筑波大学 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 公共心理研究室

研究室紹介(LABORATORY)

社会的ジレンマをmanageする

社会的ジレンマとは,短期的・利己的にメリットのある行動と,長期的・社会的にメリットのある行動とが背反し,それが集積したときに社会問題となり得る社会的現象を意味しており,多くの社会問題に潜む構造としてゲーム理論を始めとする様々な場で理論的・実践的に論じられてきました.こうした社会状況では,今の自分の利益を優先するか,みんなの将来の利益を優先するかの葛藤が生じます.皆が今の自分のメリット,すなわち短期的・利己的利益を優先したなら,みんなの将来のメリット,すなわち長期的・社会的利益は低減し,社会問題が顕在化します.
例えばGWやお盆の時期に,家族で移動することを考えた場合,今の自分のことだけを考えると,新幹線や航空機よりも低コストで荷物を運ぶ必要もなく,経路選択も出発時間も自由,エアコンの効いた車内で座って移動可能,さらに子どもが騒いでもOKなマイカーで移動するメリットは多大です.しかし,皆がクルマ移動を選択したら,大規模な交通渋滞が起き,多大な社会経済的損失とともに大きな環境負荷が将来世代へも禍根を残すことになります.さらに交通渋滞で自動車以外の選択肢が存在しなかった移動,例えば救急搬送や物販等の緊急性,定時性が阻害されることになります.このように社会的ジレンマという概念は,さまざまな社会問題を理解する上で重要な役割を担っています.

図1:社会的ジレンマの構造
図2:行動変容の要因

社会的ジレンマの緩和に向けて

こうした状況を打破するために,経済学,社会学,心理学等様々な研究分野で社会的ジレンマに関する研究が積み重ねられてきました.そして,社会的ジレンマ緩和のためには,人々が短期的・利己的視点のみを優先する行動(非協力行動)から,長期的・社会的視点をも考慮した行動(協力行動)への「行動変容」が不可欠であることが明らかになっています.
当研究室では,社会問題の中でもとりわけまちの様々な問題の解決に向けて,心理学・教育学などを援用しながら,政策・実践に貢献することを目指した理論的・実務的研究を行っています.

研究室のゼミについて

図3:映画ゼミの様子

頻度

形式

その他のゼミ

身に付くスキル