筑波大学社会工学類
都市計画実習3

実施計画



第2節 重点整備計画



  1.中心市街地の活性化


1−1.復活!モール505

(1)事業目的

モール505は、全長505メートルで日本最大級のショッピングモールである。しかし、高架の陰になり、夏休シーズンに学生らが涼みに集まる他は、日中でも賑 やかさが見られず、土浦駅周辺の商店街同様、活性しているとは言い難い。
集い学べるコミュニケーションの場として活用するのみならず、本来の目的である商業的要素を含むことで、昼間の中心市街地の活性化を促す。

(2)事業内容

モール505にカルチャーセンターを設置する。有閑な主婦や定年を迎えた人々向けの生涯学習の場とする。昼間に人を集め、夕方の帰宅前に中心市街地で買い物をすることにより、商店の活性化を目指す。

料理教室やクラフト教室で、土浦市の名産物にちなんだ作品等を作り、定期的に、それらを一般に売り出したり、展示する機会をつくる。そこで市民のモール505への注目度を高め、また、収益によるカルチャーセンター維持を期待する。

  
写真1.モール505イメージ


1−2.チャレンジオフィス

(1)事業目的

中心市街地において、ベンチャー企業を積極的に受け入れることにより、新しい職場の確保と駅前の活性化をねらう。

(2)事業内容

ビル事業者と、そのビルへ入居を希望するベンチャー企業の仲介役を市が行う。
まず、土浦市が対象ビルを認定し、そのビルへは改修費の補助を行う。次に、入居を希望するベンチャー企業を認定し、ビル賃料の補助を行う。そして、ビル事業者とベンチャー企業の間で契約を結び、晴れて企業は開業できる。


  
図3.チャレンジオフィス 概要図

@ 対象ビルの認定

原則として、土浦駅前を中心とした中心市街地の商業地域のオフィスビルとする。(神立駅前および荒川沖駅前は、今後実施の可能性を多分に含む)
入居を希望してきたベンチャー企業を、土浦市・学識経験者・商工会議所などで構成する審査会が審査し、最終的な認定は土浦市が行う。

A 入居企業の条件

a.事業内容に、将来性や成長性が認められ、企業自身も挑戦的に業務に取り組む姿勢が認められること。
b.土浦市にある資源を利用する企業や、また資源を活かすことを目的とする企業はより望ましい。


1−3.商店街対抗バーゲン

(1)事業目的

消費者の声を、直接店舗や商店街に反映させることで、商店街が発展すると同時に、消費者としての市民が中心市街地に直接関わりをもつ。これは、市民一個人も中心市街地の活性を意識し体験することにつながり、地元への興味の高揚、愛着の形成を促す。

(2)事業内容

一年のうちのある一定の期間(例えば4月中旬から5月中旬)を、バーゲン期間として定める。この期間において、参加商店街の中で最も大きな売上げをあげた商店街に、「今年の土浦市の商店街の『顔』」という称号を贈呈する。この『顔』の称号は、土浦市が市内の商業や中心市街地などを市外に紹介する際に、「土浦市の『顔』となる商店街」として、商店街名を大きくとりあげることを中心とする。
また、事業開始時の原則としては、中心市街地の商店街を参加対象商店街とする。


表1.参加商店街一覧

駅ビル商店会
本町通り商店会
土浦駅前商店街振興組合
川ロー丁目商店会
中城商店街振興組合
公園ビル商業協同組合
ザ・モール505商店会
さくら通り商店会
川口商店会
中央商店会
上浦名店街
中央大通り商店会
ウララ
桜橋商店会


1−4.@wife line

(1)事業目的

土浦市のとりくみ、地域情報をより多くの人に、より身近に受信してもらうために、市民に制作を任せた広報テレビ番組を土浦市民に提供する。
その拠点としてのケーブルテレビ局を中心市街地にある旧小網屋に開設し、中心市街地の活性化を図ると共に、後述の「まちの駅」などと連携して、市の情報化も図る。

(2)事業内容

主体としては、一日のうち市内で活動する時間が最も長い主婦を対象とする。

行政の情報の他、商店の商品情報や、また主婦ならではの家庭料理レシピや、主婦の家庭の近所の視聴者の声等、身軽と感じられるような生活に密着した情報を発信する。自分が、また身近な隣人がテレビに出る・または自分が参加するということで、市民の情報に対する注目度を高め、受信側と発信側の相互理解を深めることをねらう。
また、主婦だけではなくボランティアも大きく制作に携わる仕組みをつくり、ボランティア活動の様子を放送し参加を呼びかける機関としても、整備を進める。
インターネットユーザーが多い今日においては、広報テレビ番組の放映の他に、インターネット放送という手段もあり得る。





2.コミュニティバス(ウーバス)の導入

(1)事業目的

市を(交点をもつ)4つのゾーンに分け、コミュニティバス(ウーバス)を導入する事で、各ゾーン内、ゾーン間のアクセス方法を確保し、市内の回遊性を促す。また駅前の渋滞を緩和し、交通面の利便性を向上させ中心市街地の活性を促す。

