2.基本計画

基本計画は基本目標に基づき、ネットワークの構築を各分野において検討し策定する。

1.いきいきとしたまちを目指す − 人でにぎわうまちづくり

1−1.市内の交流を深めるネットワーク

現在土浦市では都市公園にあまり人がいないといった現状や公民館などの施設は使用されていても利用者が限られていて、交流に広がりがないといった現状がある。そのためそこでの会話や賑わいがいまひとつ欠けていて、人間関係や人とのつながりが弱くなっているように感じる。

よって、この「1.いきいきとしたまちを目指す−人でにぎわうまちづくり」では人が顔をあわせて出会う仕組みを考える。特に対象としては市内での活動が主となるであろう高齢者・子供・各サークルや市民団体等に参加している人達が出会うことを目標とする。そのためには、公民館の有効利用、休日の学校、地域周辺の都市公園などを利用した多くの世代や立場の市民が来て参加するようなイベントや祭りなどの開催を行う。ここでは従来のイベントとは違い、多くの団体が参加できるようなフリーマーケットのようなもの等を想定する。そして、ここでは多くの人達が準備段階から顔を合わしていくようにする。そして、市はこうしたイベントを積極的にサポートし、また企業や商店等事業団体が参加できる余地があれば積極的に参加できるようにしていく。また、各団体や様々な世代や立場の市民が交流できるようにするための設備(ここでは主に端末機器等を想定している)を各公民館に設置し一般開放する。公民館職員はこれの使用方法やサポートをできるように教育する。このように魅力あるソフト事業の展開・充実、強化によって人々の交流を生み出し、いきいきとしたまちをつくっていく。

 


図7.市内の交流を深めるネットワーク概念図


図8.人気のない公園(木余地区)

(1)高齢者の活動を促すネットワーク

高齢者の活動を促すネットワークとして我々は以下の目標を掲げる。
・高齢者が家の外へ出て行ける都市を目指す。
・高齢者が新しいことに挑戦できる都市を目指す。

これら2つの目標は現在の土浦市が抱えている高齢者の増加といった問題を解決していくためにも重要な課題であるといえる。また、これらの人口割合の多くを占めていく高齢者が活動的暮らしていくことができる都市は市全体で見ても活力ある都市であるということができる。しかし、高齢者は高齢者だけで自立を目指すことは難しい。そこで、我々は「市内の交流を深めるネットワーク」というこのネットワークの中にこの高齢者の活動を促すと施策を落とし込んでいくこととする。

まずこれらの目標を目指すためには、外に出て行くきっかけが必要となってくる。そして、そのきっかけとはまずは出て行きたいと思うまちづくりをしなくてはならない。そうした具体的なまちづくりに関しては別に述べるとして、ここでは魅力的なまちやイベントがどのようにPRしていったらいいかということを考える。なぜならば、きっかけとはまず知ることから始まるからである。方法としては新情報システムとしてITによる情報発信が考えられるが、単純にはこれが広く普及していくことは難しい。そこで、土浦市は現在つくば・土浦・牛久による業務核都市として事業を展開しているケーブルTV事業を利用した情報発信を考える。無料放送による地域発の情報が各家庭に送られ、これによってイベントの開催や新しいサークルの情報やその活動等が伝えられる。そして、ここから情報を得て、それを活動のきっかけとする。

きっかけの次に重要となるのがそこまで簡単に行けるような交通整備などがされていなくては行きたいというインセンティブは上昇しない。そのため、福祉循環バスの導入を計画する。(ルートなど具体的な内容は重点整備計画内で触れる。)

高齢者が新しいことへ挑戦するためには高齢者一人の力だけでは困難である。そのため支援者の存在が必要となってくる。そこで支援ボランティアなどを地元小学校や福祉センターなどから派遣、参加させてサークル活動や祭り・イベントなどの参加を促していく。また、逆に高齢者からその長年培った経験や知識を若い世代へ教えていける場所もそこでは創出して、知識の交流等も目指していく。


図9.高齢者の活動を促すネットワーク概念

(2)子供同士の交流を活発化するネットワーク

現在土浦市では市内の小中学校で教育用ネットワーク事業を行っており、コンピューターを用いた情報関連の授業を各学校の特色を持たせた形で実施している。しかし、実態はインターネット上で公開されているが、1年以上も放置されていて更新されていないといった状況などが目につき、機能しているは言いがたい。しかし、コンピューターによる情報関連の授業やカリキュラムは今後ともこのコンピューターの普及に伴い重要性は増してきている。そのため発展性と将来性は非常にあるということが言える。そこでこの事業をさらに発展させていき、ゆくゆくは子供たちが市内やそれ以外、場合によっては世界中の子供たちとコンピューターやインターネットを通じて新しい世界を活発にかつ積極的に開いていくような市を目指す。


