第2章 人口計画

国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口データベース」の「小地域簡易将来人口推計システム」を利用して、コーホート要因法により、土浦市の将来人口を予測した。

用いたデータは、1990年と1995年の5歳毎の年齢階層別人口と1995年の合計特殊出生率で、推計する最終年度は2025年とし、仮定値として最終年度の合計特殊出生率を以下の表2−1のように定めた。

中位推計は、基準年(1995年)の時点の特殊合計出生率のまま2025年まで変わらないと仮定した。高位推計は、基準年と比べて2010年の特殊合計出生率が1割増加し、2025年には2割増加していると仮定した。逆に低位推計では、基準年と比べて2010年の特殊合計出生率が1割減少し、2025 年には2割減少していると仮定した。

表2−1 合計特殊出生率の仮定値

この仮定値を用いて推計した結果は、以下の図のようになった。この推計結果によると、土浦市の合計特殊出生率が1995年の水準で変化しない場合(中位推計)、2010年の人口は142,978人となり、その後の人口の推移は、2015年に143,558人でピークに達し、その後減少に転じ2025年には140,389人になるという見通しになった。また、高位推計では、2010 年の人口が144,070人となり、2015年に145,355でピークに達して減少に転じ、2025年には144,163人になった。低位推計では、2010年の141,919人がピークで、2025年には136,657人まで減少するという見通しになった。

図2−3 土浦市の将来推計人口

 

以上の推計結果と、日本全国でみても今後人口が減少傾向をたどると予測されていることを踏まえると、土浦市は将来大幅な人口増加は望めないと考えられる。また、開発は必要最小限にとどめて、現在あるものをできる限り活かして住民の生活の質を向上させることを重視して、人口の密度をこれ以上高くしすぎないようにするのが望ましいと考えたため、既存の開発計画による人口増加や、この政策による土浦市の魅力の向上も考慮して、土浦市の2010年の計画人口を145,000人と設定した。

2010年の土浦市の計画人口…145,000

 

 

また、この推計(中位)による、年齢3階層別人口の割合の推移は、以下の図0のようになった。これによると、今後14歳以下の年少人口と、1564歳の生産年齢人口の割合は減少し続けるのに対し、65歳以上の高齢者の人口の割合は増加し続け、2010年には、19.9%と全体の人口の約5 人に1人を高齢者が占めるようになり、2025年には25.6%まで上昇し、全体の4人に1人を高齢者が占めるようになる見込みである。この高齢者の割合は、高位推計では、2010年に19.8%2025年には24.9%となり、低位推計では、 2010年に20.1%2025年には26.3%となった。

図2−4 土浦市の人口推計結果(年齢3階層別・中位)

以上の人口推計の結果と、既存の開発計画による人口増加や、この政策による土浦市の魅力の向上による効果等も考慮して、2010年(平成22年)の計画の指標を以下の表2−2のように定める。

世帯数については、今後も出生数の減少傾向や核家族化の傾向が続くものとして、2010年には1世帯当たりの人数は2.60まで減少すると想定し、世帯数を55,800世帯とする。

年齢3階層別人口については、中位推計結果をもとに、この計画による土浦の魅力の向上で主に若い世代の社会増と出生率の減少傾向の軽減が多少は起こるものと想定し、2010年の時点で15歳未満の人口の割合を15.0%1564歳の人口の割合を66.0%、65歳以上の人口の割合を19.0 %と想定した。

産業別就業人口については、今後も第一次産業就業者は減少し、第二次産業については就業者の割合はやや減少して就業者数はあまり変わらず、第三次産業の割合は増加していくものとして、2010年の時点で就業者数を75,000人とし、第一次産業の就業者の割合を2.0%、第二次産業は26.0%、第三次産業は72.0%と想定した。

 

表2−2 計画の指標(網掛け部分は推計値、平成12年人口・世帯数は速報値)

年度

平成2

平成7

平成12

平成17

平成22

総人口

増加率(%)

127,471

132,243

134,710

140,000

145,000

6.1

4.0

1.9

3.9

3.6

世帯数

増加率(%)

41,417

45,767

49,233

52,800

55,800

12.3

10.5

7.6

7.2

5.7

世帯人員数

3.08

2.89

2.74

2.65

2.60

15歳未満

割合(%)

23,662

21,281

20,072

21,000

21,800

18.6

16.1

14.9

15.0

15.0

1564

割合(%)

90,252

94,255

94,701

95,900

95,700

70.8

71.3

70.3

68.5

66.0

65歳以上

割合(%)

13,260

16,707

19,937

23,100

27,500

10.4

12.6

14.8

16.5

19.0

第一次産業

割合(%)

3,278

2,655

2,100

1,800

1,500

5.1

3.9

3.0

2.5

2.0

第二次産業

割合(%)

18,594

19,233

18,900

19,200

19,500

29.0

28.1

27.0

26.5

26.0

第三次産業

割合(%)

42,272

46,011

49,000

51,500

54,000

65.9

67.3

70.0

71.0

72.0

合計

64,144

68,343

70,000

72,500

75,000

(資料:国勢調査)