組合せ数学セミナー
発表内容の概要
位相幾何学的グラフ理論における古典的な結果であるYoungsの定理は、「射影
平面上の四角形分割の染色数は2または4であり、3にはならない」というもので
ある。この定理に対して、一般の向き付け不可能閉曲面への拡張、高次元射影
空間への拡張、円形染色数への拡張など様々な一般化が研究されてきた。本研究
ではこれらの拡張を統一的に包含する新たな一般化について述べる。証明には
ホモロジー群などの代数トポロジー的な手法を用いており、曲面上のグラフ彩色
問題を理解するための新たな視点を与える。本研究は松下尚弘氏(信州大)との
共同研究である。
d次元球面上の特殊な性質を持った有限集合として、自然数tをパラメータとする
球面$t$-デザインと呼ばれる点集合がDelsarte氏らによって定義された。
更にこれを一般化した性質として、自然数の部分集合Tをパラメータとする球面
T-デザインが坂内氏らと三枝崎氏によって独立に定義された。
ここで、d次元球面上の有限点集合Xについて、XがT-デザインとなる時、TをXの
球面調和指数と呼び、特にXに対して取りうる球面調和指数の中で最大の自然数
の部分集合をXの球面調和強度と呼び、Hst(X)で表すとする。ここで自然な問題
として、与えられた自然数dと自然数の部分集合Tについて、d次元球面上の点集合
Xであって、Hst(X)=TとなるXが存在するのか、ということが考えられる。
本講演では、d=1の場合に限った上記の問題について紹介する。
具体的には、任意の有限な集合TについてHst(X)=TとなるXを構成できること、そ
して無限な集合Tについては、Hst(X)=TとなるXの存在がある性質を満たす多項式
の集合の存在と同値であることを示す。本研究は、三澤竜太郎氏(東北大学)との
共同研究である。
本講演では、まずグラフの彩色多項式の歴史、性質そして
ある完全グラフに関する正値性を振り返る。
続いて、Stanley (1995) によるグラフの彩色関数を導入し、同様にその歴史や性質
を考察する。
さらに、対称関数環のよく知られた基底の族やStanley-Stembridge予想 (1993) に
関わる主なe正値性の結果を概説する。
最後に、この数え上げ問題の核心に迫るため、Gebhard-Saganの非可換彩色関数の援用
と双対RSKに関する講演者のアイディアを紹介したい。
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