5:市民によるまちづくり推進 〜TAP(Tsuchiura Action
Plan)プラン〜
■ 本プランの位置づけ
これまで挙げた2つのプロジェクトは、土浦の魅力を上げ、観光を推進していくための基盤づくりのプロジェクトである。ここで紹介するTAPプランは、それらを利用して、住民主体のまちづくりを進めるためのプロジェクトであり、このプロジェクトによって住民に観光の利益が還元されるためのプロジェクトでもある。
つまり、以下の図で示すところの住民と魅力の間に双方に向いている矢印における計画である。

■ TAPプラン概要
本プランは大きく2つにプランが分かれており、(1)基幹システムは、土浦の魅力を上げるためのアイディアや活動計画をすでに持っている市民がそれらを実現できるように土浦市がサポートをするシステムであり、(2)還元システムは、市民主体で行った活動による利益を、行政を通じて市民に還元するシステムである。
■ 現在の土浦市の参加型活動の現状とそれらを踏まえた検討過程
以下のアンケート結果は、参加型の市民活動である生涯学習について、土浦市第二次生涯学習推進計画にて住民に行ったアンケート結果である。「生涯学習を行ううえで必要なものは?」という質問に対して、一番多かった回答が、参加できるきっかけづくりであるという結果が得られた。このアンケート結果を受けて土浦市は、市の重点施策として、1.公民館活動の充実(新治公民館等)2.新図書館の整備(土浦駅北再開発地域)3.生涯学習情報提供システムの構築4.人材バンク制度の充実(指導者の育成など)という4つの施策を挙げた。これらのことから、土浦市では市民は参加に対するきっかけづくりを求めていて、それに対し土浦市では、情報提供システムを確立しようとしている。
この現状を踏まえながら、4班ではどのような住民参加システムが望ましいのかを検討した。情報の提供だけでは市民が受身になってしまうのではないだろうかということを考慮すると、積極的に市民から提案する場や機会を設けることが重要であり、市民が主体的に活動を起こす仕組み作りを考えることが望ましいであろうと考えた。それらの検討結果から、前述のTAP(Tsuchiura Action Project)プランを提案することにした。

図 :アンケート「生涯学習に必要なものは?」 第二次土浦市生涯学習推進計画
■ 基幹システム
・基幹システムの流れを以下に示す。

@ 土浦市への企画の提案
土浦の魅力を高めるアイディアを持っている発案者が、土浦市にアイディアを実現するための企画を提案する。
A協力してくれる市民の募集・企画への助言
土浦市で企画について審査をし、TAPプランとして実際に採択されると、土浦市は告知をし、協力してくれる他の市民を探す。告知を見て興味をもった市民は、土浦市に応募をし、市民が活動に見合う人数程度集まれば市民グループが形成されて実際に活動が始まる。その際にも土浦市が適宜助言を行う。
B 活動内容の告知
実際に市民グループが行っている活動を土浦市が広く公開し、積極的により多くの参加者を求め、幅広い人に「きっかけ」を与える。また、これらの告知によって他の活動やアイディアが発案されることも考えられ、よりたくさんの活動と活動者を増やしていく計画である。
・
基幹システムによる効果
基幹システムを整備することによって、以下のような効果が考えられる。
@市民間コミュニティの再生と形成、
A活動による人材の育成
B地域資源の有効活用(施設や人的資本)
C楽しみの創出(イベント等)
D生活における安全の確保(防犯)
E市民のオーナーシップの創出
コミュニティの形成と再生により、市民間の交流が盛んになることで様々な効果が考えられるが、今回4班が特に効果として考えているのが、Eの市民のオーナーシップの創出である。市民が自分の住んでいる街の魅力に気付き、自ら活動することによって、まちづくりに対する当時者意識を持ってもらうことで、市民活動がより活発になることを目指す。
■ 還元システム
土浦市の魅力向上に向けた活動によって、得られる各種利益を土浦市民に還元し、活動をより継続的なものにする。以下でその流れを示す。
@活動効果測定
それぞれの活動における効果を定量的に把握・測定する
方法:住民活動の各分野における様々な評価方法を土浦市が作成する。それらの評価方法は必要に応じて更新し、新たな分野の住民活動が起これば、その都度評価方法を作成する。
A活動効果の評価
測定された各活動における効果を社会的・経済的価値と比較して評価する
方法:効果測定と同様に、評価方法を土浦市が作成する。また、定期的に各活動を評価する場を持つ
B活動効果の還元
評価に応じた経済的な利益還元を公共料金値下げや減税にて実行する
方法:前段階で評価された活動ごとに、減税・公共料金の値下げなどの可能性があるものに関しては、議会にて減税等の意思決定を行う。
・ここまで示してきた、方法を「市民による霞ヶ浦浄化活動」という活動における利益還元の例を通じて示す。
「霞ヶ浦浄化活動における、下水道料金還元プラン」
@ 効果の測定
住民による霞ヶ浦浄化活動の効果を定量的に把握・測定する。例えば、COD・TN・TPといった、水質を示す各種指標の低下にどれほど影響を及ぼしたかなで、効果を測定することが考えられる。
A 効果の評価
測定された効果が、経済的価値に置き換えるとどれほどのもかを評価する。例えば、同規模のCOD・TN・TPといった指標を低下させる下水道処理費用で評価するなどが考えられる。
B 効果の還元
評価された経済的な価値を還元する。この例では、下水道料金値下げを実施する。
・ 還元システムにおける効果
還元システムを通じて、活動効果を可視化することにより活動意欲を更に促し、活動を継続的なものにすることを目指す。本システムによって、還元される経済的な還元は少量であるかもしれないが、自らの力で実際にまちづくりを行っているという実感や当事者意識を高めることはできるだろう。また、それらの実感や意識がまたさらに別のまちづくりに関する意識をもって市民一人一人が行動するようになることを目指す。