パワーバンク
《現状》
表 3-1 NPO団体数比較
|
団体数 |
参加人数 |
人口 |
参加人数 / 人口 |
水戸 |
24 |
2259 |
249,257 |
0.906% |
つくば |
62 |
4393 |
198,176 |
2.217% |
土浦 |
157 |
8024 |
135,380 |
5.927% |
図 3-1 、 3-2 は、 水戸市 、 つくば市 、 土浦市 における防犯のボランティア団体数、参加人数を示している。 土浦市 では16人に一人が参加しており、 水戸市 、 つくば市 と比較するとかなり多い。これより市民のボランティア意識がかなり高いことが伺える。
計 54 団体(大好き茨城県民議会、日本 NPO 法人団体の Web サイトからピックアップしたもの)
図 3-1 防犯ボランティア数
図 3-2 土浦市 の NPO 、市民団体ジャンル別数
< NPO や民間団体の一例>
いきいき館太鼓橋 : モール 505 の一室を利用し、公的介護認定以外のお年寄りを対象に、お茶を飲んだり、話をしたりなど気軽に立ち寄れる場を提供している。イベントや、講座(手芸やカラオケ、ダンスなど)健康を維持するための体操、誕生日会などを行っている。
<市で行っている事業>
土浦市 人材バンク : これまで身につけたり、学んだりしてきたことを講師となって教えたいと思っている方々に登録してもらい、それを学びたい方やグループなどに紹介し、生涯学習を支援するというもの。連絡先一覧があり、個人で連絡を取る。
シルバー人材センター: 60 歳以上の人に登録してもらい、講習会などにより、技術を身につけ働く機会を提供するというもの。シルバー人材センターがさまざまな所から依頼を受け、地域や技術によって担当者へ仕事を振り分ける。高齢者は働くことによって報酬を受け取る。しかし、現在登録しているのは 60 歳以上人口の約 1.3 %を満たしていない。
《ヒアリング》
「いきいき館たいこばし橋」館長、深山さんへのヒアリング。
表 3-2 たいこばしへのヒアリング内容
何人くらいの人が参加しているのか |
400人以上が登録。 土浦市 に住む60歳以上の人であれば誰でも参加可能。約8割が女性。 |
高齢者について |
高齢者同士が集まって、話をするだけでも脳が活性化される。体操や、太極拳、カラオケなど声を出したり体を動かすことによって、介護を受ける時期を遅らせることが出来るのではないかと考えている。高齢者は転倒をきっかけに介護生活へ入る人が多い。 大洋村 のように健康増進によって足腰を鍛え、転ばない老人を増やすことによって高齢者福祉にかかる費用を削減でき、その他の福祉費用にすることができるのではないか。 |
大洋村 の老人医療費用削減戦略
温水プール、トレーニングルーム、健康相談室などを備えた健康増進施設を建設。高齢者に積極的に利用してもらう。運動の方針の指導を行うことによって健康なお年寄りを増やす。健康な高齢者の増加により、介護費、医療費を削減する。
公共機関によるインターネットを利用した情報提供について。「しずおかボランティア人材バンクネットワーク」の管理担当者の方(静岡県生活・文化部県民生活総室 NPO 推進室)にメールでの質問調査を行った。
《提案》
まちづくり、高齢者福祉を活動内容としている組織はある程度存在し、それぞれに良い活動を行っている。次の段階として、そういった組織同士をつなぐこと、また、市民に対して活動を紹介していくようなネットワークが必要かと思われる。そこで、パワーバンクを提案する。これにより、様々なニーズを持っている人と、まちづくりや、福祉活動に参加する意欲を持った人をつなぐことが出来る。
しずおかボランティア人材バンクネットワーク
Web サイトから静岡県内に点在するボランティア人材バンクや、ボランティアの募集情報を探し、応募することができる。 「ボランティアができる人材を抱えている人材バンク」「ボランティアを必要としているさまざまな団体」「ボランティアをしたい個人」 それぞれが PR しあい、結びつける仕組み。
表 3-3 「しずおかボランティア人材バンクネットワーク」への質問調査内容
どれくらいの人、団体が登録を行っているのか。 |
人材バンク(ボランティアをできる人を抱えている人材バンク):7件 人材バンク内の個人情報(ボランティアのできる個人として登録): 64 件 主催団体(ボランティアを必要としている団体): 15 件 |
何人で運営を行っているのか。 |
1人 。 |
課題や問題はあるのか。 |
インターネットを利用したシステムなので、相手の顔が見えない。また、インターネット上で登録できるため、虚偽の内容で登録されたとしても判別することができない。インターネットでできるという手軽さの半面、信用という点での不安がある。 |
《具体的な仕組み》
活用例:ベロタクシーの運転者の募集
カレーフェスティバルなどのイベントの運営補助
インターネットを利用しての情報提供が主なので、少人数でサービスの運営を行うことが出来る。様々な住民のニーズが多様化し、市のサービスだけでは足りていないような部分(高齢者福祉など)を補うことができる。期待できる効果としては、次のようなものが予想される。
市民のまちづくり意識の向上。
元気な高齢者の割合増加→高齢者福祉費用の減少
子育てしやすい環境の向上→人口減少の食い止め。
懸念されるインターネットによる信用性の問題について。登録している団体に対してはどのような活動を行っているのかの調査を行う。