1.土浦市概要

1.概要

土浦市は、面積が91.55平方kmで、東京から北東約60kmに位置し、日本第2位の広さをもつ霞ヶ浦や桜川など 多くの自然に恵まれている。また、土浦市はつくば市・牛久市と並び業務核都市として国からの承認を受けており、 業務機能など東京のもつ役割の受け皿として整備を図っていく茨城県南部の主要都市である。
平成17年現在、土浦市は人口134925人、世帯数51947世帯であり、近年は人口・世帯数共に大きな増減はなく横ばいである。 しかし、近年では少子高齢化が進んでおり、中でも高齢者人口の割合の増加率が大きいために、生産年齢人口は 増加しているにもかかわらず人口割合は減少している。

2.現状分析

1.産業人口
土浦市の産業について、国勢調査の就業者数からみると、昭和60年に第一次産業は3,804人(6.7%)、 第二次産業15,807人(27.7%)、第三次産業37,358人(65.6%)だが、平成7年には、第一次産業2,655人(3.9%)、 第二次産業19,233人(28.1%)、第三次産業46,011人(68.0%)となり、第一次産業者就業者数 が減少し、第二・第三次産業への増加傾向を示している。このことは、開発動向や都市化の進展による都市基盤の整備拡充に 伴う産業構造の変化にも起因しており、このような傾向は、今後とも続くものと思われる。

2.農業
土浦市は、昔からレンコン栽培に適した土地柄として知られ全国一の生産量を誇っている。主に京浜方面に出荷され、 レンコンパウダーを使ったレンコン麺・レンコンサブレなどの加工品の販売にも力を入れ、全国に日本一の土浦レンコンを 発信している。その他、チューリップ、グラジオラス、アルストロメリア、バラ、ガーベラなどの各種の花き栽培も盛んで、 特に全国有数の生産量であるグラジオラスは、県の銘柄生産の指定を受けており、アルストロメリアについても 県指定銘柄推進産地となっている。
平成10〜11年の茨城農林水産統計年報から農業の現況をみると、農業粗生産額は72億3100万円で、米・麦が14.2%、 野菜55.7%、花き13.6%、果実4.9%、畜産類6.9%、その他4.7%となっており、果実、畜産類の生産額が低下している反面、 花き、野菜関係の生産額が上昇している。

3.工業
平成10年工業統計調査では、事業所数314社、住業者数10,554人、製造品出荷額5,344億円で、過去5年間を見ると、 製造品出荷額、事業所数、従業者数ともわずかに減少している。現在土浦市では、生産性の向上を図るために設備の 近代化等を促進する。さらに、本市発展の重要な役割を果たしてきた神立地区に合わせ、テクノパーク土浦北への企業誘致を 促進し、新たな集積エリアとして整備を進めている。市の北部には、46社が操業する土浦・千代田工業団地がある。

4.商業
ここ数年、商業の従業者数と小売業の売場面積はほぼ横ばいである一方、商店数は減少傾向にある。1店舗当たりに多くの 従業員数を必要とする大型商業施設が多くなり、小規模な商業施設は淘汰されている。また、年間商品販売額、1商店当たり 年間商品販売額共に減少傾向であり、ここ数年における不況の影響を考慮しても土浦の商業は衰退しているといえる。


図1−1 土浦市の商業の推移


図1−2 土浦市の商業販売額の推移
(年間商品販売額:千万円 1商店当たり年間商品販売額:万円)

5.交通
土浦市には、南北に国道6号・常磐自動車道、東西に国道354号・国道125号という、茨城県内、首都圏内主要都市を結ぶ 主要道路が走っている。また、土浦境線・土浦筑波線・土浦龍ヶ崎線などの主要地方道により近隣都市と結ばれている。
また、中心市街地の活性化とともに、バス利用不便地域の緩和、公共交通利用の促進を目的に中心市街地を循環する コミュニティバス「キララちゃん」が運行している。さらに、街での楽しみと公共交通を繋ごうと、指定された店舗での買い物で 還元される地域通貨「キララ」を導入している。
国道6号は常磐道と並んで交通量・通過量の多い主要道路であるが、特に交通量の多い図6で示す地域では近年の ロードサイドショップの進出が渋滞の大きな要因になっていると考えられる。国道125号・霞ヶ浦沿いの混雑からは、 この地域に自動車以外の代替交通が少ないことが原因と考えられ、土浦北IC・桜土浦IC周辺の混雑からヒト・モノの流れが 高速道路の依存していることが分かる。また、中心市街地に自動車が集中し、中でも荒川沖は駅前の駐車場を使った パークアンドライドを利用する通勤者が多いため交通量が多いと予想される。


図1−3 土浦市の道路混雑の現状