第5章 重点整備計画
1.“モノ”でつなげる
1−1.“道”でつなぐ
中心市街地の交通計画
土浦駅周辺の交通事情は、無計画に整備された道路のように複雑なジャンクションや狭く低い道、周辺環境と明らかに協調していない道などを形成している。土浦駅や駅周辺の商店(モール505等)の利用者にとって、そして周辺道路を利用するドライバーにとっても、このことは不便で危険である。
そこで、前述された土浦駅北口案・市役所移転計画案に伴い、土浦駅北方面周辺の新たな交通計画・整備を提案する。その中で特に重点を置くのが、下図に記されている1・2・3のオレンジ色の円で囲まれた地区である。

土浦駅北方面周辺図
1−1−a.土浦駅北方面線路下道路の改善
この地点1(下左図参照)は線路下を通り、土浦駅の東西を結ぶ重要な道路となっており、交通量も多い。しかし、西側は複雑なジャンクションとなっており、交通量が多いため不便で危険である。さらに、水路の水門部分をそのまま利用したため、線路下道路は車2台がようやく通れる程度の幅で、さらに高さ制限も加わり、この地点の交通事情は劣悪である。そこで、本計画では下左図の現状から、下右図へと改善することを提案する。
計画前 計画後(高架道は省略)
計画後は西側の複雑なジャンクションを一掃し、単純なT字路とする。道路幅は図を見ても分かるように拡幅し、線路下は歩車分離を現状のように維持する。さらに、現在利用されている水門部分より多少北側に線路下道路を設けることにより、東西をつなげる直線的な道路し、車の流れをスムーズにすることができる。また、土浦駅北口案と馳せて計画することにより、現在では軽薄な土浦駅東西関係をより強力につなげていく。
駅前道路の改善
駅前道路としての地点2は交通量が多く、いつ土浦に足を運んでもウララ方面に行く車により渋滞が起きている。さらに、道路状況は歩行者にとってかなり危険で、駅側には歩道が途中まではあるのだが、徐々に狭くなりそして真中あたりに行くとなくなってしまうのである。また、金融機関が数多くあり、裏土浦的な雰囲気を醸し出しており、モール505への客足が遠のく一因となっている。
そこで、市役所移転計画に伴い、計画地沿いにあることから、この道路を拡幅し、さらに歩道を確保する。そして、市役所・モール505・土浦駅等の利用者にとって、快適に歩ける“道”となるよう改善する。
モール505沿いの一方通行道路の改善
土浦駅北方面周辺図の地点3の赤く塗られた道路はモール505沿いの一方通行道路である。現状では周辺に十分な駐車場があるのにもかかわらず、路駐車両が多数ありモール505の利用者の歩行や景観を妨げている。また、車が通行する道路なので、利用者にとって危険性が伴う。
そこで、この両一方通行道路にロードハンプを設け、車に対する歩行者の安全を確保する。さらに、モール505・歩行者と車を分離するため、両一方通行道路を時間規制道路とする。具体的には7時から22時まで、車両の通過を一切認めないものとする。そうすることで、路駐車両の減少も期待することができる。
1−1−b.おおつのヒルズから神立への線路下交差部の交通計画
下図の地点は線路下交差道路となっており、それは車1台分の幅しかなく、写真のように鉢合わせになると一方の車がバックして車を通さなければならない。このような劣悪な環境にあるにもかかわらず、この道は抜け道(おおつのヒルズと神立を結ぶ道)になっているのか交通量は多かった。


