社会工学類は社会的問題を工学的な考え方で研究する学問です。

経営工学主専攻

経営工学主専攻とは

情報技術時代を迎えて

現在、企業をはじめとする組織体の管理・運営・意思決定は、ますます情報技術(IT)を基盤とする方向に進んでいます。多量の情報が溢れ出る一方、従来以上に迅速かつ適切な判断を下す能力が要求されています。本専攻では、こうした時代のニーズに応えるべく、問題を合理的に把握し、科学的な解決方法を提言できるような人材を育成します。

それらの基礎となるのは、マネジメント・情報技術・数理工学の3つの専門エリアに関する確かな知識と技術力です。経営工学主専攻では、これらを同時に学習できるよう、多様性に富んだカリキュラムを提供しています。3つのエリアの知識を同じバランスで習得して経営工学のジェネラリストとして卒業することも、情報技術など個々の分野に重点をおき、大学院で専門知識を取得して、スペシャリストとして社会に貢献することも可能です。

いずれの場合も、マネジメント・情報技術・数理工学の3つのエリアの知識を確実に習得でき、これは従来の文系・理系的な分け方に分類可能な学科でのカリキュラムと大きく異なる特徴です。

基本教育方針、カリキュラムの方針

経営工学主専攻の授業は、3つの専門エリアと専門エリアでの学習の基礎となる「経営工学基礎エリア」によって構造化されています。組織体の管理を考える上で、対象となる組織体についての知識は不可欠です。企業とはどのような組織なのだろうか、市場において人間はどのような行動をとるのか、金融業界は今どうして急速に変化しているのか、マネジメントエリアではこうした事柄に関する知識を与えます。さらに科学的な管理方法を提案するためには、データの収集と分析を行なう必要があります。この課題を実現するため、情報分野では、e-mailやweb上での検索方法といった現代に不可欠な計算機リテラシー、計算機言語、OS(オペレーティング・システム)、統計処理ソフトウェア等の情報処理技術について、数理工学エリアでは数理計画、応用統計学、応用確率論等の数学的な解析方法について、それぞれ学習します。

さらに、これらで得た知識を総合的に応用するプログラムも用意されています。専門科目である各エリアの実習では、各エリアにおける技術を実習として体得するだけではなく、希望者に対するインターンシップ(就業体験)の実施、社会の第一線で活躍する諸先輩を招いての事例講義など、机上の学習に留めることなく、常に時代の変化を意識できる学習環境を提供するよう努めています。

将来の方向と進路

本専攻の卒業生の内、約25%が大学院博士課程または修士課程に進学します。就職した学生の、主な就職先は、製造(電機・計算機メーカー等)、サービス(情報通信、経営コンサルタント)、金融関連(銀行、生命保険等)です。

経営工学主専攻カリキュラム

経営工学主専攻カリキュラム

経営工学」を学ぶ : システム情報工学研究科 教授 岸本一男

バブル以前の時代は、無難な品質の製品を無難な原価で作れば、まずは売れる時代でした。1万人分の需要があるところで5千人分の供給しかないならば、問題は「どのように売るか」ではなく「どのように良い物を大量に安く作るか」ということでした。そのためのシステムとノウハウとが必要でした。

現在の、物余りの時代とは、いくら良い物を作っても、それでも売れ残ってしまう時代です。1万人分食事が必要なときに、2万人分の供給があれば、いくらちゃんとした食事であっても1万人分の食事は売れ残ります。この環境下では、例えば何らかの差別化によって、売れるようにする積極的な工夫が必要になります。それは、他店では作れない特別の味を出した料理かもしれないし、注文してから30秒で提供できる迅速さにあるかもしれないし、他店より遙かに安い値段で提供できる価格競争力かもしれません。その工夫の一つとして、必要な製造量をできるだけ正確に見込みたいし、できれば注文があってから製造できれば原料のロスを省けるかもしれません。ありとあらゆる技法と工夫の動員が必要となります。

このような過程の中で、バブル期以前のブルーカラーの作業の自動化に続いて、ホワイトカラーの作業の自動化が急速に進展していることも現代の特徴です。この新たな枠組みの中で、製品製造のみならず、製品開発から企業活動全般において、新しい経営工学の存在意義は、従来よりも格段に高まっていると言えるでしょう。

「デリバティブ」や「公開暗号鍵」のような個々の技法は、高度の数学や計算機の知識を必要とするようになってきています。商いに「読み書き算盤」が必要なのは数百年の昔からです。現代の「商い」を生き抜いていくには、経営学、会計学、マーケット、生産管理等の経営学・経営工学として従来くくられてきた内容に加えて、数理的解析、情報・パソコン・インターネットの多角的な理解・利用能力が必要です。

経営工学主専攻では、専門科目を、経営・情報・数理の3分野の体系に整理して、めまぐるしく変化する世界を生き抜いていく充実した基礎的能力を養うと共に、更に、その上に、各種の新たなトピックを学んでいきます。近年当然視されはじめている大学院教育への接続を積極的に考えた科目体系を準備しています。経営工学主専攻では、意欲ある人材を求めています。

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