第3章 部門別計画
1. 自然環境
1-1 霞ヶ浦
現況と課題
土浦市のシンボルである霞ヶ浦が活かされていない現状にある。その理由として
・
霞ヶ浦の水質問題
・
霞ヶ浦周辺には公園が点在しているが連携がなく、市民が利用しにくい
・
霞ヶ浦沿岸では管理が行き届いてなく荒れ果てた状態であり、また護岸工事により親水性があまり無い
・
霞ヶ浦へと誘発させるような道路・標識などのアクセス環境が悪い
ということが挙げられる。
基本方針
土浦市のシンボルとしてうまくまちづくりに活用するために、水質浄化、湖沼環境の修復・保全は必然のことである。そのためにはまず、霞ヶ浦が今どういう状態にあるかというのを日々市民に認識してもらう必要がある。そうすることにより行政任せずに、市民自らが動きだすようなハード・ソフト両面における施策を推進する。
1-2 公園・緑地
現況と課題
土浦市まちづくりアンケート報告書より、公園・緑地の整備・保全で優先して欲しいものとして「身近な公園整備」、「特色ある公園整備」の割合が高くなっている。この理由として、
・土浦市における一人あたりの都市公園面積は、5.79uで、この値は都市計画法に基づく都市公園の設置基準の6.00uに達しておらず、全国平均の7.70uより下回っている。
・都市公園法に基づいた公園の適正配置がなされていない。
などが考えられる。
また、住み続けたくない理由第一位として「日照や通風、または緑やオープンスペースなど、居住環境が良くない」、市全体の理想として「水辺や緑など、豊かな自然と触れ合うまち」を望んでいることからも、公園・緑地への早急な対策が不可欠である。
(単位%)
表2.土浦市に住み続けたくない理由
表3. 土浦市の将来イメージ

図5;土浦市の公園・緑地

基本方針
公園の計画や整備に当たっては、そこに実際に住む市民の意向を反映したものでなければならない。また、まちづくりの参加意欲のある市民は約7割いる状況から、地域住民が主体的に公園の維持・管理を行える制度を考えなければならない。そのためには、ワークショップ等を開きみんなが積極的に計画に参加できる施策を推進する。
2.産業
県南の中核を担って来た土浦市ではあるが、2005年度のつくばエクスプレス開業や、日本全体に影を落とす景気の低迷の中で、その産業形態は既存のままでよいのであろうか。 今の時代、またこれからの時代を見越した、土浦ならではの産業の在り方を模索していく必要がある。

2-1 農林水産業
現況と課題
全国一の生産量を誇るレンコンは霞ヶ浦湖岸の沖宿、田村、手野、木田余地区と桜川周辺の虫掛地区などに多く栽培されている。また、花きの露地栽培も盛んである。
霞ヶ浦ではワカサギをはじめとする淡水魚の漁が行われている。これらは、佃煮などの水産加工品として、土浦の名産品として売り出されている。しかし、コイヘルペス影響による、霞ヶ浦の水産物に対するイメージの低下が懸念される。
基本方針
農業生産物、水産物ともに霞ヶ浦等の土浦独自の環境を生かして生産高を維持する。また、生産効率のみを求めるのではなく、農林水産業を環境、景観等の様々な視点からのアプローチを試みる。
2-2 商業
現況と課題
茨城県南の要所として、近隣市町村からの買い物客も多く、商圏人口50万人にのぼる。近年、駅前再開発や、近隣・周辺商業地の整備により更なる発展を目指してきた。しかし、中心市街地においては、大型店舗の撤退・閉店が相次ぎ、客足が遠のいているのが現状である。それとは逆に、郊外にはドン・キホーテの進出や大型商業施設のイオンの出店の話が持ち上がっている。また、隣接するつくば市内での、つくばエクスプレスの開業に伴う新規店舗の存在も忘れてはならない。
小売り店舗に関しては、インターネットやテレビを媒体にした新しい形の商業が出現し、売る側と買う側のニーズは非常に多様化している。
基本方針
多様化する商業形態を把握し、それらを考慮した新たな形態の商業活動の提案を示唆する。
特に、中心市街地の土浦駅前に再び活気を取り戻し、その活力を市全体、県南へと波及させていく。
2-3 工業
現況と課題