(2)ウーバス概要

表2.ウーバス概要

バスルート@中心市街地巡回:1ルート
A各地域巡回:3ルート
ゾーン設定まず中心市街地含む半径2kmのゾーンを設定、この円と交点を持つよう左図の通り3つの半径2kmのゾーンを設定
必須停留地点病院、老人福祉施設、公民館、図書館、幼稚園、郵便局
乗車運賃100円(ワンコイン)
…市が中心的役割、利用者と中心市街地商店街の受益者負担を伴う
運行目的中心市街地巡回:パークアンドライド
各地域巡回:福祉循環バス



(左)図4.ウーバス走行範囲イメージ (右)写真2.ウーバスイメージ


(3)関連事業内容

@中心市街地キャッシュバック
…商工会議所主催によるTMO(タウンマネジメント)とコミュニティバスを連携させて、バス料金の支払いをワンコインやDebitカードなどにし、さらに中心市街地商店街での買い物の金額に応じてキャッシュバックを行う。


図5.キャッシュバック機能をもったバス料金システム



A乗り換え・乗り継ぎ優遇性もしくは無料
…コミュニティバスからコミュニティバスへの乗り継ぎの際に、乗り継いだバスの初乗り運賃を無料にして乗り継ぎの優遇性にする。


図6.乗り換え・乗り継ぎの優遇性



B病院とコミュニティバスの連携
…病院とコミュニティバスの連携によって、病院の医療費に応じてバスの運賃がたまり利用できる。


図7.病院との連携



C利用することで増えるポイント制
…コミュニティバスを利用するごとにマイレージがポイントとしてたまり、一定のポイントがたまると、そのポイントに応じて中心市街地商店街限定の商品券と交換できる。


図8.中心市街地との連携



D福祉タクシーの運転
…高齢者向けの在宅介護用ワゴンタクシーとしての福祉タクシーや、幼稚園児お迎えのサービス代行を行う保育タクシーを走らせる。


図9.福祉タクシーの運転







3.まちの駅

(1)事業目的

バス停を「まちの駅」と称して、情報受信・発信の機能をもたせることにより、市民が情報により触れやすくすることをねらう。情報を受信しやすくなり知識が高まる事で、暮らしの利便性の向上を促し、また「まちの駅」を通した市民同士の新たな交流をはかる。と同時に、ウーバスとの相乗的成長をねらう。

(2)事業内容

@広報誌、機関誌の配布
…市政だよりや常陽リビングに加え、年代別の機関誌を配布し、市・地域ごとの交流に加え、同年代との交流をはかる。

表3.まちの駅事業 計画案概要

対象機関誌名掲載内容筆者
小学生さくら自校の紹介・自慢、学校行事の報告
(書初め、合唱コンクール、自由研究など)
市内の小学校が
毎月交代で発刊
中学生わかば自校の紹介・自慢、学校行事の報告、
地域との交流など
市内の中学校が
毎月交代で発刊
高齢者もみじ趣味(俳句、習い事・教室)、医療情報、
交通機関の時刻表


A地域に密着した情報の提供
…イベント情報や食情報、リサイクル情報など、生活に密着した情報を、出来るだけ更新し常に新しい情報を提供することを目的とする。そのためには、市から一方的に提供するのではなく、市民からの情報提供が多分に必要となる。このことに対し、まちの駅に掲示板もしくは情報BOXなど情報収集機能を備え、市が毎日その情報を回収する。


写真3.まちの駅計画 イメージ






4.ロータスバルーンフェスティバル【Lotus Balloon Festival】

(1)事業目的

土浦市では全国花火競技大会が行われる。市民が土浦らしさを感じる大きな行事である。霞ヶ浦を臨むという地理的特徴と、高層建築物が少ないという景観的特徴から、空が広い街であるといえる。
大正時代、霞ヶ浦沿岸に海軍の講習部が敷かれ、東洋一の航空部隊となった。昭和四年に国際親善使節としてドイツの大飛行船ツェッペリンが飛来する。飛行場は30万人の熱狂的な歓迎で埋め尽くされたという。昭和六年には、大西洋無着陸横断、アメリカ大陸無着陸横断で知られる飛行家のリンドバーグが愛妻を伴って飛来した。世界に開かれた航空基地を持つ歴史的特色もある。
以上のようなことから、空も土浦らしさの一つと考え、空を活かした新しいイベントを開催する。熱気球は大勢の人の手を必要とするスカイスポーツであり、雄大でカラフルな姿は、広告性も強い。熱気球大会を実施することにより、市民の愛着を深めると同時に、土浦市のアピールを目的とする。


図10.事業目的


写真4.夜のバルーンフェスティバル


写真5.バルーンキャンドルと花火


(2)事業内容

気球大会は地域内・外に土浦らしさをアピールし、市民が、愛着をもって土浦市に住み続け、まちづくりの運動の主体であるという意識を高めることを狙う。多彩な参加形態を提案し、誰でも関ることのできる大会を目指す。

