第2章 土浦市の現状

第2章では,土浦市の魅力・問題点に関して,6つの項目(地勢,人口,産業,交通,住環境,歴史・文化)に分類して現状を探る.

2.1 地勢                    


土浦市は東京から北東約60kmに位置している.市内には常磐自動車道や国道6号・125号,旧水戸街道が通っており,長きにわたって交通の要所として機能している(図2-1).常磐自動車道を利用すると都心から約50分,JR常磐線特急を利用すると上野から約40分の位置にあり,東京都との関わりも密接である.
また,市内には日本第2位の広さをもつ霞ヶ浦や桜川があり,また日本百名山に選出されている筑波山も至近であり,多くの自然に恵まれている.

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(図2-1 土浦地勢図 出典:土浦市観光協会)

 

2.2 人口                    


土浦市の人口は144,501人である(2009年12月1日現在).2000年頃まで人口は増加傾向にあったが,その後はほぼ横ばいの推移となっている.また2009年時点では年少人口割合が13.5%,生産年齢人口割合が64.3%,老年人口割合が22.2%となっており,超高齢社会であるといえる(図2-3).さらにコーホート分析によると,20年後の2030年において総人口は125,000人程度となり,大幅な人口減少が予測される(図2-2).年少人口は10%を下回り,老年人口割合も30%を超え,更なる少子高齢化が進む(図2-4).

 

(図2-2 1980年―2030年 土浦市人口推移)

(図2-3 2009年 土浦市年代別人口)     (図2-4 2030年 土浦市年代別人口)

2.3 産業                    


商業
 土浦市の商業に関して,年間販売額は横ばい傾向にあり,事業者数は減少傾向にある(図2-5).近年には西友・丸井など駅前大型商業施設が閉店し,中心市街地のシャッター街化(図2-6,2-7)が進み,郊外にはイオンが開店した.今後それらの要因が販売額へ更なる影響を与え,事業者数の減少に拍車がかかることが予想されることから,より一層の中心市街地衰退が考えられる.

 

(図2-5 年間販売額と事業者数の推移)

(図2-6 中央商店街 2009/12/21撮影)     (図2-7 モール505商店街 2010/02/05撮影)   

 

工業
(図2-8)は土浦市における産業部門別従事者割合の推移を表したものである.工業分野に代表される第二次産業の割合は急速に落ち込んでおり,第三次産業に取って代わられていることが読み取れる.しかし,近年3年間はこの傾向が弱まっており,平成19年度には従業員数に関しては増加に転じている(表2-1).市内には古くから工業の町として発展してきた神立地区をはじめ,土浦・千代田工業団地,おおつ野ヒルズ,テクノパーク土浦北,東筑波新治工業団地,おおつ野ヒルズという工業団地が立地しており,市による積極的な誘致が進められている.製造品出荷額も増加傾向にあり,土浦における工業産業はこれからも重要な位置を占め続けると考えられる.


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(図2-8 土浦市産業部門別従事者割合の推移)


 

事業所数

従業員数

製造品出荷額等

4~29人

30~299人

300人以上

(人)

(万円)

平成17年

140

33

10

12,575

61,191,939

平成18年

125

34

9

12,231

72,396,311

平成19年

134

39

9

13,152

83,089,505

(表2-1 平成17~19年 市内事業所数等)

 

農業
土浦市の農業に関して,市内で生産されている農作物は,日本第1位の出荷量を誇るレンコンをはじめとして花卉や果物なども生産しており,多様である.市の北西部に位置する新治地区で特に農業が盛んに行われており,同地区内を通る国道125号線沿いには広大な田園風景を見ることができる.また観光施設「小町の里」では,地域で栽培されたそば粉を使用した‘そば打ち’体験ができるなど,気軽に地域や農業と触れ合うことができる.
また,市内の耕地面積・農家人口は,共に減少傾向にある(図2-9).農業就業人口の割合(図2-10)を見ると,全体の40%以上を65歳以上が占め,30歳以下の人口が少ないことから,農業従事者の高齢化が進んでいることが分かる.