そこで、この道路を拡幅、さらに歩道の確保により歩行者も利用できる“道”とする。
1−2.“北口”でつなげる
駅前、霞ヶ浦、全長505メートルにも及ぶモール505、商店街の連携が取れていない中心市街地の現状はこれまでに述べてきた。人通りがまばらで、シャッターが下りた店が並ぶこの状況を解決する整備の一つとして土浦駅北口を新設する。
現在土浦駅は改札口が一箇所にあり、そこから駅を出るには東口か西口のいずれかへ向かうことになる。西口を出れば、ウララや商店街等の商業施設が多く立地している方へ、東口を出ると霞ヶ浦の方へ向かうこととなる。現在、駅周辺の東西の移動は常磐線を介するため、徒歩においては駅高架道かモール505の側にある線路下を潜る道を行くしかない。線路下の道路、歩道は共に狭く、高さもなく、昼間でも非常に暗い。そこで、土浦駅北口の新設によって、線路が隔てている人の東西方向の流れを円滑にする。また、客足が遠のいていたモール505の再生を促す。
北口はモール505を東へ延長する事によって新設する。現在、この周辺には東日本旅客鉄道(株)水戸支社土浦運輸区や西口第二有料自転車駐車場が建っているが、周辺の整備と共に移動してもらう。高架のレベルはモール505の3階部と同じにする。北口の利用者は必ずモール505を介することとなる。出口としては、霞ヶ浦方面へ抜ける出口、にぎわい広場への出口が大きなものとして挙げられるが、決まった一つの出口がない事が特徴といえる。
北口の新設と同時にモール505の既存部分の改修も行う。2、3階と1、2階のメゾネット形式の店舗をモール505全体にランダムに配置する。同一店舗で1、2階や2、3階の上下方向の客の動きを生み出す事で、モール505全体の上下方向への客の動きを活性化させる。現在は客が入店しやすい1階に店舗が集中しているが、この改装によって全階の店舗の充填を図る。
現在のにぎわい広場はバスケットボールのハーフコートとインラインスケート、スケートボードができる設備が整えられている。利用時間は午前11時から午後10時までで、夜にはライトアップもされる。
特にインラインスケートの方は、平日夕方には地元の中学生、夜は仕事が終わった若者、休日には東京からも利用する人が訪れる。土浦以外には石岡や水戸まで足を伸ばす必要があり、ここでの需要は非常に大きいものであると考えられる。
このにぎわい広場を北口付近間まで拡張整備する。バスケットボールやスケートボード等のストリートスポーツを通して、土浦市内の若者同士のみならず、市外の若者とも交流を図れる場を提供する。
この土浦駅北口の新設にはJRと市、またモール505のような民間との連携が必要となる。
つくばエクスプレスの開通によって、土浦駅を利用する客の減少が考えられる。しかし、土浦市役所や図書館の移転に伴う市職員や外来者、市民の公共交通機関の利用増加を促す事によってこの問題は対処できないだろうか。

3.“庁舎”でつなげる
土浦市庁舎+市立図書館移転計画
<土浦市庁舎の現状>
土浦駅より約1.4km、最寄りバス停から徒歩5分であり多くの利用者は自動車で訪れる。小高い丘の上に立地しているため、その高低差が徒歩の高齢者にとっては厳しいものとなっている。訪問者用の駐車場は第一駐車場に109台(うち3台が身障者用)、第2駐車場に45台、職員用は約200台の駐車場が確保されているが、第1駐車場にいたっては、常に満車の状態である。
建設から約40年を経て、近年は老朽化、狭隘化が進んでいる。そのための増床を目的としてプレハブにより増築を行う、または一部部署を他庁舎への移転をさせるなどの措置によって床面積の不足を凌いでいる。市は建て替えの必要性を感じており、一時は庁舎建設検討委員会を設置、移転などの本格的検討に至ったものの、その後財政的理由から先送りされたという経緯がある。市庁舎を土地、建物ともに自前で建設するのは200億円以上が必要となると見込まれている。このような中、市は97年度からは基金積み立てを休止し、大規模事業の見直しで、自力建設を事実上断念する方針を打ち出したという現状にある。

図;土浦市役所
「建築資料集成 全面改訂版2001」によると人口100人当り、市・区では10〜20u前後となっている。また、本庁舎面積と在庁職員との関係を見てみると、職員一人当り、市・区では20〜60uと示している。これに従って計算すると(注)少なくとも13,000u程度の面積が必要であると考えられる。
(注)職員数による計算:665(人)×20(u)=13、300(u)
市人口による計算:135(100人)×10(u)=13,500(u)

<土浦市立図書館の現状>
市立図書館は駅から徒歩20分(約1.7km)、最寄りのバス停から徒歩5分の場所(文京町)に立地し、利用者の多くは自動車で足を運んでいる。蔵書数は198,705冊あり、郷土資料をはじめ、紙芝居なども置かれている。図書館には土浦石岡地方社会教育センターが併設されており、工作室や研修室では、サークル活動や講習会などが行われている。移転させる必要性としては、@規模的限界 A施設の老朽化 Bアクセスのしにくさ
が挙げられる。新図書館については今年度、学識経験者や教育関係者、公募の市民ら十二人で構成する新図書館基本計画検討委員会(委員長・薬袋秀樹筑波大教授)を設置。千葉県の市川市立中央図書館や浦安市立図書館を視察するなど、規模や機能、サービス内容などについて検討し、基本計画の策定を行っている状況にある。しかし、基本計画では立地場所を特定せず、市役所や駅に近く分かりやすい▽公共交通の利用に便利▽人口密度の高い地区▽障害者や高齢者も利用しやすい▽路上駐車や交通渋滞を引き起こさない▽十分な敷地面積を確保できるなど抽象的な条件にとどめている。市は新年度予算に新図書館の基本設計委託費を計上したが、場所が決まらないと設計はできないため、教育委員会や都市整備部などの関係課の実務者レベルで構成するプロジェクトチームを立ち上げている。