(3)参加形態と効果

@サークルを市民で構成
…世代を問わずサークルを構成し、乗員・地上クルーとして大会に参加する。

Aミニ気球大会
…小学校から高校のイベントとして、ビニールを使った気球大会を開く。
小さい頃から気球の知識と、気球大会に対する愛着を深める

Bフェスティバル開催中、受け付けや事務作業として参加

Cその年の商店街対抗バーゲン優勝店舗の名前を、気球で宣伝

Dバルーン俳句大会
…優秀作品は気球に描かれる

E他地域からの参加者との交流
Fスポンサー商品の情報
…大会のスポンサーは行政が探す。大会時、スポンサーの商品をパンフレット等で知ることができる。スポンサーとして、生活に密着した先進的商品(福祉関連の情報機器など)を扱っている企業を選考し、市民生活の情報収集の手助けをする。

上記のような参加形態を提案することにより、子供からお年寄りまでの様々な人が、たとえフェスティバル当日は参加しなくても、関わることができる。参加の方法を広げることによって、市民が一人一人まちづくりに関わっているという意識を持つ効果がある。




写真6.バルーンフェスティバルへの参加


(4)熱気球大会の実現性

a.気球を上げられる条件

@風が穏やかであること
A5キロ圏内の平野部があること
B飛行航路にぶつからないこと

b.土浦市における気球大会開催の可能性

@時期 : レンコン畑が未使用である3月中旬〜4月中旬
A気象 : アメダス気象データによると、風速は一年を通して穏やかである。同じ茨城県の古河市では気球大会が開かれており、気球の飛行圏である気流は問題ないといえる。気球は地上1キロ圏内を移動するので、10キロ以上上空にあるジェット気流に乗って太平洋へ流される心配はない。
B飛行空域の問題
○自衛隊百里基地の返答
「基地にはイベント開催の許可云々の権限はない。訓練空域だからという理由で気球大会を開けないというケースはない」
  訓練日を避け、高度を確認すれば、問題はないといえる。






5.農業政策

(1)事業目的

農業者は、後継者の問題や、兼業農業者においては仕事の両立・収入の確立等、農業の継続について悩みを抱えている。土浦市においては僅かながら、不景気の影響で企業を辞め、U・I・Jターンして農業を継ぐ若者が増えている。農家の八割を占める兼業農家に対する措置と、新しく農業を始める人に向けた制度が望まれる。

(2)事業内容

@農業者の妻が働けるように、販売加工センターを建設し、パート口を増やす。
U・I・Jターンした農業者についてきた家族が、農家の暮らしを始めやすい環境をつくる。

A有機栽培など産業品のブランドイメージを高めるための農薬やパッケージをてがける企業が、地域の農家と協働する。

B農業を兼業している社員には特別休暇などの優遇措置を、企業側に促す
市が特別手当等を助成することにより、兼業農家が働きやすい企業を地域で育てる。

C兼業農家の販売ルートを確保する
…農作物は農協で一括集荷というのがほとんどのケースである。しかし、大規模な専業農家がどうしても有利な状態にある。したがって、兼業農家の作物を集荷する販売ルートを、農協と共同で設立する。






6.高齢者福祉

(1)事業目的

まちづくりアンケートより、高齢者は老いや病により健康が失われることに対する不安が大きい。自宅から医療施設へ通いやすいことを望むと同時に、自分や配偶者の病が進んだ場合は自宅で医療サービスを受けられることを望んでいる。交通や医療施設の整備に合わせて、在宅医療サービスの充実が必要である。
一方で、高齢者社会を迎え、定年退職した後も、仕事をもち社会で活躍したいという意識も高まっている。高齢者が社会へ出ることを推奨し、地域全体で支えあうという意識を向上することも目的とする。

(2)事業内容

@在宅医療
…医療サービスは情報化が始まっている。システムパートナー(SP)制度は、自宅と医療機関、自治体等を結ぶ情報システムを配備し、介護保険制度の認定作業を簡略化したり情報を得られ易くすることにより、高齢者の負担を軽くする。
「バーチャルドクター」は、インターネットを使い、メールのやりとり・インターネットテレビの使用により、医療的な相談ができる。
これらの制度の導入には、情報機器の整備が必要であり、そのためには地域に密着した有力な販社と、情報機器を購入する際の金銭面・技術面のサポートが必要である。
ただ、これらの制度は医療的な相談ができるにとどまり、医療行為はできない。しかし、セカンドオピニオンとしての活用、病院の混雑改善につながる。

Aシニアワークプログラム
…地域の事業主が主体となって、高齢者を対象とした造園や清掃などの特定の技術についての講習会を催す。この講習会の参加料は無料で実施し、技能を終了した人には、事業主体や公共職業安定所が共催で面接会を開き、就職を促す。その後は一般に向けて仕事の依頼を募集し、技能修了者には継続的にアルバイトを周旋する。
働きたいという意欲のある高齢者には積極的に社会へ出る機会を提供し、市民が第二の人生を豊かに過ごすことを目指す。








連絡先:2001年度 実習6班