2.土浦版コンパクトシティ

 上記のような、今後の土浦市が直面する問題点を効果的に解決する方策として、コンパクトシティを目標に市街地の再構成を図るべきである。この理念は現在の土浦市マスタープランでも提示されているが、ここでは実現へのロードマップを示すべく、具体的な誘導政策を提案する。

2-1.基本的な考え方

 コンパクトシティを実現するためには、開発を制限しこれ以上の市街地の拡大を抑制すると同時に、人口密度を高めるために中心部に近い市街地の魅力を向上させ、人口を誘導することが必要である。このような考え方に基づいて、市街地のコンパクト化を進める。

2-2.都市のゾーン分け

 コンパクト化を進めるには地域ごとに異なった施策をとり、それぞれの特性を生かした街づくり・地域づくりが望ましい。そこで、土浦の市街地を次のように分ける。

INNER インナーシティ
現在の中心市街地を含む。まちなか居住を推進し、住宅と商業を混在させた、高度な土地利用を目指す。利便性の良い高密度な市街地で、コンパクトシティの中核となる地区。
MID ミッドシティ
中心市街地周辺の住宅地および荒川沖・神立地区。住宅地の質的向上に主眼を置き、良好な住環境を実現し人口誘導を図るとともに、人口減少による住宅の減少に対応した市街地の整理・縮小を進める。
OUTER アウターシティ
都市計画区域外や市街化調整区域。都市的な開発を行わず、農村・自然環境の保全や活用した地域づくりを行う。福祉面では十分に配慮し、市街地との極端な格差を避ける。
INNER MID OUTER
対象範囲 現在の中心市街地 中心市街地周辺および神立・荒川沖 市街化調整区域
都市計画区域外など
人口(2000年14.4万) 19000人 95000人 30000人
平均人口密度 4500人/㎢ 3500人/㎢ 400人/㎢
将来の目標 まちなか居住を推進し、住宅と商業を混在させた高度な土地利用を目指す。利便性の良い高度な市街地 住宅地の質的向上に主眼を置き、良好な住環境を実現し人口誘導を図るとともに、市街地の整理を進める 都市的な開発を行わず、農村・自然環境の保全や活用した地域づくりを行う
住環境の整備 生活環境が悪化しないように配慮することで、利便性と住環境の両立を図る 公園の整備や治安の改善などを通して、住宅地としての魅力を高める 住民の利便性に配慮しつつも、原則として新たな整備を行わない
商業 タウンマネジメントの仕組みを活用して商店街のにぎわいを取り戻す 一定以上の大規模点の出店を抑制し、バランスのよい商業施設の立地を誘導する
公共施設 大型施設を集積させ、その集客力を中心部の再活性化に活用する 日常的に利用される福祉・子育て支援施設などをバランス良く配置し、利便性を高める 特に高齢者に重点を置き、福祉水準の市街地との大きな格差が生じないように配慮する
交通 居住者の利便性を高めるために、土浦駅へのアクセスの改善を図る 公共交通の利用を促進するとともに、歩行者や自転車が動きやすい交通網を整備

2-3.コンパクト化のメリット

市街地の空洞化・低密度化を防止
 人口密度の低下による市街地の空洞化に、効果的に対応することができる。低密度化による質の低下を防げる。

行政コストの抑制
 都市基盤を維持すべきエリアが狭くなることで、インフラの整備・維持にかかるコストを抑制できる。

エネルギー消費の抑制
 市街地が小規模にまとまることにより、市民の移動距離が短縮し、ガソリン等の燃料消費の抑制や徒歩・自転車の利用が増えることで、交通分野におけるエネルギー消費が抑えられる。このことは環境負荷の面から望ましいだけでなく、家計への負荷をも軽減させうるものである。

中心市街地の活性化を促進
 コンパクトシティ化により都市機能の古くからの市街地への回帰が進むことで、中心市街地の再活性化が期待できる。またこれにより、他の都市とは違った独自性のある町並みが形成されることも期待できる。