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(図2-9 農家人口と経営耕地面積の推移)

近年では農地耕作放棄地の増加が全国的に問題となっているが,土浦市でも同様の問題が見られる.土浦市農林水産課が実態調査を行った結果,耕作放棄地の割合は421.6haに達することが判明した(2009年度6月公表).これに関して土浦市では,市耕作放棄地対策協議会(仮称)を設立し解消に向けて取り組んでいるものの,農業後継者が少ない状況にあることなどから,今後も耕作放棄地率は高くなり,農業出荷額減少が続く可能性もあると考えられる.

 

(図2-10 世代別農業就業人口・基幹的農業従事者の割合)


2.4 交通                    


市内にはJR常磐線が走っており,荒川沖,土浦,神立の3駅が市内に位置している.また,線路と並行するように東京から水戸・福島方面へと向かう常磐自動車道と国道6号線が市内を縦断しており,県南の中核都市として恵まれた交通環境を有している.市内にはほかにも市の東西を結ぶ国道354号線や新治・筑波方面と土浦を結ぶ新旧国道125号線が走っている.このような状態は他都市とのアクセス性能面において優れている一方で,通過交通の集中が一部で交通混雑招いている.(図2-11)は現在の市内の交通環境を記録したOD表を元に,JICA-STRADAとArcGISを用いて図示したものであるが,中心市街地や通過交通で多くの自動車が通行する箇所での混雑箇所が見受けられる.また,市内には神立地区を中心にいくつかの工場団地が立地しており,大型車が整備されていない狭隘道路を走行するさまも随所で見受けられる.

 

(図2-11 土浦市周辺交通混雑度の現状)


2.5 住環境                   


市内の住環境に関して,近年では土浦駅・荒川沖駅周辺部に集中しているマンションの空き部屋が増加していることが一つの原因となり,市の中心部の空洞化が進行している.
また新治地区では平成17年度高齢人口割合が26%となっており,土浦市全体の21%と比較しても高い(図2-12).このように新治地域では高齢化が進行しているが,地域内の医療施設や高齢者福祉施設は少なく,日常的な医療施設利用等は不便である.また地域内を通るバス路線は1本のみであり,公共交通を利用した市街地へのアクセスは困難であり,交通の面においても不便であるといえる.
また市の防犯に関して,土浦市では町内会単位で自主防犯組織が結成され,平成22年1月現在,166町内で約6000名の方々による防犯ボランティア活動が活発に行われており,犯罪発生の抑止に大きく貢献している.また,茨城県内において,最多の結成数であり(図2-13),防犯意識が高い市である.また,ボランティア活動の他にも,
①「土浦市安心・安全情報メール」茨城県警HPより作成
②「ひばりくん防犯メール」
のように,土浦市や茨城県警が各種防犯情報等を希望者のパソコン・携帯電話にメールで配信するサービスも行われている.
さらに,2009年12月には,県内初の自治体による民間交番「土浦市防犯ステーションまちばん」が荒川沖に作られた.まちばんでは午後1時~午後10時に,警察官経験者6人が交代で勤務しており,防犯パトロールの情報交換の場となるほか,青色灯の防犯パトロール車で児童の登下校などを見守る活動がなされている.また,まちばんは今後,神立地域などにも設置予定である.                   

                   

(図2-12 新治地区,土浦市年齢人口割合の比較)     (図2-13 防犯ボランティア結成状況)

 

2.6  歴史・文化                 


土浦市に存在する歴史的資産・町並みの例として(表2-2)が挙げられる.またそれらの所在地は(図2-14)のようになっている.このことから,市内には様々な時代の歴史的資産が点在していることが分かる.それらは,土浦まちかど蔵では近隣の道路や街頭を含めた整備が行われている(図2-15)など,個々の整備は現在もなされているものの,市内全体での整備・活用はあまりされておらず,関連性が少ない.

  


時代

名称

1所在地

縄文

上高津貝塚

上高津

奈良

武者塚古墳

上坂田(西部)

平安

小町の里

小野(旧新治村)

江戸

亀城公園

中央

江戸

土浦一高旧校舎

真鍋

明治

土浦まちかど蔵

中央

昭和

アーケード商店街

中央・大和町

現代

土浦駅北再開発ビル
(※H24完成予定)

大和町

 

 

(図2-14 主な歴史的資産・町並みの所在地)

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