基本構想
近年地方都市の衰退化は社会的な問題となっており、土浦市もまさにそういった都市のひとつである。
様々な衰退の原因は絡み合っているため、各々の問題点にそれぞれ一つずつの解決策をあてることは、現実的ではない。
そこで、前項の基本構想で挙げた四つの構想を、複数の計画が多角的にアプローチする方法を考えた。そして原因を解決する
のみならず、連関する数々の施策のサイクルによって、新たな進歩が持続可能となるような計画を策定することに至った。
| 政策名 | 内容 |
|---|---|
| 商業政策 | 中心市街地の回遊性を高め市内全体への波及効果を促進 |
| 農業政策 | レンコン農業を支える(兼業)農家を支援・継続できる環境の整備 |
| 工業政策 | 既存工業の保全・発展と、交通の利便性が大きい土浦北インター付近・水運として霞ヶ浦を活かす企業の誘致 |
| 住宅政策 | 生活基盤の再構築と情報施設整備による良好な住環境形成 |
| 交通政策 | コミュニティバスによる公共交通のサービスレベル向上、地域・中心市街地の活性化 |
| 福祉政策 | 高齢者が安心して生活できる福祉政策・個人生活スケールに目を向ける施策 |
| 情報化政策 | 「まちの駅」により、暮らしの利便性を図ると共に、新たなコミュニケーションの場を提供 |
| コミュニティ政策 | とまたの市民の市に対する愛着の形成を目的とした、まつりや花火大会など、伝統行事の継承および新たなイベントの企画、開催 |
土浦市は、江戸と水戸の中間地点という優位な位置と、霞ヶ浦湖岸という水運の要地であったこともあり、城下町として商業を中心に栄え、茨城県南部の中核都市として発展を遂げてきた。 しかしながら、現在の中心市街地は企業の撤退と相次ぐ倒産によって、空洞化を強める一途となっている。そこで、市民の中心市街地での購買意欲を高めるため、商店に魅力ある集客性を作り出す。そして、中心市街地での賑わいを取り戻すことによって市内全体への活性効果をねらう。

土浦市の主要産業である茨城県(霞ヶ浦周辺)は収穫量が全国第1位で、東京市場への年間出荷量の9割を占めている。土浦市もその例にもれることなく、レンコン農業は主要産業である。土浦の「味」であるレンコンを守るためにも、レンコン農業を支える農家を支援し、継続できる環境を整える。農家の八割を超える兼業農家と、U・I・Jターンして新しく農業に就く人とその家族を中心に、生活負担の軽減施策を提案する。
A 農業計画

土浦市の工業は、昭和38年に首都圏整備法による都市開発区域の指定を受け、工業都市の開発構想のもと、住宅都市整備公団により市北部の神立、中貫地区を中心に170haの工業団地が造成された。その後京浜、関西方面などから、機械、金属、鉄鋼などの重工業の他、食品、化学などの大、中企業32社が進出し、工業都市として発展する基礎ができた。現在、先端技術産業の誘致と中小工場の集団化を図るべく、土浦市北東部の小山崎と今泉地区の約41haに土浦北工業団地が造成され、新たな企業が進出しつつあり発展が見込まれる。
B 工業計画
この傾向を受け、今後は交通の利便性が大きい土浦北インター付近の整備を進め、既存工業の保全・発展を図る。また、水運として霞ヶ浦など水環境を活かせるような、土浦特有の新たな企業の誘致・発展を図る。
幾つかの住宅団地が存在する土浦市だが、建設時から30年近くが経過した今、建物の老朽化および入居者の高齢化が問題となっている。新しい入居者をよぶには、これら住環境の整備が欠かせないが、既存の住宅地には貴重な自然や伝統的住宅も数多く残る。
C 住宅計画
そこで、今後の住宅計画としては、既存の住宅地を活かすリニューアルの検討と、それに伴うリニューアルや新築を促す政策の制定、また周辺の生活基盤を再構築することでより良い住環境の形成を目指す。広域的には開発よりも保全を目指し、歴史ある住宅地の再生を支援する。また地域的には住宅の規格化による新築費の軽減や、情報化推進施策による住環境の向上を目指す。

土浦市には、南北軸として国道6号線・常磐自動車道とJR常磐線といった東京と茨城以北を結ぶ大幹線が通っており、東西軸として国道125号線・国道354号線といった茨城県南を結ぶ幹線が通っている。また、土浦市の経済活動に影響を及ぼすと考えられる首都圏中央連絡自動車道の計画も具体化され、土浦市は県南地域における交通の結節点として位置づけられることが分かる。
D 交通計画
D−1 土浦の交通

D−2 JICA−STRADAによる分析
JICA−STRADAの交通量分析によって、全体的な土浦市と周辺都市とのつながりをみたところ、土浦市が東京・埼玉・千葉といった南部の都市と、土浦以北の北部の都市とつながりがあり、さらに土浦がこの南部の都市と北部の都市をつなぐ重要な拠点のひとつになっていることがわかった。
また、細かく土浦市と周辺市町村とのつながりを見てみると、東西軸としてつくばとのつながりが強く見られ、南北軸では南の阿見町・牛久市・龍ヶ崎市と北の千代田町・石岡市とのつながりがみられた。

D−3 土浦市及び周辺部の道路混雑度
また、平成22年度の元データを現状と考え、現状における道路の混雑度を分析したところ、中貫交差点や中心市街地や、これらを通る国道6号線や国道125号線に高い混雑度が見られた。
さらに、計画道路整備後を平成22年と考え、平成22年における道路の混雑度を分析したところ、国道6号線の混雑度が解消されたが、中貫交差点や中心市街地とそれを通る国道125号線の混雑度は依然として高いままであった。

D−4 土浦市および周辺部の道路混雑度の変化
現状から計画道路を整備した将来の平成22年度においても多少の混雑解消もみられたが、依然として混雑度の高い道路が存在している。

D−5 交通計画方針
このように、混雑度解消のために新たに計画道路を整備しても混雑度が解消されないことがわかった。ゆえに、道路交通計画として新たに道路を新設・拡幅するのではなく、コミュニティバスの導入など公共交通の利便性を向上させる。これは、省エネルギー・バリアフリーの観点からの自動車利用の抑制を図ると共に、地域・中心市街地の活性化および高齢者の生活利便性の向上を目指す。
ここ数年、将来における日本の超高齢化がさけばれており、土浦に関しても高齢化の傾向は強く、今までのような高齢化対策での対応は難しい。そこで、高齢者が安心した生活をおくれるよう医療機関サービスの充実を目指すと共に、高齢者がより社会に参加しやすいようにシニアワークプログラムの構築し、仕事の周旋についての施策を提案する。また、生涯学習に向けた取組みも行う。
E 福祉計画


現在土浦市には、ケーブルテレビ局J-COM Broadband 茨城が存在する。この放送局は、インターネットや電話と提携した一括的な情報機関であり、全国的に展開されている。ユーザーは、主にネットユーザーが予想され、ケーブルテレビの視聴を第一の目的とは考えにくい。しかし近年において、ケーブルテレビ加入者は増加の一途をたどっており、新たな情報機関としての可能性が期待できる。
F 情報化計画

土浦市には、既に70回を数える全国花火大会の開催地である。この花火大会は、土浦にある神竜寺住職故秋元梅峯和尚が、商店街の振興と絢職者慰霊を目的に霞ヶ浦湖畔で個人的に開催したことがきっかけである。今では土浦の秋の風物詩として、市民の市外の多くの人々にとって、大切な存在になっている。(まちづくりアンケートより、図14参照)
G コミュニティ計画