図10.インターネットによる学校間の交流

(3)サークル活動を促すネットワーク

サークル団体や市民団体による活動をより活発化するために、市はこうした団体に対して支援活動や援助等を行っていく。それにより従来まで細々としか活動できなかった団体や新たに団体を作りやすくすることを目的とする。またこうした制度を作ることで申請方法を市に直接問い合わせるだけでなく、申請した団体が他の団体にこうした援助を受けるための組織にどのようにしたら入れるか等を他の団体に教えることで交流が生まれる。また、組織改革や要望が市民の側からも発言できるようにするために加盟団体による会議や交流の場を創出することでさらなる交流も生まれる。こうした話し合いや交流の場等は前述の公民館等を利用する。また、こうした援助を受けるためにはイベントや祭りに積極的に何らかの形で参加しなくてはいけないといった規約を設けることでさらに市民が出会うことが可能になると考えられる。

また、サークル団体同士のネットワークとしては1団体ではできないような大規模なイベント等をこうした交流をきっかけに協力して開催する等のことが行われるように制度を整備する。


図11.サークル活動を促すネットワーク概念

1−2.産業を強化するネットワーク
(4)ネットワークの拠点

土浦駅前は既存の土浦市のネットワークの中心地として位置付けられてきた。しかし、近年その中心地としての駅前は衰退傾向にある。そうした状況下において、今回の我々の目指す新規ネットワークの構築においても土浦駅前は同様にネットワークの拠点として中心的存在になることは確かである。そして、従来のように多くの人が訪れる駅前空間でなくてはならない。そこで、この衰退した中心市街地を再整備し、魅力的な市街地形成を目指す。そして、魅力的な都市を形成し人が集まるこの地区から新しいネットワークの軸を発信させ、波及させていくのである。具体的な施策に関しては重点地区整備計画にて取り上げる。


図12.中心市街地整備計画構想

(5)商業のためのネットワーク

商業のためのネットワークの構築としては以下のようなことを目標として行う。
・バーチャルモールによる新しいビジネススタイル。
・IT分野への積極的参入を促すための制度作りや商工会との連携。
・職業再訓練場と専門学校との連携。

ITの利用ということは前述の通りであるが、これを商業の分野でも生かしていくこととする。具体的な方法としては、中心市街地にバーチャルモールセンターを設置する。バーチャルモールとは市、もしくは民間企業を中心としたWEBサイトのことでここでは市内の商店等の情報を閲覧することができる。それは単純にどのような商店がどこにあるかということだけではなく、オンラインショッピングなどによって市外の遠隔地などからも買い物することができるようになる。そのための電子マネー制度の導入も行う。またこのバーチャルモールの一番の利点になるものとしてはクーポン券の発行による割引制度や、サービス情報などの掲載である。これによって市民はパソコンから情報を収集して、それによって安くものを買うことができたり、駐車場の割引券やバスの回数券や割引券等を購入したりすることができようになる。そして、買い物の前には一回パソコンに向かい、情報を得てから買い物に行くようになる。そうすれば、自分の欲しい情報以外でも目に入った情報で自分には有益だと思えば、購買意欲も増し、バーチャルモール加盟店全体の利益となるだろう。

また、今回の我々の計画の中では他の分野においてもIT技術の導入を考えているため、市内のパソコンユーザーは増加し、相乗的効果もまた期待できる。


図13.バーチャルモール構想(市民視点)


図14.バーチャルモール構想(業者視点)

次にこれを使用者側ではなく、この制度に参入してくる側の立場から考えていくと、まずバーチャルモールを土浦市がIT関連企業の技術提供を受ける形でバーチャルモールセンターを設立する。そして土浦商工会等と協力し、協議会を設けこのバーチャルモールの制度やどこの商店・企業が参入してくるかなどを取り決める。そして、ハード面ソフト面ともに設立したところでバーチャルモールをWEB上に立ち上げる。また、ここでは商工会はIT関連に必ずしも強いとはいえないので専門学校等の教育機関と技術提携を果たした職業再訓練場等にて、IT分野の導入に積極的になれる人づくりを目指す。このように市内外の企業や教育機関などとのIT技術のネットワークを構築しバーチャルモールの設立を行っていく。そうすることで、中心市街地をはじめとする商業の衰退を防ぎ、新たなIT技術の導入によるビジネスチャンスの確保や新規雇用などをねらっていくものとする。