市の北部には、46社が操業する土浦・千代田工業団地がある。また、テクノパーク土浦北が新たに加わり、市北部の工業施設の集積している。市北部の住居と工業施設の混在が顕著である。
事業所数は減少傾向であるが、1事業所当たりの従業者数は増加傾向である事から、規模の大きな事業所が増えている事が考えられる。
基本方針
優良企業を誘致する。
職住近接と職場から離れた場所に住まいを構えたいという双方のニーズに応える住宅供給との連携を量る。
2-4 観光
現況と課題
日本第二番目の広さを誇る霞ヶ浦でのヨットやクルージングを楽しめるように整備されている。しかし、悪い水質、護岸としてコンクリートで整備された水辺は人々を魅了するには至っていない。
全国三大花火大会として知られる全国花火競技大会は、毎年10月に開催される。近隣市町村からも見物客が訪れ、大変に賑わいのあるイベントである。
基本方針
霞ヶ浦や桜川の水、郊外の緑を最大限に生かして、土浦市の観光資源とする。
若者から高齢者までの幅広い年齢層をターゲットにした観光の在り方を模索する。
3.文化
3-1 歴史・伝統
現況と課題
亀城公園、蔵等、歴史的建造物は点在するに留まり、かつて水運で反映したという面影は見受けられない。特に亀城公園からまちかど倉、中心市街地へと続く狭い路地は、歴史の小径として石畳が整備された。
基本方針
もう一度土浦の本当の歴史を見直す機会を持つ。その後、どのように歴史を継承していくのかを十分に考慮する。
歴史的建造物の保存、保全においては、点として残し、整備するのではなく、道等の線、地区等の面を形成するようにする。
3-2 余暇
現況と課題
土浦市内においては、中心市街地で買い物や食事をする人々が多い。一方で、つくば市や東京に出かける人もいる。つくばエクスプレス開通後はつくば市へ新店舗目当てに余暇を過ごしに行く市民が増加する事が考えられる。
アウトドアライフにおいては、霞ヶ浦や緑を多く有するにも関わらず、市外に出かける人が多いという現状がある。
基本方針
土浦の霞ヶ浦、緑を生かしたアウトドアライフを提案する。
つくば市の新規店舗の魅力とは異なった、小売店、歴史在る飲食店等へ人々を誘導し、土浦市内での余暇の過ごし方を見直してもらう機会を提供する。
4.福祉
家族形態の多様化や、高齢化、さらには少子化に伴い、あらゆるニーズに対応した福祉施策が求められている。土浦市では総合的・計画的な福祉施策を展開するため、平成6年に「土浦市地域福祉推進計画」を策定した。これまでつくりあげてきた土浦市の基盤の上に、差別や偏見、あるいはさまざまな人権侵害・権利侵害をなくし、すべての市民が地域の中で自立した生活が営めるよう、違いを認め合い支え合うことのできるような街の実現を目指す。
4-1. 地域福祉
現況と課題
土浦市には、高齢者や障害のある人、働きながら子育てをしている人など、まわりの人の助けが必要な人たちが多く暮らしている。その中で、福祉を取り巻く社会環境の急激な変化により、従来の施策では対応できないニーズも生じている。
基本方針
高齢者や障害者、児童といった対象者ごとではなく、「地域」という場所に注目して「支え合い」を中心とした支援を考え、実行することを目指す。
4−2. 高齢者福祉
現況と課題
将来における日本の超高齢化が叫ばれており、土浦においても同様の問題を抱えている。そうした中で平成5年度には国の「高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略(ゴールドプラン)」を受け、「土浦市老人福祉計画」を策定、様々な高齢者福祉施策を実施している。しかしながら急激な要介護人口の増加により現況のサービスでは対応が難しいといえる。
基本方針
高齢者が安心した生活をおくれるよう医療機関サービスの充実を目指すと共に、高齢者がより社会に参加しやすいようにシニアワークプログラムの構築し、仕事の周旋についての施策を提案する。また、在宅福祉サービスを充実させると共に介護に対する市民意識を高め、街全体で高齢者と暮らしていく支援を進めていく。
4−3. 障害者福祉
現況と課題
