2:土浦の現状分析

 

2−1:交通

土浦の交通であるが、道路に関して言えば、南北に常磐自動車道、国道6号線が通っており、東西には国道125号線、354号線、県道24号線(土浦学園線)が通っている。しかし、国道6号線は東大通との交差点付近で渋滞が常態化している等の混雑箇所があり、その他の道路でも通勤・帰宅時に混雑する箇所がみられる。

なお、土浦市東口から市街地を通り田中の学園大橋手前までを結ぶ高架道(新交通システムを想定して作られたため片側一車線のみ)「土浦ニューウェイ」が市中心部を通っているが、道路土浦駅⇔つくば駅はこれと花室トンネルでスムーズに接続できるにもかかわらず、ここを利用するつくば駅行きの路線バスはほとんどない。

鉄道は、南北に常磐線が通っており、土浦市内には荒川沖駅、土浦駅、神立駅の3駅がある。特に土浦駅から上野駅までの普通列車所要時間は69分で、特急快速だと56分となる。運行本数は特急もあわせて195本。これは、つくばエクスプレスが秋葉原駅〜つくば駅間の快速列車所要時間45分、つくば駅発の運行本数99本となっているのと比べると劣るものである。ちなみに、鉄道利用者は年々減少しており、平成15年の年間利用者が1334万人であったのが平成19年には1187万人と、12%減少した。

続いてバスだが、現在土浦市内にはJRバス、関東鉄道バス、関東鉄道観光バス、キララちゃんバスが運行している。平成19年度の利用者は4,774,751人で、平成15年度と比較すると微減している。

 

      

 

   

 

   

 

 








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−2:安全性

土浦市の交通事故、火災、犯罪といった街の安全性にかかわることについて書いていく。土浦の交通事故発生件数は1551件、火災発生件数は23件、犯罪件数は3241件となっており、人口当たりの交通事故発生件数と犯罪発生件数が周辺自治体と比較して高いことがわかった。ちなみに、人口当たりの犯罪発生件数は県下ワースト2であり、犯罪発生件数は増加傾向にある。



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2−3:教育

土浦市の小中学生の人数は小学生が8000人程度。中学生が4500人程である。年度別の生徒数の推移は表2-3-1のとおりである。新治村と合併した平成18年度に小中学校共に増加したが、それ以外は目立った傾向などはなく、ほぼ横ばい状態となっている。

次に高等学校についてだが、現在、市内には高等学校は8校あり、生徒数は全体で8102人となっている。高校の地域的な分布は図2-3-1からわかるように、市街地に多く高校が立地する。

ちなみに、土浦市の教育において特徴的なことは、土浦市には高校生が非常に多いということである。表2-3-2は土浦市と周辺市町村の高校生の人数を比較したグラフである。また、図2-3-2は人口あたりの高校生の割合を市町村別に示した図である。どちらの図からも土浦市が一番多いということがわかるだろう。ちなみに、周辺都市の中で一番人口の多いつくば市よりも高校生の人数が2倍近くとなっている

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2−4:医療

 

 

 

土浦市では、医院・病院の医療施設が199施設存在する。(20081220日現在)医学領域別では延べ482となっている。また、領域別に見ると、表2-4-1からわかるように、内科64、小児科33、外科28となっている。また、土浦市に隣接している市と比較すると、表2-4-2となる。(医療施設の数)/(人口)により、一人あたりの医療施設の充実度を考えると、土浦市と隣接都市においては、土浦市の医療施設は充実していることがわかる。

 






テキスト ボックス: 表

 2-4-1  土浦市内の医療施設数










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 表 2-4-2  土浦市と隣接市町村の医療施設数

しかし一方で、土浦市の医療施設が充実していたとしても、高齢者にとって利用しやすい場所に医療施設がなければ効果的ではない。そこで、次に、医療施設の場所について見る。

土浦市と隣接市町村の医療施設の場所を図2-4-1に示す。これを見ると、中心地などのいくつかのポイントに集中していることがわかる。

また2-4-2から、高齢者の割合の高い地域に医療施設が不足していることもわかる。そのため、医療施設の割合が多い半面で、医療施設が最適に配置されておらず、高齢者にとって利用しやすいとはいえない状況となっている。

 

 

 

 

 

 

 


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 図 2-4-2  地域別高齢者割合と医療施設テキスト
2−5:産業

産業全体で産業別労働者の率を見ると土浦の第一次産業に就いている人の割合は3.9%、二次産業は26.8%、三次産業は67.7%であることがわかった。全国平均と比べると第一、二次産業の率が低く、三次産業が高くなっている。

 

■農業













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土浦の農業は全国一位の出荷量を誇るレンコンをはじめとして花卉や果物なども生産しており、多様である。平成18年度の農業出荷額は96.8億円で、表2-5-1からもわかるように、土浦のみならず周辺市町村も低下傾向である。また、土浦の耕作放棄地の割合は全国平均の9.7%、茨城県平均の14%よりも高い18%である。農業後継者がいない農家が5割にのぼることから、これからも耕作放棄地率が高くなり、農業出荷額減少が続くと考えられる。

 

■工業

土浦の工業は表2-5-2のとおり順調に出荷額が伸びており、周辺市町村の中では突出していて、8309億円である。工業従事者一人当たりの製造品出荷額は6318万円と、これもまた周辺自治体や比べて高くなっている。茨城県平均の4380万円と比べても高く、土浦の工業の生産性は高いといえる。


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■商業

土浦の商業についてだが、現在の飲食業を除いた商業年間販売額は5657億円であり、平成9年のピーク時には7274億円から大幅に減少しており、表2-5-3を見るとわかるように最近のつくばの発展と入れ替わるように土浦の商業は衰退していることがわかる。しかし中心市街地は衰退していると言うものの土浦の年間販売額はつくば以外の周辺市町村と比べれば相当に大きく、存在感はまだある。

データは平成19年までのものであることから、イーアスつくばの影響は含まれていない。また、2009年春にはジャスコ土浦店のオープンもあることから、今後もさらに商業を取り巻く環境は変化するだろう。


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2−6:観光

現在、土浦市は観光の振興として、「水上スポーツや水辺を生かしたスポーツ・レジャーの場として、観光資源の整備充実」、「周遊観光ルートの構築」、「知名度の工場や好ましいイメージづくり」、「飛行船基地の誘致」などを示している。

それらの実現のために観光資源として売り出しているものは、代表的なものを挙げると「霞ヶ浦」、「小町の里」、「亀城と蔵」、「花火大会」、「レンコン」、「ツェッペリンカレー」、「佃煮」等がある。

これらの中でも特に、全国第2位の面積である霞ヶ浦、全国一の生産量であるレンコン、全国でも屈指の規模を誇る花火大会として毎年70万人の人を呼び込む土浦全国花火競技大会等は、土浦を全国の観光客に売り込む際に大きな武器になると考えられる。

しかし、現状では表2-6-12-6-2からわかるように、観光客数は平成15年に1673600人であったのが平成19年には1,502,090人になり、減少傾向であることに加え、来ている観光客もほとんど(5分の4)が土浦全国花火競技大会をはじめとしたイベント時である。つまり、イベント開催時以外の観光客の入り込みは少なく、最初に挙げた観光資源の多くは土浦の観光資源になっているとは言い難い。

 

 

                    


 











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