また、これに際して後述の業務核都市によるネットワークなども生かして、土浦市内だけにとどまらない技術提携等を行う。

1−3.ソフト事業によるネットワーク
(6)スポーツを生かしたネットワーク

現在土浦市では、毎年4月に『甦れ、霞ヶ浦、水はスポーツの源』をメインテーマに行われ、国内外の招待選手をはじめ、全国から14,000人もの市民ランナーが集まる。平成9年には、国内で初めて国際盲人スポーツ協会公認を受け「国際盲人マラソン大会」同時開催し、外国人選手153人が参加した。また、ここでは「体験する福祉」を謳い、伴走者やガイドヘルパーを募集し、水質浄化基金を設けるなど、積極的なテーマスポーツ大会として開催している。我々はこうした人々の注目しているイベントを高く評価し、またこれに次ぐスポーツ大会を企画する。


図15.霞ヶ浦マラソン大会

そこで、我々が考えたものとしては既存のサイクリングロードや後述の新規サイクリングロードを利用したロードレースの大会を企画する。新規サイクリングロード  は霞ヶ浦の湖岸に作り、霞ヶ浦マラソン大会における水質浄化といったテーマ性をここでも引き継ぐ。また、既存のサイクリングロードというのはつくば市へと続く自然の中を走るルートとなっているため、環境を考えるといったより包括的なテーマ性をもったスポーツ大会として運営していく。そして、水質浄化基金などをここでも実施していき、泳げる霞ヶ浦を目指す。


図16.ロードレース大会イメージ

なぜ、ここで我々が泳げる霞ヶ浦を目指すかというと、泳げない霞ヶ浦というものが環境水準としてイメージアップにつながる指標になると考えるからである。そして、最終的には霞ヶ浦が泳げるようになれば水泳、ロードレース、マラソンを生かした環境をテーマにしたトライアスロン大会を開催することができる。また、トライアスロン大会の開催を目指すことで土浦市内外にPR活動を行い、それが、現在ある霞ヶ浦マラソン大会やこれから行おうとしているロードレースなどのPR効果もあるものと考えられる。

また、こうした大々的なイベントを行うことで土浦市内に経済的な効果を与えることも可能であると考えることができる。さらに海外から招待選手なども招いたりすれば、メディアへの露出などからも街並み整備運動といったことも地元商工会と連携して自然に発生してくるものと考える。


図17.トライアスロン大会イメージ

2.うるおいのあるまちを目指す − 住みやすいまちづくり

2−1.生活基盤の整備

「2.うるおいのあるまちを目指す−住みよいまちづくり」ということで我々はインフラストラクチャーの再整備をネットワークシステムの中でできないかということを考えた。そこでネットワークの強化によって地域差を補う方法や道路ネットワークの問題解決やIT技術の導入といったことに関して2−1では触れていく。

(7)地域医療におけるネットワーク


図18.医療ネットワーク概念図

地域医療に際して重要な点として救急時に的確な対応がとれるかということであると考えられるが、ここではつくば土浦業務核都市の連携を利用し、つくば市にある大規模な医療施設であるつくばメディカルセンター等との連携を強め、協力関係を密にしていくことを目指す。このように地域特性を生かした連携関係を強めると同時にその中で24時間体制の緊急医療体制の相互協力を目指していく。

(8)交通によるネットワーク
 JICA‐STRADAによる分析


図19.2010年道路混雑将来予測(施策前)

上の図は2010年の道路混雑量を将来予測したものである。これによるとJR土浦駅周辺と国道6号、国道125号の混雑が激しいことがわかる。


図20.道路ネットワーク計画

そのため、我々の計画はこの南北方向の道路混雑を解消するために、東西方向に幹線道路をつなぐ新規バイパスを設定する。これは現在計画推進中である土浦新治線と土浦阿見線を実施するという形で行う。

土浦新治線とは国道354号と国道125号を土浦市内で北側を結んだもので、土浦阿見線とは国道125号と国道354号を南側で結んだものである。また、特に混雑のひどかった国道125号の阿見方面からJR土浦駅までに関してと、土浦北IC付近、JR神立駅前の拡幅道路整備事業を行う。