土浦市には多くの障害を持った人が生活している。これからの障害者福祉は専門家や家族などにかたよった福祉実践ではなく、ノーマライゼーションの理念や障害者が感じてきた不安や遠慮を汲み取り、障害者の抱えるさまざまな生活困難の原因を「障害」そのものに還元するのではなく、障害者をとりまく社会環境のあり方に還元していかなければならない。多様な障害者ニーズに対応したきめ細かな行政サービスが求められる。
基本方針
日常生活上の介助、生活環境における障壁の除去、所得保障等、生活の諸領域における支援サービスを通して、障害者の社会参加を促進していく。そのために障害の程度に応じてサービスを選べるようなシステムの構築を目指す。また障害者雇用を充実させることにより障害者が地域で自立して暮らせるような街になるよう務める。
5.交通
5-1 常磐線沿い
現況と課題
常磐線と道路の交錯部分は立体交差と踏み切りが主にだが、特に立体交差の場合道路部分が異様に狭くなり、交通渋滞とそれに伴う交通及び人身事故の危険性がある。
基本方針
道路の区画整備、道路部分の拡幅、信号機の設置棟の処置を施し、交通渋滞と危険性に対し柔軟に対応する。さらにその他の道路を新設し、交通選択肢を増やすことにより、多量な交通量を分散させる。<その際にはJICA-STRADAを用い分析する>
5-2 駅前周辺
現況と課題
神立・土浦・荒川沖駅前は交通量が多く、また駅と商業施設が一体化している。しかし、駅・商業施設利用者にとって安全な歩道が完全に整備されていない現状がある。
基本方針
駅前の歩車分離は商業機能を低下させる危険性がある。また道路幅の拡張も同様の結果を招く可能性がある。従って、道路に(なんらかの速度減させるハザードを設ける)
5-3 国道6号線
現況と課題
土浦市内の6号線は慢性的な交通渋滞(下図参照)が起きている。6号線は土浦市だけでなく茨城県と都心を結ぶ交通であり、その位置付けは重要となる。

左図はJICA-STRADAによる土浦市内の国道6号線である。赤線で括られた範囲は慢性的に、全体的に交通渋滞を引き起こしている国道6号線の様子がわかる。
基本方針
1車線部分を2車線にする道路幅の拡張、信号機による渋滞の削減のための主要道路との立体交差、反対車線の商業施設等の侵入を防ぐための道路中心部垣根の設置等を推進する。
5-4 中心市街地
現況と課題
中心市街地の活気・賑わいの低下により、人そのものが訪れなくなってきている。これは交通問題も大きな原因の一つに挙げられる。完璧な道路社会である土浦中心市街地において、人社会に移行する必要がある。
基本方針
商業施設、駅前施設、駅、駐車場問題と一体化した交通計画を推進する。
5-5 モール505
現況と課題
モール505の両側にある一方通行道路には路駐車両が多々あり、また車両も通行する。これは、モール505利用者の危険を促進しているだけではなく、景観としても阻害している。
基本方針
ロードハンプ(車の速度を落とすための凹凸上のハザード)を儲け、車両のスピードを極限的に落とす。そして、路駐車両を減少させるため、周辺駐車場とモール505の店舗との提携を目指すか、または一方通行道路を時間制限(例えば、7時から22時までは車両通行禁止)をかける等の対策を推進する。
5-6 つくばエクスプレス
現況と課題
2 005年秋に開業するつくばエクスプレスは、土浦市に対してその影響は多大なものと予測される。今まで、つくば市に行く人々は土浦駅まで東京から電車で行き、そこからバスで行くというルートも使っていることから、土浦駅利用者の減少が考えられる。また、つくば駅など、周辺に商業施設が建設されることから、土浦市の商業施設の利用者がつくば市の商業施設の利用者へと流出してしまうことも考えられる。結果、ますます土浦市の空洞化が進むことが予測され、土浦市はこの事態に対し早急な対策を講じなければならない。
基本方針
土浦市内の駅・商業施設の利用者を堅持するため、土浦市は駅と商業施設の一体化したソフト的な施策を推進する。様々な利用特典、サービスだけではなく、土浦市内の総合的且つ活動的なコミュニティの確立も同時に行い、土浦市の活性化を目指す。さらに、つくばエクスプレスと商業面・人道面等の様々な面においての提携を行い、県南地区の活性化を目的とした共存的且つ協調的な関係を築き上げることを推進する。