3-1 商店街の賑わい創出 |
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土浦の商店街の現状商店街の問題点![]() 図3.1.1.中心市街地の環境全般に対する住民の満足度 ![]() 図3.1.2.中心市街地で必要なまちづくり 人が集まらない原因・一ヶ所で全部揃うようなお店がない(50代女性) ・専門店などが多く、日常的な消費をする店が少ない。 ・買い物をしたいと思うようなお店がない(60代女性) ・「商店街の雰囲気の悪さ(高架道やアーケードの日陰、建築物の老朽化、シャッター通り)(50代女性) このような意見から土浦の商店街は人々の需要とマッチしていないということが人が集まらない原因として考えられる。 また、以下のような意見も聞かれたことから、中心市街地において自動車のアクセスが悪く、 歩行者・ドライバーともに危険で不便な思いをしているということも原因であると考えられる。 ・細街路が多く、通過交通も狭い道に入り込んでしまう。(60代夫婦) ・駐車場が小規模で分散してしまっていてわかりにくい。使いにくい。(40代女性) 土浦の商店街に人が集まらないという問題点を引き起こしている背景には、以下の2つの大きな原因があると捉えた。 ・商店街が人々の需要とマッチしていない ・中心市街地への車でのアクセスが悪い 参考事例場所:滋賀県彦根市 四番町スクエア 概要:住民同士の協力、官民の協力によって換地による商店街の再編が実現した 利用制度:街なか再生土地区画整理事業 ![]() 図3.1.3.換地によって商店街と駐車場の整備が行われた四番町スクエア 土浦は城下町の都市基盤を現在に引き継いでおり、モータリゼーションへの対応がしにくい構造になっている。 同じく城下町である滋賀県彦根市も同様の問題を抱えていた。自動車で街中にアクセスできないことから郊外の大型店舗に客を奪われ、中心市街地の衰退を経験している。 しかし、店街の歴史が長い彦根市では街の衰退に対する危機感が強く、若者を中心に積極的なまちづくり活動が行われた。まちの若手商店主たちを対象に「自分たちの商店街の行く末をどう考えているのか」について、「市場商店街の明日を考える集い」を組織し、面的な再開発の検討、プラン作り、地権者との交渉や土地の買収を行い、有識者や専門家のレクチャーを受け「賑わいの空間づくり」の検討を重ねた。また、飛び換地や集約換地を行ったり路地を整備したりする土地区画整理組合を組織し、街のハード面でのリニューアルを具体的に実行できる環境整備を進めていった。 まず、街が賑わいを取り戻すには空き店舗と商売を続ける店舗が混在している状態から、なるべく商売を続ける店舗を集中させ、密度を上げることが必要である。 歯抜け状態になってしまった商店街では衰退のイメージを植えつけてしまったり、いろいろな商品をみたりすることができない。 そこで、換地を行い、通りに面する土地に商売を続ける店を集め、通り沿いに土地を持っていたが商売を一方、未利用地を集めた土地では大規模駐車場の整備を行い、 自動車でのアクセスも可能にする。 四番町スクエアにおける具体的施策1.基盤整備と建物・街並み整備を一体的に進める土地区画整理事業では、申出換地による飛び地・集約換地を駆使して、既存の店舗や住宅などを土地利用計画に沿って用途別・業種別に再配置した。 2.集約換地でランドマークになる核施設を建設 (i)自ら土地利用をしない地権者の土地を共同利用街区に集約換地し、街のランドマークとなる「ひこね街なかプラザ」と「四番町ダイニング」の二つの核施設を建設した。 (ii)こうした核施設は地元地権者が主となるまちづくり会社「(株)四番町スクエア」が運営する。 3.「大正ロマン」をテーマとするまちの景観形成 組合員相互で任意協定を締結し、景観ルールブックの仕様に基づいて個々の建築を誘導した。 4.にぎわいの仕掛けづくり (i)共同整備事業組合の景観計画に基づいて、区画整理事業の移転補償費の一部を充当して、随所にモニュメント、せせらぎ、休憩施設、植栽などを設置し、協同組合で管理を行う。 (ii)区画道路の一部をパティオ(小広場)仕様とし、商店街のイベントなど多目的に使用できるようにしました。このパティオに放射状につながる3m幅員の路地と店舗を整備し、対面販売による市場の再生を図る。 「街なか土地区画整理事業」について駅から離れた地区の商店街など、小規模の地区において行われる。駅から離れているため、道路や交通ターミナル、駐車場などの公共施設の整備が遅れている場合が多く、 それらの問題を小規模区画整理によって解決するものである。集約法としては、駐車場や空き店舗などの未利用地や自己利用しない権利者の土地を集約して公共施設用地に充てるほか、 権利者の意向に沿って商店街をゾーン分けし、住宅街区や商業街区などに飛び換地を行う。また、そのような小規模集約換地を行うのに効果的な制度として『都市再生土地区画整理事業』があり、 活用する事例が多い。都市再生土地区画整理事業においても、集約換地には合意形成のために時間がかかるものの、小規模であることから比較的短期間で済ますことができる。 また、施工区域が小さいため、工期が短くなる。これらの原因により、事業全体を短期間で終わらすことができる。 また、施行区全体を一度に開発するのではなく、小さく区域分けし段階的に整備を行うことで、事業途中での計画変更にも柔軟に対応することができる。 つまり、「事業スピードが早い」、「低事業費」、「連鎖的な整備が可能」という3点がメリットとなっている。提案
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