調査1によって、使われていないような街区公園や雰囲気のよくない街区公園があることがわかった。そこで、街区公園のより詳しい状況を把握するために、6つの街区公園に絞って、より詳しい事前調査をした。これを事前調査2とする。
 事前調査2は、対象地区を学園地区に絞った。その理由として、学園地区は、建設省の公園設置基準に従って均等に街区公園がつくられており、人口密度も比較的に高いことがあげられる。主な調査目的は、利用者へのヒアリングをとおして、どのような街区公園がよく利用されているかを明らかにすることとした。各対象公園の周辺の土地利用は以下の表2に示す。また、調査内容は表2、調査日時および利用者数は表4に示す。

       表2.事前調査2の対象公園と周辺土地利用

大角豆1号児童公園・花室7号児童公園

住宅地

手代木児童公園・花室5号児童公園

住宅地・児童館などの公共施設

すずかけ公園・いちょうの丘公園

商業地・住宅地

  表3.事前調査2の質問内容

・家からの公園への移動時間と手段

・利用頻度(週何回)

・利用目的

・公園利用の際の隣接施設の利用状況

・対象公園に対する意見

・他に利用する公園

 

              表2.事前調査2の対象公園と周辺土地利用

大角豆1号児童公園・花室7号児童公園

住宅地

手代木児童公園・花室5号児童公園

住宅地・児童館などの公共施設

すずかけ公園・いちょうの丘公園

商業地・住宅地

 

    表3.事前調査2の質問内容

・家からの公園への移動時間と手段

・利用頻度(週何回)

・利用目的

・公園利用の際の隣接施設の利用状況

・対象公園に対する意見

・他に利用する公園

 

      表4.事前調査2の調査日時および利用者数

公園名

調査日時および利用者数(人)

10時 14時 16時 10時 14時 16時
大角豆1号児童公園 5/13(土) 15 5/17(水) 3 6
花室7号児童公園 5/14(日) 5
6
5 5/17(水) 21 10 10
手代木児童公園 5/14(日) 12

5/17(水) 3 5
花室5号児童公園 5/14(日) 10
12
4 5/17(水) 0 0 4
すずかけ公園 5/13(土) 0

5/17(水) 2 0 0
いちょうの丘公園 5/14(日) 2
5/17(水) 1 0 0

3−2.事前調査2における結果と考察

 事前調査1およびブレインストーミングによって得られた特徴と、事前調査2に基づく特徴のプラス・マイナス要因を表5に示す。

表5.公園の特徴を示すプラス・マイナス要因

  プラス要因 マイナス要因
立地 ・公園周辺の人口が多い  
・公共施設(児童館・小学校など)が隣接している
・人通りが多い

・自宅に近い
・集合場所である
・道路と面している
・路上駐車が多い
・利用者が少ない
デザイン ・ニーズにあった遊具がある
・芝生などの比較的広い広場がある
・遊具の種類が少ない
管理 維持 ・木々の剪定が行きとどいている
・ゴミの処理がなされている
・木が多い ・草が多い
・暗い
・ゴミが多い
・変質者が出る
運営 ・子供会で利用する
・サッカー教室が行われている

太文字−事前調査によって新たに得られた要因)

これらから、多くの人に利用されている公園の条件は、
1)公共施設が近接している
2)特徴的な遊具がある
3)維持管理が行きとどいている
4)イベントが催されている

の4つに集約された。