図;建物の概観
施設の概要(社会教育センターとの複合施設)
図;図書館入り口



注;「日本の図書館1999」(日本図書館協会編)をもとに、全国の市町村(政令指定都市及び特別区を除く)の
公立図書館のうち、人口1人当たりの「資料貸出点数の多い上位10%の図書館の平均数値を算出したもの
※非常勤、臨時職員を含むフルタイム相当人数
表;人口段階別貸出し活動上位の公立図書館における整備状況
A)
敷地計画
<移転理由>
計画している敷地は土浦駅西口を出てすぐに見渡せることができ、土浦の顔とも言える場所である。この敷地内は旧西友ビル、旧東部ホテル、そして今年に空きビルと化した旧丸井ビルに代表されるように大型空きビルの後利用が、土浦市にとって従来からの大きな課題の一つとなっている。また、これらの建物に新しくテナントが入るには大幅に改修工事が必要であることが、後利用されることなく空きビルのままとなっている要因の一つとなっている。他にも敷地内には、計画性が見られない虫食い状に広がる駐車場や、敷地中心部には利用されずに放置されている老朽化した建物が数多く見受けられる。よって土浦駅前を一体的に整備し、市の顔として市民が誇りを持ち将来に渡って愛し続けていけるような空間にすることを目的とする。

<敷地の概要>
敷地面積:約30,000u
用途地域:商業地域
既存建築物総数:93棟
商業店舗数:81店舗
住宅世帯数:22世帯
B)建物イメージ図
〜パターン1〜
まず建物を更地とする。そして敷地内のどの部分が最低限どのように利用されれば良いのかをゾーンで分けて考える。
@ 敷地北側・東側において歩行者が安全に通行できるよう快適な歩行空間を確保する
A 中心部を市庁舎及び図書館とする
B 目に付きやすい角地あるいはモール505入り口に広場を設ける
C 敷地南側では奥の商店街へと誘うよう商店を連続させて配置する
下図の建物は全て2階以下に抑えることとする。
その理由として、従来から駅前は高度利用と叫ばれ続けてきた。しかし今では駅前であるからといって高い建物を建てたとしても、肝心の建物に入って営業するテナントが少なくなっている状況にある。また入ったとしても高利貸しの金融ばかりで、景観をひどく害する看板を掲げている。これでは市の顔である土浦駅前を、市民が本当に愛し誇りに思えることはできない。従って高さを目にやさしい水平基調とすることを提案したい。また2階に抑えることにより駅よりモール505が見え、関心を引く効果も期待している。
下図の配置パターンは絶対にこうだというものではない。行政・事業者・住民がワークショップなどで模型を使い、手を動かしながら考え、みんなが納得できるような配置にしてもらう。ここではこの「方法」を提案することが最も言いたいことである。

〜パターン2〜
パターン1とほぼ同様であるが、図書館のみを川口運動公園の脇に設置することにする。
そうすることにより、図書館から川口運動公園や霞ヶ浦への眺望を得ることができる。
また、ここで土浦駅北口計画案が生きてくる。北口改札設置により、駅を境に東西の行き来がしやすくなり、霞ヶ浦と日常でより接触する機会が増えることになる。そしてさらに霞ヶ浦への関心を高めてもらうことにつながっていく。

C)事業効果について
市庁舎及び図書館には市民の生活にとって必要な公共施設であり、それらを利用する人は日常において少なくはない。よってこれら公共施設を、現在衰退が見られる中心市街地に設置することにより、土浦市の中心市街地再生を目指す核としたい。
市庁舎及び図書館を利用する人が必然的に中心市街地へやって来る
→帰るついでに商店街やモール505へお買い物
→消費者が増えることにより、商店街に新規出店者も増えていく
→中心市街地は次第に賑わいを取り戻していく
→噂を聞きつけた隣接市町村などからも休日を利用してやってくる
<移転地へのアクセス>
移転後の市役所や図書館へのアクセスには
l
環境への配慮
l
駅前の渋滞緩和
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歩行者の安全確保
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過度のモータリゼーションの進展からの公共交通の衰退
等々から、主にバスや電車などの公共交通を利用してもらうものとする。この計画に伴いコミュニティバスの導入することを提案する。
土浦の中心市街地の性格はつくば市のテーマパーク型とは異なり、自分が好きなように色々歩き回れることに利点がある。この利点をさらに活かすためにも中心市街地へのアクセスは自家用車ではなく、公共交通を促進することが不可欠であると考えられる。
また、市の公用車は駅前駐車場に駐車することとする。また歩行者が安全・快適に敷地内を歩行できるよう敷地内に緊急車両用以外の駐車スペースは作らないこととする。

