5.3 土浦市場の開催

【目的】
・中心市街地の活性化、土浦の顔を作る。
・点在している商店の集積させる役割を与える。
・売主がわかる、地域の人とあうきっかけができるなど大型店にはない魅力を残す。
・茨城県の食文化など地場産業の発信基地
・歩行者空間の創出

【計画の内容】
(1)露天市場およびフリーマーケット
 露天市場は中心市街地活性化の最大の目玉である。最初は、高架下で開催し手ごたえをつかんだら高架下から亀城公園に至るまでの道路で開催する。
 形式は、露天商とし、生産者が自ら持ち寄り販売する方式をとる。
開催日時は月、木、休日の午前中から午後までである。
扱う商品は、近郊でとれた新鮮な農作物をはじめ、花、手作り弁当、菓子、寿司、鶏卵、地場産品、工芸品、地酒など幅広く販売する。
さらに、市場に加えて時々フリーマーケットも開催(駅前、高架下、亀城公園など)し、若者にとっても魅力のある中心商店街をつくっていく
ターゲットはもちろん観光客も対象にするが、土浦市民や土浦に勤務している人、近郊の人たちが中心である。
茨城県の農業は全国的に見ても地位か高く、生産量も多い。茨城県下で最大規模の市場を開催できればかなりの商圏は確保できると思われる。

(2)複合型飲食設備
 露天市場だけでは、毎日開催ではなく、客層も中高年が中心になってしまう。そこで、ウララにならぶ集客拠点として複合型飲食施設を建設することを提案する。
 方式は高知の「ひろめ市場」を参考にする。全体の面積は3000u〜4000u、テナント数は50くらいとする。販売形態は一部を市場とするが、基本的には飲食店とする。飲食店の他は、地酒、土産品、ネットカフェ、回転寿司、雑貨屋、古着屋など様々なものを配置する。
 ねらいは、観光客を誘致することのみならず、土浦市民や土浦に勤務している人たちが老若男女問わず一箇所に集まることによる賑わい、暖かさを演出することである。昼間にはサラリーマンが集まり、主婦が集まり、土休日は若者や観光客でにぎわうような商業施設を目指す。

(3)市場経営方法の提案

@運営の主体として、市の役員の呼びかけによりリーダーの選出を行う。候補には、土浦市をよく知り、熱意のある、地域のリーダー的な人物を挙げ、市場運営団体のリーダーとする。

A滋賀県長浜市の事例を参考として、市場開催に先立ったイベントを開催する。目的としては、イベント運営を通しての地域内の結びつきの強化である。そのイベントに向けて、リーダーを中心として企画運営団体を組織し、内容の具体化を進める。このときの構成員としては、主婦、高齢者、小中学生に加え、社会工学類都市計画専攻の学生も含めたい。本実習の発表会を活用することも効果的である。

Bイベントの候補地としては亀城公園を挙げる。このイベントでは、市場につながるように、農産物等の特産物、惣菜等の食品販売を行う露店を設置し、構成員に対し販売方法の習得を促すとともに、市民に対し市場への関心を高める。

Cイベント終了後、運営団体主導で、既存商店の経営者や近郊の農家等に呼びかけて出店者を集め、定期的な市場に発展させる。
 
(4)トランジットモール
 市場の規模が拡大し、亀城通り(国道125号線)にまで拡大する可能性が生じてきた場合、その自動車交通量の多さから新鮮な農作物を販売するうえで問題となってくる.そのような段階に達するまでに、まず市役所移転の項で述べた自動車交通の東口側へのシフトが達成されていなければならない。自動車交通量を削減した上で、市場開催時間帯に限った亀城通りをトランジットモール化することで市内に快適な歩行者空間が創出される。

(5)景観の整備
 @電線の地中化
 A緑を増やす
  駅前、高架下、亀城公園のスペースがあるところでは木を植え、緑豊かな空間に変える。特に高架下は高架が隠れるように工夫する。
 B舗装の工夫
 C建物の修景
 D道路わきのアーケードの取り替え
  
(6)ウララより奥まで動線を復活させるには
 かつては、近隣の市町村から買い物に訪れる人々が多く、北の商店街「モール505」など駅から離れていくように歩行者が流れていた。しかし再開発ビルの出現によって、歩行者はデッキの設けられた限られた範囲のみを歩く傾向が出てきたと考えられる。
市場などの商業施設に土浦市民のみならず、外部の方々にも来てもらうためにはウララより奥まで動線を回復する必要がある。
それには、市場そのものの魅力を高めていくことが重要であるが、そこに至るまでの街路の整備も重要である。まず、入り口にあたる旧丸井付近では「なにか先に楽しそうなものがありそうだ」と思わせるしかけが必要だ。そこで、大きい街路樹を植え景観を整備していくことを提案する。