看板建築とは、昭和初期(関東大震災の復興期)に関東全域に広がった木造の商店の前面をモルタルや板金で装飾して、商店自体を看板にした建物。2階建ての商店を大きく、目立たせるための工夫のひとつで、統一されたデザインではなくそれぞれの商店が独自のデザインをし、ファサードがおもしろい。近年歴史的建造物として注目されている。
実際に静岡県三島市では、銅版張の看板建築「懐古堂ムラカミ屋」(かつての「村上洋品店」)が国の文化財建造物に登録されたことがきっかけで、空洞化が進む中心市街地のにぎわい復活に向けて、レトロを特徴としたまちづくりを行っている。
図 中心部に見られる看板建築の所在
中心部には右の地図のドットに示したような場所に、看板建築(ファサードに特徴のある建物も含まれる)が見られる。このように集中して見られるので、ファサードに特徴のある街並みをつくることができるといえる。
イメージ図 (石岡市の看板建築)
店舗の内部には商店のみに限らず、歩行空間に近く立ち入りやすいことを利用して、市民の情報センターや市の機能の一部移動、SOHOの場としての提供、また生涯教育講座やギャラリーとして使えるような多目的スペースとして利用する。
霞ヶ浦は琵琶湖に次ぐ日本第二位の湖であり、土浦市まちづくりアンケート(市民の50%近くが将来のまちづくりに活用してほしいと考えている)などを見てもわかるように市民は霞ヶ浦のことを大切な地域資源であると考えている。しかし現状としては水が汚い、臭いというイメージがありうまく活用されているとはいえない。そこでこれまで以上に霞ヶ浦を感じ、親しむことができるように、親水型レクリエーション施設の整備、霞ヶ浦に関連したイベントの開催などを提案する。
図.霞ヶ浦百景の写真(イメージ)
図.ごみ拾いの様子(イメージ)
霞ヶ浦の水質に関しては茨城県が科学技術庁の事業採択を受け、平成9年11月から5年間の計画で霞ヶ浦水質浄化プロジェクトを作り、研究を進めている。そこで、科学的側面からの水質浄化はそのプロジェクトに任せる。むしろ土浦市としては、これまでに挙げたように霞ヶ浦を活用することにより、市民が霞ヶ浦に親しみを持ち、市民一人一人の協力を得て、霞ヶ浦の水をきれいにするということを考えた。霞ヶ浦でキャンプをする、霞ヶ浦を望む場所を探し写真を撮るといった行動をすることにより、霞ヶ浦を身近に感じ、霞ヶ浦をきれいにしたいと考える市民を一人でも多く増やしていく。霞ヶ浦をきれいにするための市民の行動としては、まず毎日の生活(風呂、洗濯、食器洗いなど)における水の使用量、水質の悪化につながらない洗剤の使用などに気を使うといったことがある。細かいことであるが非常に重要なことである。また霞ヶ浦湖岸のごみ拾いといったことも挙げられる。
図.霞ヶ浦で泳ぐ人々(イメージ)
霞ヶ浦水質浄化プロジェクトや土浦市民(霞ヶ浦周辺のすべての市民)の心がけによって水質が浄化されていったとしても市民の「霞ヶ浦の水は汚い」というイメージはなかなか消えないだろう。しかし、霞ヶ浦で多くの子供たちが泳いでいたりウォータースポーツを楽しんでいたりする様子を見ればそういうイメージは解消されるであろう。そこで霞ヶ浦の水質が浄化され、人が泳いでも安全なレベルに達した時には水泳大会を開く、ウォータースポーツができる拠点を作るといったさらなる活用もしていく。
「統計土浦」 土浦市総務部総務課統計係
「まちづくりのための交通戦略」山中英生・小谷通泰・新田保次/学芸出版社/2000
「看板建築」 藤森照信/参照堂選書/1994
「路面電車が街をつくる−21世紀フランスの都市づくり−」 望月真一/鹿島出版会/2001
「都市と路面公共交通-欧米に見る交通政策と施設-」 西村幸格 服部重敬/学芸出版/2001
「路面電車とまちづくり−人と環境にやさしいトランジットモデル都市を目指して−」 RADCDA/学芸出版社/1999
「まちづくりアンケート」 土浦市/1999
「街の個性をどう読み解くか」塩見寛/静岡新聞社/2000
土浦市役所:http://www.net-ibaraki.ne.jp/tutiura/
路面電車を考える館:http://www.urban.ne.jp/home/yaman/
ひょうごLRT整備基本構想:http://web.pref/hyogo.jp/koutsu/lrt/lrt_top.htm
建物・街の文化探訪:http://livezone-www.chuden.co.jp/life/culture/c001/
宇都宮市 新交通LRTを活かしたまちづくりシンポジウム