第1 章 はじめに
近年の日本は,温暖化などの環境問題の悪化,少子高齢化,経済状態の停滞などのさまざまな問題を抱えており,さらにはこれらの問題は時々刻々と進行している.このような状況下にありながら,日本における,「都市」や「まちづくり」は習熟期に入っているといえる.1950年代から1960年代に見られた高度経済成長期に行われていた新しい建造物や施設を次々につくるということによる都市やまちの成長は落ち着きを見せ,以前に造られた建造物や施設の再整備や,それらに新しい価値・可能性を見つけ出すことによる「まちづくり」の必要性が生じている. 今回,対象地区となった土浦市においても,少子高齢化の進行,地元商店街の撤退等,さまざまな問題が顕在化してきている.このような諸問題には今後より深刻化していく可能性もあるため,現状の維持・向上,土浦市をより住みよく,魅力あるまちにしていく「まちづくり」が必要である.土浦市というのは,歴史的資源や自然資源,交通基盤が潜在的に充実している.これらをきちんと活用し,魅力や機能を十分に引き出すということが,土浦市の「まちづくり」に重要になる点である. 本マスタープランでは,これらの視点を基に,希望ある土浦市の将来を見据えた「まちづくり」の方向性を示すこととする.
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