4−2.土浦駅周辺
現状
近年、全国的に深刻になっている中心市街地の空洞化問題が、ここ土浦市にお
いても例外なく生じている。空き店舗が多く目立ち、中心商店街への客足が途絶
えている。本来土浦駅周辺は、多くの歴史的遺産や豊かな自然など観光資源に恵
まれた土浦市の玄関口ともいえる中心市街地の重要性と、その立地特性により土
地に見合った都市的有効利用が行われるべきである。
図23.土浦駅前商店街
将来像
○活気のあふれる駅前中心市街地
○身近に芸術に親しめるような芸術創造の場や鑑賞する機会の充実
○人と自然がふれあう環境
施策展開の方向性
○チャレンジショップ土浦
○土浦文教地区計画
○ギャラリーステーション505
○西友・イトーヨーカドー空きビルの利用
○ウォーターパーク
○レイクサイド蓮河原
《 チャレンジショップ土浦 》
事業背景
中心商店街の空き店舗の有効利用と、新規出店希望者に商業空間を提供することで中
心市街地の活性化を図る。
事業計画
内容 〜 商業意欲のあり、将来店舗を持ちたいと考えている人々のために、空き店舗を
格安で提供し、商売のノウハウを実践で学んでもらう。また独立後の、出店先
を斡旋し、中心商店街の活性化を図る。(Uターン、Iターン希望者etc)
賃料 〜 将来、独立した店舗が中心市街地活性化の一躍を担うことを考慮し、あくまで
もチャレンジする場として、賃料は格安に設定する。
場所 〜 モール505及び周辺の空き店舗。
対象 〜 若者から高齢者まで、様々な年代に利用される商業空間の創造。
支援 〜 地元の豊富なビジネス経験者を中心に運営協議会を結成。
接客、価格設定、ディスプレイ、ラッピングなどあらゆるノウハウの指導
図24 チャレンジショップイメージ
《 土浦文教地区計画 》
事業背景
最近になり、教育について、多くの問題が新聞・テレビなどのマスコミに取り上げられ
るようになった。今後の少子高齢化により、教育の多様化や生涯学習の重要性などがます
ます問われるようになることが予想される。図25は、土浦駅周辺地区にある文化・教養
施設、具体的には学校、博物館、文化会館などをプロットしたものである。図から読み取
れるように、土浦駅西口周辺は、多くの文化・教育施設が集積していることがわかる。
図25 文化・教育関連施設
事業計画
これらの潜在的な要因を活かし、この地区を「土浦文教地区」と定め、時代に調和した
魅力ある文化・教育を発信する地に整備していくこととする。
その際、現状の問題点として、各施設の独立性が揚げられる。現在、これらの施設はそ
れほど強く結びついているというわけではなく、それぞれ「個」として存在しているとい
える。今後は、アクセシビリティの向上やインターネットなどの普及により、これらの施
設間を有機的に結びつけ、新しい文教地区としての発展を目指すこととする。
図26 生涯学習イメージ
≪ギャラリーステーション505≫
事業背景
中心市街地活性化計画の一つとして行う。モール505を土浦市の芸術文化発信基地と
して整備し、チャレンジショップや文教地区計画と一体的に推進することで土浦市中心部
の活性化を図る。
事業計画
駅西口から北口公園、モール505の景観の統一や回遊空間を創造し、中心商店街の活
性化を図る。将来的には、中心市街地全域における景観統制(ストリートファニチャー)
を行い規模を拡大していく。
また、空き店舗を利用したギャラリーやイベントの開催などにより、市民の芸術文化活
動の場として提供する。
図27 モール505現状
図28 ギャラリーイメージ
≪西友・イトーヨーカドー空きビルの活用≫
事業背景
現在、土浦駅前には西友やヨーカ堂の空きビルが存在する。この空きビルはモール505
への人の流れを分断し、さらに土浦駅前に活力がなく暗いイメージを生み出している。土浦
駅周辺の活性化のためにも、駅前立地を活かし、何らかの形で有効利用されるべきである。
図29.西友跡地
現在、NPOなどこれまでの市民活動から一歩進んだボランティア活動や市民活動が活
発になっている。また、女性の社会参加が、仕事やボランティアなど多様な面で確実に進ん
でいる。さらには、定年後の高齢者や障害者など、仕事に就き、自らの手で生活費を稼ぎ
出したいと考える人々も増加している。
事業計画
行政主導で現在モール505に入居している店舗の移設や、オフィスとしての貸し出し
を行う。行政が主導でビルを一括管理することにより、低料金で上記の女性や高齢者や障害
者、NPOなどに優先的にオフィスを斡旋することができる。また、オフィスの斡旋を進め
るとともに、起業家を志すものに対し、周辺の施設と連携し、学習機会の提供や資金の援
助も行う。
≪ウォーターパーク≫
事業背景
土浦駅北口は当初、再開発によりビルディングが建つ予定だったが、丸井の参入表明の
撤退や公共事業の見直しにより、計画が頓挫した状態になっている。現在、この土地は駅
ビルWINGの駐車場として利用されているが、有効活用をはかるべく、この空間を公園とし
て再整備する。
事業計画
この公園は、水路の街であった土浦をイメージして、噴水や水路などを配置し、周りの
空間と調和した開かれた公園とする(約1ha)。駅北口は建物が密集しており、雰囲気の上
でもやや重苦しく感じられるので、北口にオープンな空間を持ってくることにより、全体
の雰囲気を向上させるねらいがある。
図30.土浦駅北口現状
図31.都市公園イメージ
≪レイクサイド蓮河原≫
事業背景
蓮河原地区は、既に住宅地として整備されている瀧田地区の北側に位置し、霞ヶ浦及
び土浦駅に隣接するので、瀧田地区同様住宅地としては魅力的な環境である。今後、瀧
田地区と一体的に整備をしていくことで、よりよい住環境を創造していく。
事業計画
瀧田地区は約20haが一戸建て中心の住宅地として整備されているため、蓮河原地
区を瀧田地区と一体感のある住宅地にするため、次のように事業を計画する、
○事業面積 … 約60ha
○一戸建て … 約1,000戸
≪商業活性化≫
以上のモール505におけるチャレンジショップやギャラリー及びカルチャースクー
ルの整備、西友やヨーカ堂の空き店舗の活用、そして土浦駅北口地区の都市公園として
の整備によって、駅前商店街で直接的な施策を行わなくとも、図32のように上記の計
画が間接的な影響を及ぼし、駅前商店街が活性化することが期待される。
図32 駅前商店街活性化イメージ