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ここでは、将来都市像で述べた「理想とする」土浦像の創出に向けて行う、具体的な施策の詳細について述べます。
1. Area
これからは、人口増加があまり期待できず、市街地の更新・集約がポイントになると考えます。そこで、土浦市全体としては、以下のような土地利用をめざします。
(1) 自然環境と調和した土地利用
(2) 既存の住環境の改善によるアメニティ性豊かな土地利用
2. Line
コンパクトでエコロジカルなまちづくりを目指し、スムーズな交通体系を確立します。具体的には、以下のような施策を行います。
(1) 公共交通機関の充実
自転車の普及に合わせ,バスを中心とした公共交通機関の充実を図ります。その際、パーク&バスライドの推進のため、バス停での無料駐輪場の設置を行います。
(2) 慢性的渋滞緩和プラン
自動車に頼らないまちづくりを進める一方で、自動車はこれからも人々の足としての役割を担っていくことは避けられないと考えられます。しかし、いくつかある重要な幹線道路の中には、慢性的な渋滞が起こっており、スムーズな自動車交通を妨げています。そこで、特に渋滞の激しい国道6号バイパス付近、国道125号において、道路幅員の拡大を行うこととします。
詳しい整備区間と、整備成果は以下のようになっています。
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区間 |
混雑度(交通量/道路容量) |
|
|
|
幅員拡大前 |
幅員拡大後 |
|
@国道6号中貫〜中貫南 |
5.93 |
2.75 |
|
A国道6号バイパス |
4.15 |
2.42 |
|
B国道6号若松町〜神社口 |
2.26 |
1.59 |
|
C国道125号神社口〜千束町交差点 |
4.30 |
2.25 |
表.3.1 幅員拡大による混雑緩和

図.3.1 幅員拡大前後の混雑度
3.Healthy
誰もが生きがいを持って、人生の様々なステージを楽しめるまちを目指して、以下の施策を実行します。
(1) 子育て支援施策
子育て支援施策としては、少子化が進行している現状を深刻視し、安心して子供を生み育てることのできる社会の構築が重要であると考えます。そこで、共働き家庭が増加しているにも関わらず、働きながら子育てをする女性を支援するしくみがないということを一番の問題であると捉え、安心して子供を預けることのできる受入体制づくりと、安心して働くことのできる企業づくりの2つの面から、子育て支援環境整備を促進します。

図.3.2 子育て支援施策
○ 保育所情報公開制度
市内の保育所の空き情報や、保育方針など、お母さんにとって気になる情報をまとめ、保育所マップとして作成します。現在ホームページで公開しているものの情報を更に充実させる形で、ネット上でも情報を提供していきます。
○ 安心託児所システム
現在は、共働きの家庭も増え、幼いうちから託児所などに子供を預け、働きに出るお母さんも少なくはありません。同時に核家族化の進行は著しく、共働き家庭にとって、保育所や託児所の存在は欠かせません。生きがいを持って、自分らしい人生を送るために女性が働くことは推奨すべきことですが、最近では、託児所での子供に対する暴力等、他人に子供のすべてをまかせる、ということから起こる不安材料は数多くあります。

グラフ.3.1 一世帯当たり人員推移

グラフ.3.2 世帯人員別世帯数推移
そうした不安を解消するために、「安心託児所システム」を導入します。このシステムは、子供を預けるお母さんに対して、ボランティアで保母をしてくださる方を募ります。そうすることで、託児所の雰囲気を自らつくっていく立場にも回ることができ、また、安心して子供を預けることができる、という情報を得ることができます。もちろん勤務状況等には、個人差があるので、ボランティアができる、という人は限られてきます。そこで、ボランティア回数に応じて、保育料を割り引くという制度とします。詳細は表のようになります。

