U.土浦市の現状

U−T.人口

U−U.交通

U−V.産業

U−W.中心市街地活性化対策

U−X.福祉

U−Y.教育

U−Z.観光資源





U−T.人口

 土浦市の人口は平成19年現在増加しているが、 今後は図2-1に見られるように平成27年以降減少傾向を辿ることが予測されている。

図2-1.総人口推計


 また、市内の高齢者率に目を向けてみると、 平成17年現在で17.8%である高齢者率が、  平成42年には29.8%になるという予測が出ている。  土浦市も全国と同様に高齢化が進んでいると言える。

図2-2.土浦市高齢者率予測


 各産業の従事者数の推移を見てみると、 第三次産業の従事者割合が一番多く、 年々増加傾向にある。  かつてそうであったように、 現在も商都としての力が強いことがここから伺える。  その一方で、第一次産業の従事者割合が減少傾向にある。  霞ヶ浦でのワカサギ漁の規模縮小や、  農業での後継者不足等の問題が影響しているものと考えられる。 しかし、300a以上の耕地を持つ農家は増えていて、 農業規模自体は大きくなっているが、  従事者数は減少しているという現状が伺える。

図2-3.各産業従事者数割合




U−U.交通

<市外とのアクセス>

 ・JR常磐線
   →市内には土浦駅、荒川沖駅、神立駅
    の3駅があるが、乗客数は減少傾向

 ・常磐自動車道
   →土浦北IC、桜土浦ICの2つの
    インターがある

 ・国道6号
   →中心地区の迂回路となっており、
    交通渋滞が多い



 南北軸の交通インフラが発達している

図2-4.土浦市内駅別乗客数


<市内のアクセス>

 ・市内道路
JICA―STRADAによる分析結果を見てみると、 地区ごとに問題点が挙がってくる。


1) 中心地区

 東西軸、土浦駅北側の南北軸に長距離トリップが混入しており、 それが駅周辺の混雑度を高くしている。  通過交通を排除することで中心市街地を快適な交通環境とすることがで きると思われる。


2) 荒川沖地区

 荒川沖地区は、国道6号線の混雑度が極端に高くなっている。  これは、国道6号沿いにあるロードサイドショップの影響が大きいと考えられる。  空き駐車場情報の提供を行う等して自動車のスムーズな誘導が必要になる。  また、桜土浦IC付近での混雑を解消するため、 全線スマートインター導入などの措置をとることも考えたい。




図2-5.市内道路の平均トリップ長と混雑度


3) 神立地区

 神立地区は、図のように交通システムに関する満足度が高くなっている。  これを維持できるように、国道354号バイパスの整備計画に合わせて バス路線を充実させるなどの対策が必要になると考えられる。




図2-6.神立地区の交通システムに対する満足度


4) 新治地区

 現在の老年人口と20年後に老年人口になる45歳から64歳の人口を足した割合は、 新治地区では図のように5割以上になる。  また、1ku当たりの人口密度を見てみると、 旧土浦市が1650.5なのに対して旧新治村が281.4となっている、 このことからバス停までの移動でさえも困難であると思われる 高齢者の需要に対応できる交通システムが必要であると考えられる。




図2-7.各地区の年齢別人口割合


・ 路線バス

 JRと関東鉄道の2社が運営していて、  観光バスも出ているが、乗客数は全体的に減少傾向。  また、路線や本数に偏りがある。  特に新治地区は、バス路線の整備が遅れている。




図2-8.関東鉄道乗客人員推移


図2-9.JRバス乗客人員推移


図2-10.関東鉄道観光バス乗客人員推移




U−V.産業

<商業>

1) 土浦駅周辺
 1997年土浦駅西口に再開発ビル「ウララ」が完成したことから、 西友・百貨店小網屋・東武ホテルが閉店、 2003年には丸井が撤退、さらに2007年3月には京成ホテルも閉店予定と、 駅周辺の空洞化が進んでいる。  現在、旧東武ホテルの建物はビジネスホテルになり、 丸井が撤退したビルはリニューアルされ、パチンコ店や飲食店が入居している。  また、西友・小網屋跡地ではマンションの建設が進められている。




図2-11.土浦市商業推移


図2-12.土浦駅周辺商店街の様子


2) 荒川沖駅周辺
 カスミ荒川沖店を中心とした西口商店街が賑わっていたが、 1981年に荒川沖ショッピングセンター「さんぱる」がオープンしたことをきっかけに、 一転して衰退の一途をたどった。  カスミ荒川沖店は立地条件の悪さもあり撤退を余儀なくされている。


3) 神立駅周辺
 駅から西に約2kmと離れてはいるが、 土浦市境に「千代田ショッピングモール」が2004年にオープンしている。


4) 郊外地域
 駅から離れた郊外の主要道路沿いに、 広い駐車場を持つ各種チェーンストアの進出が続いている。  最近では、イオン土浦SC計画が進行中である。




<農業>

 土浦市はれんこんや水稲の栽培が盛んである。 特にれんこんは産出量が日本一で全国の34%を占めており、 ほとんどが霞ヶ浦周辺で生産されている。  また、グラジオラスや、菊、鉢物の花卉などの生産も盛んである。

