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■土浦市の商業の現況

 現在の土浦の状況は、価格競争や商業規模などの面から見ても、つくばに負けているというのは否めない。古くからの商店街は、大型SCとの価格競争に敗れ、現在は活気が失われている。そのため、土浦の商業を考える上では、大型SCの存在を考慮しなければならない。



 

図のように、土浦市は小売店の売上高に関して、ここ数年でつくば市に大きく逆転されている。土浦市においても現在イオンモールが建設中であるが、このような形での商業の発展では、中心市街地の衰退をむしろ助長してしまう。人々の賑わいを中心市街地に取り戻すためには、中心市街地における、市民の消費活動が活発になることが必要不可欠である。そこで、現在土浦市の商店街にて流通している、地域通貨キララを利用することを考える。

※地域通貨キララ

キララバスに乗車し、協賛店にて1000円以上の買い物をすると、100円分の地域通貨キララを得ることができる。この地域通貨はバスの乗車券一回分として利用することが可能である。この地域通貨は、キララバスを運行しているNPO法人まちづくり活性化土浦が発行元であり、地元商店街と連動したサービスによる、中心市街地の活性化の一助となることを目的としている。

 このような地域通貨は、全国各市町村に600以上もの事例があり、それぞれ違った特色を持っている。


     地域通貨の拡充に関する提案

地域通貨を通した中心市街地の活性化、住民同士のコミュニティ創出は、その地域独自の特色を反映させるという意味では、非常に有用な政策である。現状においては土浦市の地域通貨は、取得方法、使用方法ともに非常に限定的であり、市民が地域通貨に触れる機会がほとんどない。そこで、地域通貨を市全体に普及させるための提案を行う。提案の内容については、なるべく多くの住民に地域通貨の存在を知ってもらい、取得、利用してもらうことを目的とする。

提案1:キララ優待制度

NPO法人のキララバス運行資金として、助成金を広く市全体から募集する。助成金を払ってくれた人にはキララ優待券を渡す。「キララ優待券」はバスの期間パスポートとして利用することができ、その有効期間は助成金の額に応じて決めるものとする。これにより、「キララ優待券」所有者は、加盟店で優待券を見せるだけで、1000円につき「100キララ」をもらうことができる。(下図はその一例)

普段土浦駅周辺を利用することのない人でも、市報などに広告を出すことにより、より広くキララバスと地域通貨の存在について知ってもらうことができる。そして、これまでよりも多くの市民が地域通貨を取得する機会を得たところで、利用用途の拡大を行う。

 

提案2:利用用途の拡大

 現状では地域通貨キララはバスの一回乗車券としての利用法しかないが、これを協賛店でも利用できるようにする。これによって、中心市街地、商店街を回るキララバスの利用者増、そして商店街における市民の消費活動の活発化などが期待できる。

 

提案3:バス利用環境の向上

JICA-STRADACUETによる将来の交通量予測



図は現在事業中の土浦牛久バイパス等が完成したと仮定し、周辺地域の商業施設の立地を考慮したうえで、20年後の交通量を予測したものである。現状と比べてみると、中心市街地の主要な道路のほとんどは、1.0以下の交通量となることが分かる。

 

将来の交通量予測によれば、これから年月が経てば、中心市街地の交通量は減少する。これによって、急ブレーキなどのないスムーズな運転、定時制などが実現されることが考えられ、キララバスに限らず、土浦市のバス利用環境は向上すると言えるのではないか。そして、将来多くの人に良好な環境でバスを利用してもらうためにも、今の時点からバスの利用を促進する政策を考えていかなければならない。

 

 地域通貨の取得機会の増加、利用用途の拡充については、より広く様々なことが提案できる可能性がある。全国には、既存の利用方法からさらに公共料金の支払いまで可能になった事例も存在する。しかし、どこでも誰でも手に入れることができたり、用途が増えすぎたりしてしまうと、それはもはや地域通貨ではなくただの通貨となってしまう。また、そのような状況になったとき、地域通貨を発行、管理している団体や利用先に膨大な負担がかかることになる。場合によっては、便利になりすぎて地域通貨のシステムが破綻してしまう恐れもある。あくまでも一部で入手可能、一部で利用可能であることによって、その地域通貨の特色というものが生まれるし、住民と商店街との距離というものもより密なものとなるのではないだろうか。