図21.2010年道路混雑将来予測(施策後)その1


図22.2010年道路混雑将来予測(施策後)その2

これによりJICA−STRADAの出力結果を見てみると土浦阿見線においてJR土浦駅に向かう国道125号の道路混雑がそれまで150%以上であった区間において100%以下にまで解消することができ、従来駅前を通っていた自動車等の通過交通を迂回させることができた。これによって道路混雑を解消させ、南北方向から東西方向へ迂回させることが可能であることが予測できた。

福祉循環バスの導入整備、サイクリングロードの整備

これらの項目に関しては後の重点整備計画内において触れることとする。

(9)ITを生かしたネットワーク作り

前述のITに関する項目を推進し、IT技術の導入をしやすい仕組み作りに取り組む。そして、各家庭にパソコンなどの導入をしやすくするためにも、市内の公共施設内にパソコンを設置して、常にそのパソコンが使用できるように職員の教育を徹底させたり、ナビゲーションシステムを構築させたりする。また、バーチャルモールセンターや公民館等でパソコン教室などを無料で開き、市民がパソコンやIT技術を生活の中で利用できることを目指す。

また、市内の統一カードを発行する。これによって、様々な利便性の高いサービスを受けられ、このカード1枚で情報検索や買い物時のポイントカードなどとしても利用することが可能となる。


図23.市内統一カード概念図

3.人を豊かにするまちを目指す − 資源をいかしたまちづくり

 

現在の土浦市は茨城県長期総合計画の中にある県南地域グランドデザインにおいてJR土浦駅を周辺とした地域を観光・レクリエーションの役割を担う地域として位置付けられている。しかし、現在の土浦市は観光を生かした資源がいくつも存在しているにもかかわらず、その有効利用はされきれていないと我々は考える。そこで、観光資源を中心とした保有財産のネットワークの強化を図ることとする。

3−1.資源の孤立化を解消するネットワーク
(10)水・自然・歴史を生かしたネットワーク作り

現在、土浦市には霞ヶ浦、宍塚大池などの自然財産や亀城公園、旧水戸街道などの歴史財産などを数多く保有している。これらを有機的の結びつけることによって観光客の増加を見込むとともに市民にとってもっと身近な存在となるように施策を実施する。


図24.土浦港


図25.宍塚大池

日本で第2番目に大きい霞ヶ浦では常時700隻停泊できるヨットハーバーなどがあり、マリンスポーツを行うことができる。また、霞ヶ浦遊覧船や夏季には観光帆曳き船等が運行している。しかし、夏季にのみに観光客が集中しているということが言える。また、自然資源として里山の残っている宍塚大池があるが、現在は保存方法等に問題を残している。


図26.亀城公園

土浦駅から歩いて数分に位置する亀城公園は歴史遺産としてかつての土浦城の本丸と二の丸の一部を整備した公園で櫓門は現存する江戸時代前期の建造物としては関東唯一のものである。また、霞門や南東側に移築された江戸時代後期の高麗門など、昔の城の面影を伝える貴重な歴史遺産であるといえる。

しかし、亀城公園を訪れる人はそんなに多くはない。

これらの観光資源を有機的につなげるために我々はこれらの街路空間を整備することでネットワークを整備していくこととした。そうすることでイメージを統一して、観光客や市民にとって観光資源がつながっているということがわかりやすい街路空間を創出し、イメージアップを図る。

具体的な施策としては、駅前を中心として捉える。歴史ゾーンでは駅から歩いて行ける距離に亀城公園があるのでそこまでをストリートファニチュアを中心に整備する。(歴史ということで街灯、ガードレール、ベンチを木のような素材またはそれを匂わせるもので整備する等)


図27.水・自然・歴史を生かしたネットワーク

自然・水ゾーンでは駅東から(国道125号線)宍塚大池から、霞ヶ浦総合公園までの道のりを道路利用者を対象にして、自然ゾーンということで街路樹を中心に整備する。(イメージとしてはつくば市内の国道408号線や西大通りの高木で統一された街路空間等、土浦市では市の木などを使うことが考えられる。)