表.3.2 安心託児所システム概要
○ 優良企業表彰制度
子育て支援として、市内にある企業の中で、共働き世帯にやさしい制度を設けた企業を選び表彰する制度を設けます。表彰された企業には、子育て有給休暇の一部を負担することとします。選考基準と賞与の割り当て率は表の通りです。
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選考基準 |
得点 |
|
|
子育て有給休暇制度がある(妊娠時) |
半年 |
+1 |
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一年 |
+3 |
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子育て有給休暇制度がある (子育て時 0〜5歳) |
1週間/年 |
+1 |
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2週間/年 |
+3 |
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3週間/年 |
+5 |
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5時間勤務制度がある |
+3 |
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それらの制度が男性にも認められている |
+3 |
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表.3.3 優良企業表彰制度
(2)高齢者支援施策
高齢者支援施策としては、病気やけがなど、身体上の不安からお年寄りを守る医療保険制度の充実と、自分らしくいきいきと精神的な健康を保つための社会づくりに取り組みます。

図.3.3 高齢者支援施策
○ 医療保険制度の充実
お年寄りだけでなく、障害を持った方や未就学児童などを対象に医療保険制度の充実を図ります。
○ ふれあい拠点づくり
高齢者の方が生きがいを持って生きるためには、自分の培ってきた経験や知識を活かせる場の提供や、新たな知識を吸収できる場を提供、すなわち、生涯学習の場を設けることも重要ですが、それに加えて、同年代の友達や様々な世代の人々と触れ合える場を設けることも大切です。そこで、土浦駅前に設置する社会福祉センター及び人人ストリート(詳細は後ページ参照)をはじめとして、地域に根ざしたふれあい拠点づくりを推進していきます。
○ 公共施設・公共交通機関のバリアフリー化
お年寄りや障害を持った方が、自分らしく自分の力で生活を送るためには、若者や健常者と同じような活動ができる公共空間の構築が欠かせません。そのため、公共施設や公共交通機関をバリアフリー設計とし、建物内・都市内での移動を容易にします。
また、自転車を中心としたまちづくりを進める土浦市では、自転車に乗れない方を対象とし、タウンモービルなどのコンパクトな代替交通機関の導入も検討していきます。
4.Ecological
歴史・自然を身近に感じ、潤いややすらぎを感じることのできるまち、快適でゆとりのある市街地・住宅地環境の創出を行い、市民自らが育成に参加できることのまちを目指し、以下の施策を行います。
(1)美しいまちなみづくり
現在ある住宅地を快適でゆとりのある潤いあふれる空間とするために、以下のような施策を展開します。行政が中心となるのではなく、市民一人一人がつくりあげ、愛着を持ったまちなみ形成を目指すため、行政が行うまちなみづくりと市民が行うまちなみづくりの2つの面から施策を展開します。

図.3.4 美しいまちなみづくり施策の展開
○ 沿道緑化の推進
現状の住宅地は、歩道もアスファルトで覆われていることが多く、また、並木として整備されている場所も多くはありません。そこで、まだ並木が整備されていない、住宅地内の主要な道路沿いへの植樹を推進します。それによって、潤いのある都市景観づくりを進めます。
また、主要な道路沿いでは、人々が座って休めるポケットパークを整備し、潤いだけでなく、人の輪の広がるコミュニティづくりの形成にも役立てます。
○ 生垣補助金制度
ブロック塀の続くまちは、冷たく素っ気無い印象を与えます。そこで、景観面だけでなく、防災面などでも優れた効果を持つ生垣を推奨するため、生垣設置に対して補助金制度を設けます。
○ 美しい庭コンテスト
市民自らがまちの景観づくりに楽しみながら参加できることを目指し、私有地を対象とした「美しい庭コンテスト」を開催します。
5.Human Scale
(1) 産業
土浦市は、霞ヶ浦に近いため、湿地が多く存在します。昭和10年代に導入されたれんこんは、土浦の土地になじみ、現在では、全国で4897ha栽培されているうちの約3分の1が土浦市で生産されており、これは日本一の生産量です。また、霞ヶ浦で捕れる淡水魚の公魚は、佃煮として土浦市の名物のひとつとなっています。
これら土浦の地場産業の更なる振興を目指すためには,まず、市民や観光客に認知されやすくすることが必要です。そこで、地域の各所に設置するサイクルセンターが観光情報発信源となるようにします。サイクルセンターは、地域住民の利用も見込んでいることから、地元住民にも地域の名産についてもっと知ってもらう機会をつくるため、様々な展示やイベントを行います。それぞれの特産品の特徴と事業の詳細については以下の通りです。
@ れんこん(蓮根)
蓮根はその名の通り蓮の根の部分のことで、れんこんには、美容によいとされるビタミンCや貧血に効く鉄分、肝臓の働きを助ける作用のあるビタミンB12を含み、長寿の食べ物として重宝されています。
土浦で取れるれんこんは漂白の心配がなく、非常に良質なものとして有名です。このれんこんを市民によりよく理解してもらうと同時に、土浦に訪れた人にもアピールできるように、様々なPR活動をおこないます。

