4.インナーシティの魅力を高める

 現在の中心市街地にあたるインナーシティは、商業の衰退による空洞化が深刻になっている。そこで、都心部ならではの利便性を武器に新たな居住者を呼び込み、にぎわいを取り戻す上での呼び水とする。同時に、商店街の活性化にむけて様々な施策を展開することで、居住と商業の相乗効果による市街地活性化を実現する。

4-1.商業の活性化

効果的なテナント構成による魅力創出
 中心市街地の商業を活性化するためには、効果的なテナント構成を行い、郊外の大規模SCなどとの差別化を図る必要がある。このような観点から、エリアごとにテーマ性を持たせ、同系統の店舗を集積させることを方針とする。
 今回は、中心市街地の駅から亀城公園に向かう通り沿いについて、重点的に検討することとした。ここで設定するエリアとそのテーマは以下の通りである。

A:「食品・日用品エリア」
まちなか居住者の日常生活での買い物行動をターゲットに、彼らの利便を向上する。マンションのさらなる立地が期待できる駅に近いエリアに配置し、商店街の入り口・顔として機能させることを狙う。
B:「名産品エリア」
市外からの来訪者をターゲットとし、土浦の良さを伝える。歴史的な町並みが残り、かつ空き店舗が多く商店街の再構成が必要・可能なエリアに配置した。
C:「古着屋エリア」
D:「インポートショップエリア」
土浦は学生が多い若者の街でもある。こういった若者に強くアピールでき、かつ大型店には少ないテナントを集積させることで、街のイメージの一新につなげる。モール505周辺地区に配置し、かつて栄えた土浦を代表する商業空間の復活を図る。


ランドオーナー会議の設置
 上記の効果的なテナント構成を実現する上で課題となるのは、商店街全体を見据えたタウンマネジメントが実行できていない点である。また、土浦商工会議所へのヒアリングの結果、店舗の所有者との交渉がうまくゆかず、テナントの入れ替わりが進まないという問題を発見できた。
そこで、店舗の入れ替わりを円滑に行い、商店街全体のテーマに基づくテナント構成を実現するために、ランドオーナー会議を設置する。この会議は、店舗の所有者・テナント側・仲介する不動産業者・商工会など、商店街に関わる様々な関係者が連携し、商店街の方向性や運営について調整することを可能にする。

4-2.通り沿いの景観改善

 現在土浦の中心市街地は古い町並みが連続していなく、人々から歴史的景観として認識されていない。また町並みに統一感が無い。そこで、歴史を感じさせる魅力のある町並みにするために、中心市街地の景観改善を行う。
 具体的には、ストリートファニチャーや広告のデザインの統一や建物の色の変更、周りの植栽などを実施し、効果的に町並みに一体感を持たせる。また、老朽化の進むアーケードを歴史的な町並みに合わせて改修する事業も行う。
次の景観シミュレーションは、歴史的景観を演出するためにBのエリアでアーケードの改修を行った場合である。

4-3.コレクティブ住宅による居住推進

 インナーシティにおける施策の重要な要素のひとつに、居住者を増加させることがある。一方で都心部における新規住宅供給の主力は、もっぱら高層マンションである。都心部に居住したい人間を増やすためには、多様な住居の選択肢を用意することが必要であると考える。
 そこでコレクティブ住宅の概念を取り入れた集合住宅の整備を推進する。コレクティブ住宅とは、それぞれの住戸は独立しているが、別に共同の食堂、台所、ラウンジなどを備えた集合住宅のことである。これを取り入れるメリットとして、炊事・洗濯の当番性が可能となり共働き世帯にとっては家事の負担が半減する。また核家族化よる少子化、晩婚化による女性の一人暮らしの社会との接触の場が増えることになり正の効果である。元来30年前から高齢化社会を迎えた北欧でポピュラーになったコレクティブ住宅は、これから確実に高齢化を迎える土浦にとってもいうまでもなく必要なものになると思われる。