3.基本計画

3−1.現状及び問題点
3−1−1.人口・土地利用
人口問題研究所の1998年中位推計によると、増加一辺倒だったわが国の人口は、
2007年の1億2778万人をピークに減少し始めるという。これは土浦市にも同様
に当てはまり、コーホート分析の推計によると、2010年までは微増し、その後減
少していく傾向にあることがわかる。


(図3)

また、階層別人口の推移に注目すると、徐々に高齢者層の割合が高くなり、2009
年には2割に達し、超高齢化社会が予想される。


(図4)

これら少子高齢社会は、家族形態にも影響を及ぼし、わが国においては単独世帯
が29.7%(1995年25.6%)、夫婦のみ世帯が21.9%(同 17.4%)増加し、同時に
高齢者単独世帯も220万世帯から537万世帯へ倍増すると推測されている。このよ
うな家族形態の変化(家族構成人数の減少)により、従来のような郊外の一戸建て
は規模に合わず、維持管理も困難となることから、需要が減っていくと考えられる。

TUDYによる現況分析

図3は、1995年における土浦市の人口分布を表わしたものである。土浦駅周辺の
ゾーン1、9、15において人口が集中していることがわかる。


              図5

一方、図4は、今後政策を行わなかった場合の、人口密度の増減を表わしたもので
ある。図から読み取れるように、神立、土浦、荒川沖の3駅の周辺で人口が激減して
いる。


                  図6

3−1−2.交通

○ 道路交通
現在、道路については、土浦の中心市街地及び国道6号の混雑が激しい状態にある。
これは、幹線道路である国道125号や354号が中心市街地を通過していること
や、交通量の多い国道6号が片側1車線で代替道路が無いことに起因するものと思
われる。また、土浦市街は城下町で、道路が入り組んでおり、車道が細い事も混雑
の要因となっている。


                  図7

○ 公共交通
鉄道については、土浦市内に常磐線が通っており、荒川沖駅、土浦駅、神立駅を擁
す。荒川沖駅は、土浦市南部の生活駅、及びつくば市・阿見町の玄関口としての役
割を持つ。土浦駅は、特急列車が停車する駅であり、土浦市を代表する交通の結節
点である。神立駅は、神立地区及び千代田町・霞ヶ浦町の生活駅としての役割を持
っている。

3−1−3.産業

○ 商業
まず、平成9年の土浦市の商業販売額を県南の他都市と比較してみると図8のよう
になっている。土浦市の商業販売額は水戸市に次ぐ県内第2位の集積である。しかし
近年、相次ぐ大型店の進出や、周辺市町村でのいくつかの商業核の形成により、都市
間競争が激化し、商店数や従業員数は減少し中心市街地の商店街の商業環境が一段と
厳しくなっている。
             

                     図8

○ 工業
   平成9年の県南地域各都市の製造品出荷額は図9のようになっている。土浦市は県
内第5位の出荷額を誇る。年々出荷額は順調に増加しているが、事業所数や従業者数
は減少の傾向にある。また、現在テクノパーク土浦北の整備により、多彩な企業の集
積エリアとして大きな発展が期待できる。


                     図9

○ 農業
   平成10年の県南各都市の農業粗生産額は図10のとおりである。土浦市は県内第
25位の生産額である。最大の特徴として、れんこんの生産が多いことが挙げられる。
また、首都圏近郊にありながら農地が多いことから、米の生産が多いことも注目され
る。

                    図10