2023年度 サービス工学学位プログラムのカリキュラムポリシー

サービス工学学位プログラムでは、産官学連携教育研究を強力に推進し、地域社会にも貢献でき、研究成果も蓄積され、その中でよい学生が育つ三位一体プログラムを構築しています。その特長は、以下の3ステップからなる教育課程にあります。

マトリックス型コースワーク(必修科目)

サービス工学学位プログラムでは、

  • ・リアルサービス(人が人に行うサービス)
  • ・地域サービス(組織が地域に行うサービス)
  • ・バーチャルサービス(IT 技術を通じて組織が人々に行うサービス)

という3つの対象と、

  • ・効果性のサイエンス(顧客や社会が必要とするサービスを発見する計量分析スキル)
  • ・効率性のサイエンス(組織が適正利益を確保するための効率化スキル)
  • ・統合のアート(上記の効果性・効率性のトレードオフ問題を克服する統合スキル)

という3つのスキルからなる、1年次春学期に必修科目(2単位×9科目)を集中的に履修します。 なお、これらの9つの必修科目は、サービス工学学位プログラムの学生しか受講することはできません。

基本スキル 対象
リアルサービス 地域サービス バーチャルサービス
効果性のサイエンス
(春学期AB)
消費者心理分析
上市秀雄
地域データ解析
鈴木勉/渡辺俊/大澤義明
ビッグデータアナリティクス
【中林紀彦】
効率性のサイエンス
(春学期AB)
応用最適化
繁野麻衣子
公共インフラ計画
川島宏一/谷口守/堤盛人/森祐介】
情報ネットワーク
張勇兵/Tuan Phung Duc
統合のアート
(春学期C/秋学期AB)
サービス会計
岡田幸彦
プレイスメイキング
藤井さやか/雨宮護
技術経営
高野祐一/ 岡田幸彦/ 鮏川矩義/安東弘泰/大西正輝/馬雪乃場/ 今倉暁/西村直樹】
仮説検証とサービス進化 産官学連携修了研究

オール筑波大学、オールジャパンによる叡智の教授(選択科目)

上表に示されたスキルを1年次春学期で身につけた後、それらスキルを使いこなす方法論とノウハウについての専門能力育成を、1年次秋学期以降に開講する専門基礎科目で行います。専門基礎科目は、3つの対象それぞれの専門的知識を扱う科目、仮説検証とサービス進化(解決策を実践し、結果を科学的に検証するスキル)をも含む4つのスキルそれぞれの専門知識を扱う科目等から構成されています。

サービス工学学位プログラムならではのこだわりとして、“つくばの社工”だけでなく、オール筑波大学さらにはオールジャパンとしての叡智を学ぶ場を目指した教授陣の人選を行っています。また、学生が幅広い知識を自律的に蓄積し、自分だけの知の体系を築けるよう、1単位科目を原則としています。なお、これらの専門基礎科目は、社会工学学位プログラムを含む他の学位プログラムの学生、科目等履修生などによる受講が可能です。

主な専門基礎科目(担当予定教員の所属)

  • ウエルネスサービスサイエンス(筑波大学体育系/つくばウエルネスリサーチ)
  • 観光の科学(筑波大学システム情報系)
  • 金融サービスと意思決定(BNPパリバ・アセットマネジメント)
  • 交通サービスデザイン(イーグルバス)
  • サービス工学:技術と実践(産業技術総合研究所)
  • サービス満足度解析(サービス産業生産性協議会/日本生産性本部)
  • システム開発論(筑波大学ビジネスサイエンス系)
  • 情報ネットワークの経済学(筑波大学システム情報系)
  • 総合型地域スポーツクラブ論(鹿島アントラーズFC)

主な専門科目(学外担当予定教員の所属)

  • サービス工学特別講義Ⅰ「観光政策・市場開拓」(日本交通公社)
  • サービス工学特別講義Ⅱ「サービス事業計画」(トーマツベンチャーサポート)
  • サービス工学特別講義Ⅲ「データドリブン・マーケティング」(電通/KDDI/SAS)
  • サービス工学特別講義IV「デジタル・ガバメント/スマートシティ」(つくば市)

サービス・ラーニング: 産官学連携修士論文(必修科目)

1年次の産官学連携修了研究(サービス工学特別演習)は、第1ステップと第2ステップと同時並行的に行われます。第1ステップと第2ステップがおおよそ終了した2年次は、産官学連携修了研究(サービス工学特別研究)による実践的な研究生活が学生生活の中心となります。

産官学連携修了研究は、アクションリサーチを理想としています。1年次秋学期末の研究計画発表会、2年次10月の中間発表会、2年次秋学期末の最終審査会の3つの段階で審査・評価を受けます。

学位プログラムの人材育成

現代の社会経済は、サービス分野が付加価値および雇用の7 割を生み出すまでに至っています。私たちが生きるこれから の時代に求められるのは、新たなサービス、よりよいサービスを創るための知識とスキルを身につけた人材です。そしてそのために、新たな学問分野「サービス工学」への社会ニーズが飛躍的に高まってきました。

サービス工学学位プログラムは、サービス分野における現在・将来の生きた問題に立ち向かい、新たなサービス方法を創造・ 実践し、社会経済の発展に貢献する次代のリーダーを育成するための博士前期課程の専門学位プログラムです。

サービス工学学位プログラム(博士前期課程)の履修モデル(システム情報工学研究群パンフレット)

学位プログラムの特色

筑波大学の研究成果が生んだ世界初の学位プログラム

筑波大学の実証研究によると、“ 成功するサービス” の企画・開発においても、日本の製造企業で醸成された原価企画活動に類する特長的な活動が行われています。その一連の方法論は、 (1) 効果性のサイエンス、(2) 効率性のサイエンス、(3) 統合のアート、(4) 仮説検証とサービス進化、という4 部分から体系化できます。

サービス工学学位プログラムでは、このサービス開発方法論を基礎理論として、「未来構想のための工学」をサービス分野で実践できる高度職業専門人「サービス分野の未来開拓者」を養成し、修士(サービス工学)の学位を授与します。産官学連携研 究を強力に推進することで地域社会に貢献し、学術的な研究成果も蓄積され、その中でよい学生が育つ姿が、サービス工学学位プログラムの目指すビジョンです。

学位プログラムコンピテンス

本学位プログラムでの学修を通じ、学生の皆さんは以下のコンピテンスを修得します。

汎用コンピテンス

博士前期課程
  • 知の活用力
  • マネジメント能力
  • コミュニケーション能力
  • チームワーク力
  • 国際性

専門コンピテンス

博士前期課程
研究力 サービス工学分野における研究課題設定と研究計画を遂行するための基礎的な知識と能力
専門知識 サービス工学分野における高度な専門知識と運用能力
倫理観 サービス工学分野の高度専門職業人にふさわしい倫理観と倫理的知識

達成度評価(学修成果の評価)

達成度評価システムにより、修得すべきコンピテンスの達成状況を教員と確認しながら学修を進めます。

博士前期課程
  • ・達成度評価を学期ごとに計4回実施する。この評価は毎回、指導教員と院生が面談し、履修内容を確認する形で行われる。基礎の必修9 科目の履修状況、専門科目にかかる知識の獲得状況、修士論文の進行状況、を確認しながら進めるものである。
  • ・サービス・ラーニング:産官学連携修了研究は、1 年次秋学期末の研究計画発表会、2年次秋学期の中間発表会・最終審査会の3 つの段階で審査・評価を受ける。

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