3−4.交通計画

道路建設
現在土浦市では、中心市街地(土浦駅周辺)や荒川沖駅周辺をはじめとする国道6
号の混雑が激しくなっている。また、JICASTRADAを用い、道路を改良しない場合の
平成22年の道路交通流を予測してみると、昭和63年よりも悪化することがわかる
(図12)。そこでJICASTRADAを用い、このような混雑の激しい区間を選び出し、
その代替道路として計画されている道路の優先的整備を行う。各路線の整備は以下の
とおりである。

@ 国道6号土浦バイパスの完全4車化
現在は4車線と2車線とが混合している状態である。関東の南北軸としての
重要な役割を果たしており、交通量が非常に多いため、2車線部分がボトルネ
ックとなり、渋滞が発生している。今後他地域との連携を強化するためにも早
期の完全4車線化が必要。

A 国道6号牛久土浦バイパスの建設
現在荒川沖駅周辺の国道6号は2車線であり、交通量に見合わず渋滞が発生
している。路線バス運行の定時制の確保や、荒川沖駅周辺の住環境向上のためバ
イパスの建設が必要。

B 土浦新治線(国道125号バイパス−国道354号間)の建設
C 土浦阿見線(国道354号−国道125号間)の建設
D 荒川沖木田余線(土浦駅東部分)の完全4車化
E 荒川沖木田余線(土浦竜ヶ崎線−土浦江戸崎線間)の建設
現在土浦市の中心市街地は通過交通が非常に多く、慢性的な渋滞が起きてい
る。土浦駅周辺を公共性の高いエリアとして整備するためには、この通過交通の
排除が必要である。そのため、以上の4本の道路と国道6号の整備により、中心
市街地を取り囲む環状道路を作成する(図14)。

F 荒川沖駅前西大通り線の建設
荒川沖の西地区からの荒川沖駅へのアクセス向上や、さらには荒川沖駅西地
区再開発の際に行者空間確保のため建設が必要。

以上のような路線を優先的に整備していく。道路建設後の平成22年の交通流は図
13の通りである。またそれ以外の道路に関しても必要に応じ随時整備を行う。また、
以上7つの道路建設費用の土浦市における分担分は94億5千万円と推計され、これは
土浦市の年間の土木費(平成10年)とほぼ同額である(建設費用の詳細は巻末の資料
に掲載)。



図12


図13


図14
道路整備
 現在土浦市の道路の大部分は、旧来のまま改修されておらず、特に、高齢者や障害
者の歩行がしづらい個所が多く存在する。これらの個所のうち、公共施設に近い場所
や市街地から優先的に、段差の解消や点字ブロックの設置、階段部分のエレベータの
設置を行い、ユニバーサルデザイン化を図る。また、一部の道路では周辺への影響を
考慮したうえで、人にやさしいコミュニティ道路としての整備を行う。



循環・福祉バス事業について
土浦市は、駅周辺が商業の中心となっているが、市役所、図書館、市民会館など
の公共施設は駅から少し離れた所に点在しており、バス路線も少ない事から、これ
らの施設を使うのに、公共交通が利用しにくい状況となっている。また、駅周辺は
道路が狭く、そこで、これらの地区の公共交通改善と市街地の活性化を目的とした
循環バス事業を検討する。
既に土浦市では、2000年に休日に市内を循環する無料買い物バスの実験をしてお
り、1日平均で1,000人の利用がされた実績がある。利用者の反応は高く、平日に
も運行してほしいといった声や、有料化しても続けて欲しいといった声が挙がった
という。
この結果を元に、公共施設へのアクセスも考慮した路線ルートを設定し、自動車
から公共交通への転換を図るとともに、高齢者・交通弱者の足となるバスを目指す。




図17 循環バスルート

福祉タクシー事業
タクシーは公共交通にしか依存できない障害者や高齢者にとってなくてはならない
存在である。バスサービスに比べ、ドア・ツー・ドアのきめ細やかなサービスが可能
である。

○ 事業展開
市内全域でサービスを行い市に補助金で、運行は市内のタクシー会社が行う。まず有
資格者(高齢者や障害者など)にタクシーカードを交付。そのタクシーカードに書か
れている番号を元に電話予約を行う。電話予約は直前でも良い。利用時間の制限はなく、
また、土浦市内のどこにでも行ける。原則として利用回数の制限もない。運賃は、メー
ター料金が1,500円までは200円、1,500円を越える分は正規運賃を支払う。
事業開始当初は既存のタクシーを利用するため、車いすでのアクセスが困難な場合
があるが、タクシー車両の買い替えの際は、車イス対応車に変えることを原則とする。