 新治村と合併したことにより、新治地区で盛んに栽培されているフルーツが 土浦の新たな農業戦力となることが期待される。




図2-13.市内農作物分布


<工業>

 土浦市には、常磐自動車道沿いに大きな工業団地が立地している。
 代表例としてテクノパーク土浦北がある。  成田国際空港まで45kmという好立地で、総面積は41.7ha。  平成16年度の事業所数は150社,従業者数は11074人だった。  図に見られるように、つくばの生産額は上昇傾向にある一方で、 土浦市の生産額は減少している。  周辺地域への人口流出やつくば市の都市基盤の拡大などの影響があると考えられる。  現在土浦市では、税制優遇や融資などによって企業誘致を進めている。  その結果、平成16年度に生産額が上昇に転じている。




図2-14.つくば市と土浦市の工業生産額比較




U−W.中心市街地活性化対策

 郊外型商業施設の進出や研究学園都市の発展・TX開業の影響等により、 市内大型店の閉店・撤退が続いた。  また、商店街の個店も後継者不足や経営者の高齢化が進むなど、 中心市街地の商環境は総じて厳しい状況にある。  こうした中、平成16年から市民・若手商業者が中心となり「にぎわいづくり検討委員会」を組織し、 土浦のまちなかにおける賑わい創出を進めていくための、 基盤づくりが開始された。


<主な事業内容>

・ まちづくり活性化バス運行事業
 平成17年3月からNPO法人まちづくり活性化バス土浦により、 ワンコイン(100円)で周遊できる循環バス「キララちゃん」が3路線運行している。  この事業に対して土浦市は年間1,000万円の運行費補助を行っている。 平成17年度の利用者は約10万人だった。


図2-15.キララちゃん路線図


・ SOHO事業とモデルチャレンジショップ
 中心市街地の空き店舗をIT事業を始めようとする起業家に賃貸している。  ただし、将来市街地内に出店することが条件となっている。  また、インキュベーションマネージャーを設置し、 起業家の独り立ちを支援している。  物販・サービス業を始めようとする起業家を支援するモデルチャレンジショップ「虹」を設立。  このショップは商店街通りの一角に位置している。  常駐するマネージャーからさまざまなアドバイスも受けられ、 独立への支援が受けられる。


図2-16.モデルチャレンジショップ『虹』


・ ガイドブックの作成
 市民全体に土浦の店を再認識してもうために、 中心市街地・商店ガイドブック「土浦日和」を作成。


図2-17.ガイドブック『土浦日和』


・ その他の事業
 土浦城址周辺の歴史的町並み「歴史の小径」の整備事業や土浦駅前北地区の市街地再開発事業等、 インフラ整備も同時進行中である。




U−X.福祉

 「人にやさしいまちづくり」をスローガンとして掲げ、様々な福祉活動に力を入れている。



<児童福祉>

 安心して子どもを生み育てられる環境づくりや、 児童の安全な遊び場の確保など、各種支援対策を進めるため、 土浦新こどもプランの下、児童支援の体制を整えている。


図2-18.児童施設分布図


<障害者福祉>

 在宅福祉サービスのより一層の充実や、 重症心身障害児施設の誘致を図っている。  また、住み慣れた地域で自立と社会参加が促進できるように、 身体障害者手帳の交付や療育手帳の交付、 各種の援助制度等の各種事業を進めている。


<高齢者福祉>

 デイサービスやショートステイ事業の充実を図り、 より細やかな福祉サービスができる体制を整えるため、 各種の援助制度を設け活動している。   また、健康で働く意欲のある高齢者の方に、 永年培った豊富な知識、経験、技能を生かした 「働く場」を提供するためのシルバー人材センターが整備されている。


図2-19.齢者施設分布図




U−Y.教育

 「誰もが学び続けることのできる環境づくり」 「学習の成果を活かすことができるしくみづくり」 「人と情報をつなげるしくみづくり」を掲げ、 生涯教育の充実を図っている。

 市内には20の小学校と8校の中学校があり、 『学校教育が生涯学習の一端を担うという認識に立ち、 「一人一人を生かす」という視点から、 一人一人に自己実現を図る教育を推進すると共に、 「ゆとり」の中で「生きる力」を営む教育の展開に努める』 という目標を掲げ教育に励んでいる。

 さらに高校は公私あわせて8校あり、土浦第一高等 学校や常総学院といった全国的な有名校も名を連ねて いる。それぞれ特色を持った学校づくりが行われ、県 南地域の学生が集まってくる。


図2-20.市内高校分布図




U−Z.観光資源

<霞ヶ浦>

 日本で2番目の大きさを誇る湖で、 野鳥の宝庫として有名である。  また、ワカサギの漁場としても有名で、 全国の約6%を占める茨城県での漁獲量のうち、 9割以上が霞ヶ浦・北浦で捕れたものである。  ワカサギは「茨城県の淡水のさかな」に指定されている。  ワカサギ漁はかつて風を動力源とした帆曳船を用いて行っていたが、 今ではトロール船にとって変わっている。  しかし、帆曳船自体は観光用として残り、 夏季に運航して観光客を楽しませている。


<土浦まちかど蔵>

 江戸時代後期から明治時代初期に建造された蔵で観光案内、 喫茶室・予科練関係の資料も展示している。


<土浦第一高等学校旧本館>

 国指定重要文化財。  旧茨城県立土浦中学校本館。


<上高津貝塚>

 上高津貝塚は、霞ヶ浦沿岸に点在する貝塚の中でも最大規模を誇り、 保存状態も良いことから昭和52年に「国史跡」に指定された。


<土浦全国花火競技大会>

 全国から集まる花火師たちが、 スターマイン・10号玉・創造花火の3部門で日本一をかけて技を競い合う花火大会である。  大正14年から開催されている歴史ある大会で、 毎年10月に開催されることなどからも、他の花火大会とは一線を画している。