4.まわりとつながりのあるまちを目指す − 周辺地域とともに歩むまちづくり

4−1.他の自治体とのネットワーク
(11)自治体とのネットワーク


図28.他の自治体との連携概念図

土浦市では現在これまでに水の郷百選都市や世界湖沼会議等に参加したりするなどして、他の自治体や世界の都市と環境、特に水環境に関する分野で深く関わってきた。これは霞ヶ浦を中心とした土浦市の豊かな自然環境を近年悪化させてしまったことによって始まったことである。現在日本を問わず世界の多くの地域でこうした水資源に対する関心は高まっている。こうした状況下において土浦市はこうした国内外の多くの地域との連携関係を密にしていき、こうした環境問題を解決していける自治体を目指す。そして、これらの他の自治体や地域においてリーダーシップを発揮できる市を目指し、事業展開が市内にとどまらず他地域へと波及することもまたねらいの一つとする。


図29.水の郷サミット

[水の郷百選都市]

水の郷百選とは、水環境保全の重要性について広く国民にPRし,水を守り,水を活かした地域づくりを推進するため,地域固有の水をめぐる歴史・文化や優れた水環境の保持・保全に努め,水と人との密接なつながりを形成し,水を活かしたまちづくりに優れた成果を上げている107地域を,「水の郷百選」として,国土庁が認定したものである。そして、水の郷に認定された市町村は「全国水の郷連絡協議会」を組織し、水環境の保全及び水を活かしたまちづくりに関する活動についての普及啓発・情報交換を図るため、水の郷サミットを平成7年度から毎年実施されている。


図30.世界湖沼会議

[世界湖沼会議]

現在、周辺地域の人口増加や工業化などの開発により、自然の湖が本来持つ多くの機能が失われているという危機感から、昭和61年月21日、『国際湖沼環境委員会(ILEC) :International Lake Environment Committee』が設立され、翌年の昭和62年9月1日には環境庁および外務省の共同管轄による財団法人となった。ILEC(国際湖沼環境委員会)は、世界の湖沼環境の健全な管理とこれと調和した持続的開発の在り方を求めて国際的な知識交流と調査研究推進を図る機関である。現代の国際化ボーダーレス時代において我が国の重要課題の一つである「環境保全」の面で国際協力推進を行う事を活動の目的としている。

世界湖沼会議はILECとその開催地域の現地機関とが協力して開催しているものである。そして、1995年10月つくば土浦において第6回世界湖沼会議が開催された。この時の運営形態としては、自治体などの行政と地域住民、筑波大学など学者、研究者協力し、自治体が推進していくという形で行われた。参加状況は76カ国・地域、4国際機関から、内外8000人を超えるものであった。会議の内容は今後の湖沼環境のあり方において、「霞ヶ浦宣言」が採択されるなど、霞ヶ浦を中心とした世界にアピールする内容であった。我々はこうした世界との連携の中で湖沼環境に関する世界規模のネットワーク作りをよりよいものへと強化する必要があると考える。そして、そうすることで自立した国際交流ある都市を目指す。

[土浦・つくば・牛久業務核都市]

業務核都市とは、東京都区部の一極集中を是正するために、業務・教養文化・レクリエーションなどの都市機能を導入し、東京圏における広範囲な自立都市圏の中核都市として育成・整備していく都市である。平成5年2月に、土浦市・つくば市・牛久市及び茎崎町の区域が「土浦・つくば・牛久業務核都市」として国の承認を受け、首都圏の中核的な都市として、引き続き、業務、商業、研究開発、国際交流などの機能の導入を図るとともに、居住、教育、文化などの機能の充実と自然環境等の特徴を生かし、広域的な地域の発展を促進する先導的な役割を果たす地域として位置付けられている。

前述の第6回世界湖沼会議ではつくば市の国際会議場等が会場として使用されるという背景がある。このようなことからも今後世界的な交流とネットワーク作りを進めていく上ではこれらの周辺地区、その中で特に土浦・つくば・牛久業務核都市は非常に重要な連携関係が望まれる。今後ともこのネットワーク・連携関係を重視し、首都圏における茨城県南部の経済社会生活圏として市内にとどまらない広域的な都市の整備を目指す。

[未参加のネットワーク]

環境問題を考える上で自治体のネットワークは他にもいくつかあり、環境ISO自治体ネットワーク(Networks of Environmental ISO for Local Authorities =通称“NEILA(ネイラ)” )や、環境自治体作り懇談会などがある。これらはどちらも自治体が主体となってどのようにしてこの環境問題の扱いを行政だけでなく、市民や事業所、企業などにも考えさせ、方策を採っていくかを検討し、調査、研究しているネットワークである。

現在の土浦市においてこれらの水や環境に対する考えをどう市民レベルまで波及させていくということが課題であると考える。我々はこれらの自治体ネットワークに積極的に参加し、深い連携を取っていく必要があるだろう。