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第 2 章 土浦市の現状
第 2 章では,土浦市の特徴・問題点について3つの項目(地勢,人口,産業)に分けて現状を探っていく.
2.1 地勢
土浦市は茨城県南部に位置し,県南行政の中枢を担う都市である.旧来は水戸街道の宿場町として栄え,土屋氏9万石の統治の下,霞ヶ浦を利用した帆船運搬や水戸街道での陸地輸送と,物流の一大拠点を築いた街でもある.また旧日本軍土浦駐屯地などがあり,戦前から戦後にかけては日本軍の拠点でもあった.現在はつくば市・牛久市とともに業務核都市に指定され,平成18年には新治村と合併し,茨城県南部自立都市圏の中心となる都市が形成されることを期待されている.
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2.2 人口
土浦市の人口は平成22年12月19日現在,144,124人である.2000年ごろまでは増加を続けていたが,それ以降は減少に転じている.図は2030年までの人口をコーホート要因法によって推定したものである.人口はさらに減少し,高齢化はさらに進んで30%に達すると予想される. |
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2.3 産業
産業は,8つの項目(農業,工業,商業,医療・福祉,交通,教育,観光,国際)に分けて探っていく.
2.3.1 農業
土浦市は,茨城県内でも農業が盛んな地域である.平成18年度茨城農林水産統計年報より,農業出荷額は96億8000万円と多く,その内訳としては米14.5%,野菜45.6%,花卉9.9%,果実7.7%,畜産類19.1%,その他3.2%となっており,さまざまな農作物の生産が行われている.またレンコンの生産量は全国で第1位である.しかし,ここ数年では,農家戸数の減少,後継者不足など,土浦の農業が衰退傾向にあることが問題点として挙げられる |

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2.3.2 工業
土浦市は市内に5つの工業団地(神立,土浦・千代田,おおつ野ヒルズ,テクノパーク土浦北,東筑波新治)があり,県南地域では生産量1位となっている.平成20年度の事業所数は187社,従事人数は12,312人,製造出荷額は89,33億円となっている.毎年工業生産は順調に増加しているものの,各工業団地では分譲地が残っていることや騒音問題という課題がある.
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2.3.3 商業
近年は駅前の商店数,従業員数,販売額とも減少傾向にあり,駅前の衰退化が避けられない状態である.土浦名店街は駅前という恵まれた立地であるのにかかわらず,シャッター街と化してしまっている.また大型ショッピングセンターが郊外に建設され,ますます中心市街地の空洞化が進むとともに,モータリゼーション化が進んでいる.
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(図5 土浦名店街 2010/12/17撮影) |
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2.3.4 医療・福祉
土浦協同病院や霞ヶ浦医療センターなどの大規模な病院が存在する.茨城県内において人口10万人当たり一般病院病床数が8位,可住地面積100ku当たり医療施設数3位など比較的医療施設が整っていることが分かる.しかし,中心地区や荒川沖地区に病院が集中し,神立地区や新治地区には病院が存在せず2極化した状態となっている.また老人福祉施設は満遍なく分布されており,比較的充実しているといえる.
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2.3.5 交通
市内3駅の利用者数は,年々減少傾向にあり,過去5年で1日あたり4000人減少している.また路線バスにおいても同様の傾向があり,関東鉄道は一時増加したものの,関鉄観光,JRバスともに減少している.しかし,キララちゃんバスは増加傾向にある.コミュニティバスなどの新たな顧客ニーズを視野に入れ,それが受け入れられているのではないかと考えられる.
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2.3.6 教育
市内には20の小学校と公私合わせて9校の中学校があり,さらに高校は公私あわせて8校と学校が多く立地している.また,図のように茨城県南部の市で比較すると高校生徒数は土浦市が圧倒的に多く,若者が土浦にいるということが分かる.
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2.3.7 観光
土浦全国花火競技大会には70万人,土浦さくらまつりには10万9千人,土浦キララ祭りには25万人の観光客が訪れる.これは下図を見ると,土浦のグラフで突出している時期と重なっていることが分かる.しかし,単発のイベントの観光客数がほとんどで通年を通じての観光客数は水戸やつくば市と比べてもあまり高くないことが分かる.
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2.3.8 国際
土浦市の外国人登録者数はつくば市,水戸市に次いで3位,また外国人児童数はつくば市に次いで2位,一般旅券申請件数もつくば市,水戸市,日立市に次いで4位と国際化がはかられていることが分かる.昨年,茨城空港が開港したが,昨年時点では土浦と茨城空港をつなぐ直行バスは存在しない. |
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(図2 土浦市の今後の人口展望) |
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(図4 土浦市の工業製造品出荷額と従業員数) |
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(図6 土浦市内の病院分布) |
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(図7 土浦市交通利用状況) |
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(図8 茨城県南高校生数) |
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(図9 平成21年度3市観光客入込数) |