写真.3.1 れんこんの花
・サイクルセンターを拠点とし、レンコン麺などの加工品を積極的
にアピールします。
→自転車道の整備と同時に休憩施設等の役割を持つサイクルセンターを市内数箇所に設置しますが、このサイクルセンター内に地場産業の紹介コーナーを設け、れんこんについてあれこれ紹介する他お土産としても販売する予定です。
・サイクルセンターでは、このほか「蓮の花が咲く頃」の紹介など、広報活動にも努めます。
→蓮の花は、葉の生い茂る中にぽつんと一輪咲き、蓮田に咲く様は非常に美しいものです。人々が春になると桜を愛でるようにれんこんの花も市民に愛されるように、蓮の花の開花情報をサイクルセンターにおいて知らせたり、市の広報誌やHPでも紹介します。
・市内に広がる蓮田をサイクリングロードのコースとして位置づけます。
→霞ヶ浦周辺に広がる蓮田ですが、ここにサイクリングロードを通すことで、れんこんの栽培を実際に見て、地場産業を感じてもらうことが狙いです。蓮の花を見る際には立ち止まる人々のためにベンチなどのちょっとした休憩所を設けます。
・市の広報誌にれんこん料理のレシピを連載します。
→現在でもれんこん料理のアイディア募集は行われていますが、れんこん料理のレシピは地域物産展など、市民が普段利用しないような所に置かれていて、広く紹介はされていません。そこで、定期的に市民からアイディア料理を募集し、優秀な作品は市の広報誌に毎回掲載し、市民のれんこんの消費を促します。
A 公魚の佃煮
公魚という名前の由来は、将軍様に献上していたということから来ています。江戸時代中期からの伝統的な産業です。
・土浦駅周辺にある既存の販売店をアピールしていきます。
→土浦駅周辺には今も昔ながらの名店がいくつか残っています。こうした店をサイクルセンターで紹介し、積極的にPRしていきます。
・霞ヶ浦の漁業の認知度を上げるために湖岸の堤防に市民募集による壁画を施します。
→わかさぎのほかにも霞ヶ浦では様々な魚が生息し、釣りの名所でもあります。湖岸の堤防にこれらの魚の姿を描き、霞ヶ浦の生態系について理解してもらうと同時に
湖岸のイメージを明るくし、サイクリングや散歩をより楽しくします。
(2)田村・沖宿区画整理事業見直しプラン
田村・沖宿地区及び周辺地域は、南に霞ヶ浦、西に筑波山を望み、恵まれた自然を有する風光明媚な地域で、れんこんや果物、酪農等の農業が主な産業となっています。しかし、近年の農業従事者の減少等から農地・山林の荒廃等が目立ち、都市的土地利用を目的とした区画整理事業が行われました。平成11年に竣工式が行われたこの事業ですが、商業誘致の失敗や、土浦駅までのアクセスの悪さなどが原因で、思うような人口のはりつきが行われていません。
そこで、住民が張り付くま での暫定的な利用として、住宅としての後利
用が可能な宿泊施設を建設し、周辺の小学校の林間学校を誘致します。プログラム内容としては、土浦市の豊かな自然・風土を活かして、れんこん収穫とれんこん麺作り体験・帆引き船による霞ケ浦周遊・自転車に乗って土浦市の名所巡りなどを提案し、プログラムを通して土浦市の歴史・自然・風土を理解してもらうことがねらいです。

表.3.4 林間学校プログラム例

写真.3.2 れんこんの収穫

写真.3.3 帆引き船