事実、これまでに土浦市が築いてきた歴史には現在でも受け継がれている 良いところが多数あるにも関わらず、少子高齢化や人口減少といった 社会的現象が土浦市でも起こっており、土浦市の多くの良さが見えづらく なっているのではないでしょうか。 土浦市民が土浦市の良さに気づいていないことが、これらの良さを 活かしきれない原因の1つであるといえます。 このことはまちづくりアンケートの結果にも反映されています。
そこで、良さが見えなくなっている原因を解消しつつ土浦市民に 土浦市の良さを再発見してもらうことを、マスタープラン策定の際に念頭に 置きました。 私たち4班が考える土浦市の良さのうち、今回のマスタープランを策定して 活かしていきたい特徴は以下の項目です。
【都市】 県南の中心として栄えてきた中心市街地、土浦に人が集まる
(昼間人口の多さ)
【立地条件】 都心から60キロ圏内と近い(常磐道60分、常磐線70分)
【自然】 霞ヶ浦、新治、里山に見られる水と里と山の資源
【住環境】 荒川沖、おおつ野ヒルズに見られる整備された住環境
【農畜産業】 他県への一大供給地(レンコン・きのこ、養豚)、新治地区
【工業】 首都圏やつくから近い神立や新治の工業団地
【歴史】 江戸時代から栄えてきた城下町、水運、遊郭
【教育】 土浦一高に代表される教育水準の高さ
圏内全域から学生が集まる
旧土浦市時代、人口は概ね13万5000人、世帯数は5万世帯強で推移を していましたが、旧新治村との合併後は人口143,814人54,245世帯と なりました(平成18年12月現在)。 新治村との合併による影響としては、@人口および世帯数の増加、 A人口密度の減少、B世帯あたり平均人員の減少の抑止があげられます。
年齢別では、やはり団塊の世代と言われる50歳代後半がもっとも多く、 15歳以下の子どもは少ない傾向にあります。 ここでも旧新治村との合併の影響は大きく、特に旧新治村(平成16年)では、 高齢者の人数が多く、40歳前後の労働者人口および15歳未満の子どもの 人数の割合が少ないことが分かります。
また、平成12年から平成16年までの住民基本台帳を基に算出した 平成17年以降の総人口は、平成21年まで減少し続け、 平成17年から平成21年の4年間で2,615人減少し、 平成21年の総人口は、130,782人と予測されます。
このため今よりもさらに少子高齢化が進行すると考えられます。
土浦市は南北に国道6号、JR常磐線、常磐自動車道、東西に国道125号、 354号が整備され、東京、水戸、つくば方面との交通を結ぶ役割を 担っています。 土浦市では、これらの主要幹線道路等を軸に、道路網整備推進してきましたが、 平成16年度末の都市計画道路整備率は約56%にとどまっています。 広域的には、平成17年8月のつくばエクスプレスの開業、 平成18年2月の土浦市と旧新治村の合併などにより、都市交通体系に 大きな影響が及ぼされることが想定されるため、交通体系の再構築が 必要となります。
ここで、土浦市内の主な幹線道路の混雑度をみると、その多くで 混雑度が1.0を越えており、全体的に交通混雑が激しい状況がうかがえます。 国道6号の各地で混雑度が高く、交通混雑が激しいため、現在、 牛久土浦バイパスの建設や交差点改良などによる道路混雑緩和が 計画中です。 東西方向、南北方向の混雑状況を比較すると、おおむね南北方向の混雑が 激しい状況となっており、目的交通よりは通過交通が多いと予想されます。
土浦市への通学を目的としたトリップ数を見てみると、土浦市民の 通学行動は、市内部での動きが圧倒的に多く、18,000人を超えています。 近隣市町村との通学行動では、流入、流出ともにつくば市との間の移動が 多くなっていますが、土浦・つくば間の交通基盤を充実化することによって、 更なる移動を可能にすることが望まれます。 最近では、旧千代田町、石岡市、旧霞ヶ浦町、阿見町からの流入も 多くなっています。
また、レンコン以外ではチューリップ、グラジオラス、アルストロメリア、 バラ、ガーベラなどの各種の花き栽培も盛んです。 特に全国有数の生産量であるグラジオラスは、県の銘柄生産の指定を 受けており、アルストロメリアについても県指定銘柄推進産地と なっています。
旧新治村と合併したことにより、農業従事者や農業用地が増えました。 このことを利点と考え、今後の土浦市の発展へとつなげていくことが 重要です。
駅前再開発事業や人にやさしいまちづくりなどによる環境整備を行ってきた ものの、車社会の進展、少子高齢化、長引く景気低迷など様々な要因から、 居住人口の減少、大型店の閉店・撤退、個店の空き店舗の増加など空洞化が 進行し、中心市街地の姿は大きく変化しつつあり、中心市街地の活性化が 最重要課題となっています。そこで土浦市は中心市街地対策として、以下の 4つの提案をしています。
また、土浦市都市計画マスタープラン(H16.10)では土浦市の 中心市街地について、「にぎわい・生活・交流拠点を中心とした、 多様な人々が生き生きと安心して楽しく暮らし、多くの人々が集い交流する 市街地を再生・創造します。」とあり、「中心市街地活性化基本計画」、 「土浦駅西口周辺地区市街地総合再生基本計画」に基づく整備によって商業・ 業務地の活性化を図ろうとしています。