<移転計画予定地の住民の選択居住権>
計画予定地内には、ビルのテナントを含めて商業店舗が81店舗、住宅世帯が22戸存在する。移転後の彼等の移動を考慮し、選択居住権というものを提案する。
まず商店主には、移転後の計画地内の商店か近くの空き店舗へ移動してもらえるようにする。敷地内の新しい店舗では1階を商店とし、2階を居住スペースとして使ってもらい“住と職を一緒にしてもらう”ことをねらっている。
次に、これを契機に広々とした一戸建てに住みたいと願う居住者には、市が近隣の空き駐車場を買い上げ、そこに新しく家を建ててもらうか、もしくは、おおつ野ヒルズに移動してもらえるように市がサポートする。また、新規の出店希望者を募るためにも、新規出店者がおおつ野ヒルズに家を建てやすくなるように市が補助をする。
<移転後の跡地利用>
「市庁舎跡」⇒「高台公園」
理由として、現在の市庁舎は小高い丘の上に立地しており霞ヶ浦への
良好な眺望が得られるのではないかと考えている。 この公園は大規模な
ものではなく地域の市民が身近に親しむことができるような公園として
位置付ける。
図;高台公園から霞ヶ浦の見晴らしイメージ(※上原高台公園)
「図書館跡」⇒「ふれあいの場」
理由として、現地調査で市立図書館へ訪れた際、多くの高齢者の利用が
見受けられた。現在高齢者にとって、身近に地域の人が集まれるような
居場所がないように思われる。そこで気兼ねなくふらっと訪れておしゃべりが
できるような施設とする。
図;社会教育センター内でのサークル活動
2.“コト”でつなげる
2−1“霞ヶ浦”でつなぐ
<湖岸市>
川口運動公園へとつづく道路に市を開く
↓
市の賑わいが道しるべとなり、駅のウラ側となっている霞ヶ浦へと誘う
効果
市の賑わいによる経済効果とともに、日々霞ヶ浦を見ることになり霞ヶ浦に対する関心やアイデンティティを高めさせる。
→霞ヶ浦をもっときれいにしようという日常家庭での意識につながる。
→市民組織の運動意識を強くさせる。
<わが町内は美しく運動>
目的
土浦市において、地域の活性化に貢献する住民主体の優れた活動を行っている団体を表彰することを通じて、活動団体への支援や他地域への普及啓発を図り、土浦市の発展へとつなげるものである。
@ 公園部門
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視覚性
l
機能性
l
環境にやさしい
土浦市の各地にある公園、主に街区公園を周辺住民に提供し、最初は行政の指導のもと、住民主体による公園の整備・発展を促し、住民が大切にでき納得した公園が生みだされるだけでなく、公園を通した住民のコミュニティの形成、つまり「ヒト」のつながりを促進する。
また3章1−2「公園・緑地」においても指摘したように、土浦市内では街区公園が均等に分散されていない。そこで公園がない地区では、新たに空き地を市が買い取り市民に提供することを提案する。
A 商業部門
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景観・環境に配慮
l
新製品開発
商店などの商業施設において、地域の活性化・景観・環境・新製品開発などに貢献している市民や団体を表彰する。これにより、商店街等で経営者やその団体に賞を取ろうという意欲を出させ、商店街の活性化、そして商店街内のコミュニティの確立を目指す。
B農林水産業部門
l
景観・環境に配慮
l
新名物開発
農林水産業は土浦市内では重要な位置にあるが、それは経済的な観点、つまり儲けることが第一にあるように見受けられる。しかし、一部ではレンコン畑の蓮の花、霜降りはくさいの開発、里山保全等、土浦市に貢献している事例もある。そこで、農林水産業部門を提案することにより、景観・機能・環境・新名物開発などに貢献している地帯や市民、団体を表彰することにより、自発的にヒトがこのような面に取り組めるように、そして農林水産業を営む人々のコミュニティを形成することを目指す。
方法
* 住民達で考える公園・商店街や田畑を機能性の面だけでなく視覚性にも豊かにする。
* 四季ごとにコンテストなどを行い、住民の意識を保ち続けるようなイベントを開催する。
* 行政側は市民を資金面、技術の指導などのサポートを主とする。
* 公園においては整備後も住民自らで維持・管理を行っていく。
効果@
まちづくりの拠点をつくっていく⇒土浦市全体に広げる
→福祉・地場産業・子育て等の他分野との統合
→協働地域内循環や循環型社会の形成へと“つながる”
効果A
公園においては、日々の管理を地域の住民が行い、みんなの触れ合いの場となることで災害時の非難場所として有効な役割を果たす。
効果B
公的な活動が私的な領域まで、その逆パターンもあり相互補完的に効果がある(図参照)

