基本構想
目的
この基本構想は、21世紀初頭における土浦市の目標とすべき都市像と、これを実現するための施策の基本的方向を定め、活力と魅力あふれる土浦市の創造の指針とする。
目標年次
この基本構想は、西暦2010年(平成22年)を目標年次とする。
将来指標
将来人口 15万5千人
基本理念
土浦市は、業務核都市としてつくば・牛久との連携を深めつつ、商都としての歴史や霞ヶ浦の自然を活かし、新たな都市の活力の創造と将来に向けての飛躍を期していかねばならない。そして、活力と希望に満ち、安全で安心して快適に暮らせるまちづくりを進めるとともに、都市のアイデンティティの確立や市民が誇りと愛着を持つことのできる都市を創造する。
そこで、土浦市のキャッチフレーズを ‘カモン!イバリバディ’(Come on! iVarybody!!!)と設定した。これは、土浦市民だけでなく、土浦を訪れた人が皆土浦に自分の故郷の原風景を見い出し、郷土心を持つことを願ったものである。
基本目標
1.人が集う、魅力ある交流拠点都市
2.活力とにぎわいのある産業集積都市
3.豊かな個性と創造性を育てる市民文化都市
4.安全で魅力的な快適環境都市
5.ふれあいと温もりのある健康福祉都市
施策の大綱
1.人が集う、魅力ある交流拠点都市
広域都市圏の中核都市として地域間における連携や交流を促進し、一体的な発展の主導的な役割を果たしていくことを目指す。このため、広域的道路、幹線道路および新交通システムの整備を進め、多様な交流機会を創出する都市機能の充実を図る。また、国内はもとより世界の国々との産業、経済、文化などさまざまな分野にわたる交流を促進し、世界に広がる人、もの、情報の交流拠点都市づくりを推進する。
2.活力とにぎわいのある産業集積都市
都市活力の中心的役割を担う産業の発展を目指し、産業の高度複合化を促進する。また、市街地の再整備、商業活力の活性化に取り組み、中心市街地商業の発展による広域交流拠点都市にふさわしい活気とにぎわいを創出する。さらに、歴史や霞ヶ浦を活かした観光施設の整備を促進し、周辺市町村との連携による広域的な観光振興を図る。農・漁業は近代化を促進するため、経営・生産基盤の確立と生活環境・交流基盤の向上を図り、魅力ある安定した農・漁業の展開を目指す。
3.豊かな個性と創造性を育てる市民文化都市
学校教育、家庭教育、社会教育の体系的な学習体制を確立し、国際化・情報化社会に即応した教育の充実を図るとともに、生涯学習の場となる施設の整備充実や学習機会の拡充、市民スポーツの普及振興を積極的に推進する。また、土浦の歴史や地域文化の継承発展のため、文化財の調査、保存、および活用を促進するとともに、施設の整備充実を図る。さらに、本格的な高齢社会、男女共生社会への移行に向け、市民の誰もが気軽に社会参加できる環境づくりを進めるとともに、ライフステージに応じたふれあいと思いやりのある地域コミュニティの形成を図る。
4.安全で魅力的な快適環境都市
市民が豊かな生活を送れるよう、住宅、公園・緑地、上下水道などの生活基盤の整備を図り、快適な生活環境を創出する。また、市民の生命・財産を守り、市民が安全で安心して生活できる都市づくりを進めるため、消防・防災体制の整備充実をはじめ、防犯、交通安全対策の強化に努める。さらに、環境に優しい社会の実現に向け、市民・行政・産業界が一体となって、深刻化する地球的規模での環境問題への取り組みを進める。
5.ふれあいと温もりのある健康福祉都市
疾病の予防、早期発見、早期治療などの一貫した地域医療体制の強化とともに、保健・医療・福祉の各分野の機能分担と連携強化を図り、総合的なサービスのシステムづくりを進める。また、少子化の進展に対応し、保育サービスや子育てに関する支援、相談体制の充実、および、家庭・地域・企業それぞれが女性の社会参加をしやすい環境の創出を図る。さらに、障害者や高齢者が社会の一員として自立し、生きがいを持って生活できるよう友愛と連帯に支えられた豊かな地域社会の形成を目指す。
構想推進のための施策
土浦市が目指す都市像実現に向けて市民と行政が目的を持ってそれぞれの責任と役割を自覚しながら、一致協力してまちづくりに取り組んでいくため、市民参加の機会の拡充や広報・公聴活動の充実と情報公開を図るなど、開かれた市政を推進する。
また、行政のスリム化、財政の健全化はもとより、地方分権の方向性を見極め、行政の情報化と職員の能力の開発を進め、行財政の計画的な運営に努める。
さらに、県南地域の広域交流拠点都市として、自治体の枠を越えた行政需要や共通する課題に対応するため、周辺市町村をはじめ、自治体間の連携の強化とその拡大に努める。
土地利用構想
1.土地利用 現状と課題
土浦市の土地利用形態を簡単に表現すると、まず土浦駅周辺に商業・業務機能が広域的な中核として集積した都心部があり、その周囲に国道六号線とJR常磐線に沿う形で、住宅、工業、商業を含む市街地が広がり、さらにその周囲が農村地域となっている。
土浦市は東京から北東へ約40Hの地点に位置し、国道六号線、常磐自動車道、JR常磐線等の幹線交通に南北を貫かれ、開発可能な平坦地も少なくないことから、高い発展ポテンシャルを有すると言える。また霞ヶ浦や里山のような豊かな自然環境を有することも、大きな特徴である。
これら自然資源、現在の土地利用特性、及びストックなどを十分に考慮した上で、将来目標人口15万5千人を見据え、適切な規制・誘導を行い、土地の利便性を向上させさらなる有効利用を図ることが求められる。自然環境の保全と開発の調和と市域の均衡ある発展を目標とし、総合的かつ計画的な土地利用を推進していく。
2.土地利用の基本方針
(1)無秩序な市街化の抑制
土浦市の恵まれた田園環境と霞ヶ浦の水辺環境を保全し、潤いのある生活空間を維持していくために、各産業や事業は適切な土地利用方針の下に行われ、無秩序な市街化を抑制していく。例として、大池NTの開発、新駅・花室川周辺整備、霞ヶ浦沿いの湖岸整備などは、豊かな自然資源との共生を失わないよう努めながら事業を進める。
(2)都市機能の適切な配置
交通、公共施設などの都市機能の配置を、地域住民のニーズと土浦市の広域的視点の両者から考察し、整合性のある適切な整備配置を進めていく。
(3)市街地の適正な密度の構成
ゆとりある都市空間を備えた市街地の創出を目指して、各地域の街づくりの方向や都市基盤の整備状況を踏まえて用途地域の指定をするなど、適正な市街地の密度をはかるとともに、建築行為に対する適切な規制と誘導を行っていく。
特に中心市街地をとりまく住宅地の現状以上の密集化は抑制し、人口流入に対しては郊外地区に整備予定のNTなどを中心に対応していく。これにより市街地における都市機能が快適に果たせるよう、多面的に整備してゆく。
(4)都市機能と職、住のバランスのとれた土地利用ゾーンの形成
緑地環境との調和の下に、中心市街地に商業業務、周辺地区に研究開発、インターチェンジ附近に流通業務、神立地区に工業、周辺地区などに農用地と調和をとりながら住宅地の体系的な配置を図り、都市機能と職、住のバランスのとれた土地利用を目指してゆく。
交通計画構想
交通 現状と課題
JICA-STRADAによる分析結果から、現在の土浦市における道路状況の問題点は主に以下にあると考えた。
- 土浦駅前における混雑
土浦市の顔として最もにぎわいのある土浦駅周辺の道路状況は非常に悪い。その原因として考えられるのが、駅西口の主要機関、商業施設などの集中と、駅前中心市街地の外周に通過交通車が通れるような道路が整備されていないことが考えられる。
- 国道6号線沿いの混雑
市内を南北に走る、国道6号線は、土浦市における主要道路である。そのため、現状からは、国道6号線のほぼ全域が渋滞しているといった結果も出た。6号バイパスの未整備による影響が如実にあらわれている。
さらに、県南の中核都市として、より広域の交通計画も必要となる。よって、土浦市の交通施策としては、
1.土浦駅前の通過交通の排除
2.国道6号線の混雑解消
3.地域間交流、県内の一体化をすすめるための交通手段の提供
をかかげる。