2−2.“住”でつなぐ
“住”でつなぐこととして、おおつ野ヒルズに居住させる提案と中心市街地に居住させる提案について述べる。まず、おおつ野ヒルズに居住させる提案について述べる。
おおつ野ヒルズは、本市の県南の中心都市としての性格や東京都へのアクセス性の高さ、また、霞ヶ浦の自然というロケーションを活かした計画として、平成元年8月から平成12年3月にかけて、本市のおおつ野地内に整備された、まさに「土浦ニュータウン」である。JR常磐線土浦駅東口より約6kmであり、総開発面積は約100ha、計画人口を6000人とし、21世紀を目指した新複合都市に向けて既に数百世帯の人びとが生活しているほか、生活便利施設や公的機関の誘致も現在計画中である。しかし、当初の計画ほど住宅を購入する人はなかなか現れず、未だに広大な空き地状態が続いている。また、全く新しい居住地であるがゆえに周辺地区との接点がまだまだ少ないのではないかと思われる。
そこで、私たちは、おおつ野ヒルズの居住人口の増加とともに中心市街地という市の文化の中心との交流などを考慮に入れ、次の提案をする。
・
市による中心市街地の商店経営者へのおおつ野ヒルズ住宅の購入費補助
中心市街地にある商店街やモール505の店主、または、これから出店する人に対して、おおつのヒルズに限り、住居の購入の代金の一部を市が特別に補助するようにする。そうすることで、おおつのヒルズの進まない住宅の売却を促進するとともに、中心市街地の空き店舗対策、おおつ野ヒルズと地域との交流にもつなげることができる。
また、後述の市役所移転計画に伴う移転計画地の住民の移動に際し、移動先の一つとしておおつのヒルズに移動してもらいやすいように、同様に市が費用の一部を負担する。
次に、現在既に中心市街地にお店を出している人とこれから出店しようかと考えている人という2ケースを想定した上で、この提案の実現後の行動を考えてみる。
【ケースA】
商店街の店主のA夫さんは、快適な持ち家が欲しかった。すると、市がおおつのヒルズに建てるならばという条件で、家を建てる時に一部その費用を負担
してくれると言う。そこで、A夫さんは、念願のマイホームをおおつのヒルズに建てようと決心するに至るのだった。
そして、ついにおおつ野ヒルズにマイホームを建てたA夫さん。毎日おおつ野ヒルズから中心市街地の自分のお店に通っている。周りに住んでいる比較的
新しく土浦にきた人たちとも親しくなり、土浦のいいところや中心市街地の魅力について分かってもらえるように努めるのであった。
【ケースB】
会社員でアパート暮らしのB子さんは、以前から自分自身のお店を持つことを考えていた。ある日、中心市街地の顔なじみのA夫さんのお店に顔を出した
ところ、A夫さんからマイホーム取得のお話とともに市の費用負担についてうかがう。「中心市街地にお店を出して続けていくことができれば、ゆくゆくは
おおつのヒルズに家が建てられるのかなぁ。」B子さんは、中心市街地に出店すること、お店を成り立たせていくこと、最終的にはおおつ野ヒルズにマイホ
ームを手に入れることを夢見て、希望と不安を胸に出店計画を実行に移すのだった。
次に、中心市街地に居住させる提案について述べる。
中心市街地周辺には、至るところに駐車場が余っている。これは、街の連続性を阻害し、景観上も有害である。市役所移転計画に合わせた対策として、つぎの提案をする。
・
駐車場の一部住宅地化
中心市街地周辺の使われない駐車場を市が買い上げ、住宅地として土地利用の転換を計ることを提案する。そうすることにより、中心市街地の使われない駐車場の数を減らし、中心市街地に人びとを回帰・定住させることにつながる。また、上述の提案同様、後述の市役所移転計画に伴う移転計画地の住民の移動に際し、中心市街地から離れたくない人のために移動先の一つとして、この場所を優先的に確保する。そうすることで、市役所移転計画地の住民は、移転後の移動先として、おおつ野ヒルズか中心市街地化を選択することができるようになる。なお、中心市街地の駐車場の利用実態については把握していないため、まずは、これを調査分析することが必要である。
